バリ・ティモール遠征



バリ島前半・甲虫編



〜バリの小人たち〜




(2-3.V.2019)




参加者:すいみ〜、ガッキー、ドロポン、じょえる




皆さんお久しぶりです。すいみ〜です。
僕が採集記に登場した直近の回は2017年6月の「奥多摩一日採集」で、自分の書いた採集記となるとさらに1年前の2016年9月に鹿児島へ遠征に行った、「おいどん一人旅」までさかのぼります。
実はだいぶ昆虫から離れた生活をしておりまして、本格的な採集となると1年以上ぶりになります。

そういう訳で、すっかり昆虫採集というものの感覚を忘れてしまった状態でした。

さて、かなり久々だし手軽な採集に行きたいところですが、今回の採集地はインドネシア。

………………。

インドネシア!??

冷静になるとあまりにも無謀。

何を持って行けばいいのかも忘れてしまっているというのに、随分と無謀なことをしてしまったと若干の後悔をしつつ当日になってしまいました。



〜中略〜



しかし、人間というものは単純なものです。
ひとたび異国の地に降り立ち非日常を肌で全開に感じると、来る前の不安や後悔など消し飛び、後先のことなど意識の外に追いやってしまう。

バリ島の空港についた僕はすっかり興奮し、未知なる出会いへの期待で胸がいっぱいになっていたのでした。



鱗翅編と重複することもあるかと思いますが、ここはやはり順番に出来事を追っていこうと思います。


バリに到着した僕たちは、空港を出たところでガイドのE氏と合流することになっていました。

以前じょえるがインドネシア遠征に来た時からの縁で、今回もお誘いがあったみたいです。

彼を最初に観た時は腕に入れ墨が入っていたので少しびっくりしましたが、とても気さくで話しかけやすい方でした。アウトローな人じゃなくて良かった…笑

そして今回の採集では運転手の方も一人同行してくださるようで、その方が駐車場から車を出すのを待つ間、僕は出国前に借りたモバイルWiFiを繋げてみることにしました。

インドネシアでは使えることにはなっていたものの、果たしてティモール島でも使えるのかが心配でしたが、無事に電波をキャッチできたようでインドネシアでも最低限のネット環境が約束され一応の安心を得ました。
グローバルWiFiありがとう!)

しかし、やっぱりインドネシアは暑いですね。
赤道直下は伊達じゃないというか、3月の日本からくれば当たり前なんですが待っているだけで汗をかいてしまいました。

大混雑の駐車場からようやく車が抜け出して来たので乗り込みます。

この車、7人用の車だったのですが最後尾の座席を倒してトランクにする必要があったので、僕たちの荷物を納めるには最後尾の座席をすべてつぶす必要があり、宿に向かうまでは四人が一列に座るはめに。。。笑

宿について荷物を下ろした後は、とりあえず適当なところへ採集に行きます。

ホテルからそんなに遠くない、林がちょっと開けたようなところで採集をすることになりました。
既に16時ごろになっていたのと快晴とは言えない天気だったので、いかにも昆虫が居そうな雰囲気ではありません。

が、まずはバリに来て最初の採集ということでなんでもいいから何か昆虫がいないか探してみます。



こんな感じで(植えられた?)サボテンなんかも生えていて、いわゆる熱帯のイメージとは異なり意外と乾燥しています。

はじめは歩き回ってルッキングしていたのですが、この場所は腰やひざくらいの高さの植物が生えておらず、高木や低木ばかりだったのでとりあえず長竿でガサガサしてみる方針に切り替えると、ゾウムシやカミキリが網に入ります。


ゾウムシ上科の1種

カミキリムシ科の1種

しばらくすると晴れ間が出てきて、それと共に蝶が飛び始めました。
じょえるは喜んで蝶を追いかけていますが、僕はとりあえず追加の個体を探してみることして遠くの方まで散策しました。

すると、放牧地になっていると思わしき広場が現れました。
あたりには動物の糞が沢山落ちていたのでいくつかほじくり返してみましたが、残念ながらだいぶ時間がたったもののようで、昆虫の影は見当たらず。

しかし、あたりに生えている黄色い花をつけたエンドウのような植物をよく見ると小さなハムシがついていました。


エンドウのような植物

ハムシ科の1種

その後は久々の遠征と暑さに疲れたのでまだ初日だし、適度に休憩をはさみつつゆっくりと歩きまわりながら蝶でも探すことにしました。

採集した蝶は鱗翅編に網羅されているので割愛します。


すると何やら牛糞を弄りまわしている男たちの姿が…
考えることは皆同じですね。笑

僕のほじくった糞とは違ってこちらは新鮮だったらしく、糞虫を採集できたようです。


糞に群がるガッキーとドロポン

他にも、エキゾチックなタマムシなんかも採集していたようです。


タマムシ上科の1種

これはちょっと羨ましい…!

そして今度はいかついお顔を持ったアリ。


ハリアリ亜科の1種。アギトアリ属ヒメアギトアリ属あたりでしょうか。

う〜ん。南国って感じですなぁ。




その後、ドロポンがツノゼミを探しているのを眺めながら休憩。

久々だったので体力の消耗を恐れてかなり控えめな行動をとっていました。
卒論で研究室に籠りっきりだったから体力の低下を感じていると言って、じょえるも隣に来て一緒に休んでいます。

そ、卒論………

わたくし、4月からは3回目の4年生でして………
気づけば後輩のじょえるに追い抜かされてしまいました。


この異国の地で、急に現実を突きつけられ愕然とします。
つくづく、過去の自分を顧みて「恥の多い生涯」を送ってきたなと憂鬱になりました。(大げさ)

か、帰ったら真面目に頑張るから………


もう蝶も飛ばなくなってきたし、そろそろ日も暮れるので本日はここまで!



バリ島2日目です。

特に寝苦しかったりすることもなく、十分に休息が取れた快適な朝を迎えました。

熱くて寝苦しかったりしないか少し心配だっただけに良かったです。


インドネシアに来て初めて終日行動できるので、沢山の出会いがあるといいなと期待に胸が膨らみます。

 

ここバリには、チョウを放し飼いで展示している「BALI BUTTERFLY PARK」という施設があります。

今日の採集はそのバタフライパークの近くにある山の麓で行い。そこにも寄ってみることになりました。

 


現地についたのは11時過ぎ。

採集地の雰囲気はマレーシアに行ったときにお邪魔した村の森に似ていて、期待感が高まります。

 

まず森に入って最初に目にした昆虫はヒシバッタ科(Tetrigoidea)の昆虫でした。


朽木の上にとまっていた個体

シダ類の上にとまっていた個体

ここでは模様が違う2種類ほど見かけましたが、違う種なのでしょうか?


その後、木を網でスウィーピングしてみるとゾウムシを見つけることもできました。


スウィーピングで得たゾウムシ上科の1種

葉上にいた上の写真と同種と思われる個体
標本の写真


このゾウムシはルッキングで葉上にいる個体を見つけることもできたので、もしかしたらこの植物が食草なのかもしれません。


そしていかにも南国らしく、パパイアも生えています。


立派な?パパイア


パパイアの近くは多くの草本植物が生えていて、

葉上にはトゲハムシ亜科
(Hispinae)の昆虫がついていました。


トゲハムシ亜科カメノコハムシ族(Cassidini)の1種
トゲハムシ亜科の1種

かつて、亜科とされていたカメノコハムシ亜科は今ではトゲハムシ亜科の下位分類であるカメノコハムシ族に再定義されたようです。
一見全く容姿の異なる彼らが同じ亜科にいるというのはなかなか興味深いですよね。


他にも、ハムシ科の昆虫を見かけました。


ハムシ科の2種?

こちらは採集したときは同種だと思ってましたが、帰国後によく見ると足の色も形もだいぶ違いました。別種でしょうか?


その後はスウィーピングでカミキリムシ科を採ったり、蝶を追いかけたりとあっという間に4時間ほどが経過し、そろそろバタフライパークに向かうことに。

 
スウィーピングで得たカミキリムシ科の1種



バタフライパークは全体を大きなネットで覆われていて国内外含め数多くのチョウが展示されており、飛んでいる姿を見れたはずだったのですが、ちょうど施設内に入ったタイミングで土砂降りになってしまいました。

なので、飛んでいる姿を見ることはできず残念でしたが、蛹を管理しているところや蝶園で保管しているインドネシアの昆虫標本などを見て楽しみました。










今日はこんな感じでした〜〜。


全体を通じて、バリ島では小型の甲虫との出会いが多い採集になりました。
明日からのティモール島では、大型甲虫との出会いも期待したいところですね!



夕食後はお土産などを買ったりしてから帰宅し、インドネシアのビールBINTANGを飲みながら1日の余韻に浸りました。


採集後のビールは格別!


謎のスナック、二重ウサギ


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