〜秋月夜編〜
(9-10.].2014)
参加者:dazai39、いーぐる
自分にとって、日本のヤママユガ最後の砦がクロウスタビガ!
前後翅に生ずる4つの半透明の斑紋と、黒と黄の渋いコントラストが特徴的なヤママユの仲間です。
北海道亜種は多産するようですが、本州では発生期間が短く、年によっても前後するのでなかなか観察しにくい種です。
ヤママユに魅せられたからには、この種もコンプリートせねば!!!
講義終わりに、dazai39の運転で群馬県へ。
クロウスタビガは、ミヤマカラスアゲハと同じくキハダをホストとします。
そのため、ミヤカラの多産地や、キハダの生える山間部の渓流などを目印にポイントを探すのが良いようです。
今回は、10日前にヤナさん、がしゅんとクロウスタビガを観察したポイントに行きました。
(夏の終わり〜クロウスタビガ採集〜 へ)
前回はまだピークという感じはしなかったので、その点は期待!
あぁ、月が明るい・・・。
気になるのは月齢と台風の影響です。
雲は出ているのですが、明るい月がときたま顔をのぞかせます。
また、台風が関東付近を通過した2日後なので、クロウスタビガが吹き飛ばされてないかなぁとか。
不安はありますが、風はなく、気温も20時の時点で15℃と高いことに期待します。
早速、前回も成績のよかった街灯を見ていきます。
前回ほどではありませんが、クスサンがたくさんいました。
影になってる側もしっかり確認しないとな…ぁぁぁあああああ!!!
クロウスタビガ
いたっ!!!
少し擦れてますが、この4つの紋! 黄色と黒の模様!
クロウスタビガ最高!!!
近くを探していたdazai39も発見しました。
クロウスタビガ
下草に静止していました。
さらに、道路上には!!
クロウスタビガ
ぁぁぁぁぁ・・・・、轢かれてました。無念!
初っ端から、複数個体を確認できて、期待が高まります。
早速、ライトトラップを設置します。標高650mほどの場所です。
dazai39持参の蚊帳を被せて、光を拡散させます。
ガにはこの方法が、効果あるらしいです。
数頭のクスサンが飛来し始めたのを確認して、再び街灯巡りを開始しました。
前回の採集で、集まりのいい街灯は確認済みなので、スムーズに回ることができました。
10日前に比べ、ヒメヤママユの個体数が増えていることが目に留まります。
ヒメヤママユ ♀
♂とは異なり街灯にはあまり集まらない、ヒメヤママユの♀も数頭確認しました。
翅の丸みや色彩の濃さなどでも雌雄を同定できますが、触角で区別するのが確実です。
ヒメヤママユ ♀
♂の触角が羽毛状なのに対し、♀の触角は枝状です。
♀は翅がより丸みを帯び、色が淡く、腹部が大きいなどの特徴もありますが、個体差があります。
ヒメヤママユ
こちらはヒメヤママユの♂です。
ヒメヤママユも色彩変異が比較的多く、この個体はピンク色の強い個体です。
街灯の多い地域に入ったので、丁寧にルッキング。
dazai39が街灯下に何かを発見しました。
おっ!この4つの紋は!!
ウスタビガ
クロウスタビガ・・・ではなく、ウスタビガの♀です!
クロウスタビガと同じRhodinia属ですが、異なる種類。
ヤママユの中で一番好きな種類です!
ヤママユの中では最も遅くに発生する種類で、場所によっては12月にも観察できます。
10月初旬に観察できたのは意外でした。
この地域では発生がかなり早いのかもしれません。
ゴホンダイコクコガネ
目を引くのはガの仲間ですが、街灯周りをよく探すと、糞虫の仲間もいました。
大きさは12mmほどですが、角のかっこいい種類です。
この個体は小型なので、頭角・胸角の発達はあまりよくありません。
シロマダラ
シロマダラというヘビも見ました。
ヤママユガ
ヤママユガ、まだいました!
これで本日、ヤママユの仲間を5種確認したことになります。
ウスタビガ
深夜にかけて、ウスタビガの飛来が増えました。
それでもまだ発生初期のようで、個体数は多くありません。
観察できた数順では、 クスサン ≒ ヒメヤママユ > クロウスタビガ > ウスタビガ > ヤママユガ となります。
クスサンは個体数は多いものの、擦れている個体が多く発生後期に差し掛かっていると思います。
クロウスタビガ
なぜか、クロウスタビガは捕食されたり、轢かれている個体が多い。。。
クロウスタビガ
この個体は生きてる!
前回は確認しなかった、一際明るい街灯でも・・・、
クロウスタビガ
完品のクロウスタビガの♀がいました!
ウスタビガほど顕著な雌雄差はありませんが、♀の翅は丸みを帯び、ピンクの色彩が多い気がしました。
やはり決定的なのは触角です。
2時間ほど街灯を巡った後、ライトトラップの場所に戻ると、大型ガのシルエットが見えます!
クスサン
月の影響が大きいのか、集まったガはそれほど多くありません。
しかし!!!
クロウスタビガ
クロウスタビガはしっかり飛来してました!!
この後も、街灯巡りとトラップの確認を繰り返し、
街灯巡りで6頭、ライトトラップで2頭、 計8頭 のクロウスタビガを確認できました!!
轢かれていた個体は他に3頭。。。
とにかくクロウスタビガを複数頭確認できて大満足!!
dazai39 「これは、クロウスタビガの発生ピークと言っていいのかな。」
その答えは翌日に明確なものとなりましたが、このときはそれを知る由もなく、就寝したのでした。
By いーぐる
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