昆研HP TOPへ

インドネシア遠征

アンボン島・下・鱗翅編

〜渓流の宝石〜



(21-23.U.2018)


参加者:宇治金時、ガッキー、ドロポン、じょえる








今日から再びガイドさんのガーデンで採集!



8時ごろガイドさんにホテルまで迎えに来てもらい、


いざ出発!!




まず市場によって食糧調達。



その後林道に入って、車で行けるところまで進み、


そこからは採集しながら移動。



コモンタイマイ(Graphium agamemnon) と コドルスタイマイ(Graphium codrus



ウスキシロチョウ(Catopsilia pomona)などがいました!



そして、何回も川を渡って下半身がびしょ濡れになりながら到着!



家の前の網の中では、


サビモンキシタアゲハ(Troides hypolitus)が羽化していたので、しばし観察。



体がすっかり汗だくになってしまったので、川でひと泳ぎ♪




お昼ご飯を頂いて、採集へ。

お昼を回って少しチョウの数が少なくなっていたので、


ガッキーとカミキリを探しながら奥へ。

(成果は甲虫編をご覧ください!)



日陰では、


時折ウスズミメダマチョウ(Taenaris urania)がいます。



メダマチョウの仲間は、1種を除いてオーストラリア区に分布しており、

ウスズミメダマチョウはモルッカ特産種です。

いくらか採集していると、


雌雄の差もありますが、黒っぽい個体から白っぽい個体まで変異が結構面白いチョウでした!



ウスズミメダマチョウを三角紙に入れていると、


不意に川上の方から黒いチョウが!



キャッチしてみると、


ネッタイモンキアゲハ(Papilio fuscus)!

スラウェシで見た個体より大きい!



さらに、少し待っていると、

ちらちらと青を輝かせてゆっくり飛んでいるチョウが!

一瞬何か分からず見とれてしまいました。

アオネみたい…あ、オオルリか!!

いつもは高いところを飛んでいるのを見かけるので、こんな低いところにいると思いませんでした。

吸水しに来たようで、膝下くらいの高さをひらひら飛んでいます。



慎重に網を構えて、



キャッチ!


やったー!!

スレもない完品のオオルリアゲハ(Papilio ulysses)をゲット!



この他にもいろいろ採集して17時前には切り上げました。












翌日、


今日は、みんなで川の上流の方へ。



甲虫屋のドロポンとガッキーは辺りの植物を注意深く見ながら、甲虫を探しています。

周りの植物が高くて、まるで自分たちが小人になったような錯覚に陥ります。





今日の個人的な目標は、パンダルスムラサキ(Hypolimnas pandarus)の完品を採ること。


パンダルスムラサキ。

その存在を知ったのは幼少のころ。

初めて標本写真を見たとき、黒、橙、紫という独特な色彩と模様に心を奪われました。

その独特な色彩、模様に惹かれて、いつかその姿を見てみたいと願うことおよそ15年、

ついにここアンボンで出会うことができたのです。


アンボンに来るまでは個体数が多いとは思っていなかったので、ボロでも採れたらいいなと思っていたのですが、

初日からたくさん見ているので、完品が採りたい!

ただこれまで何頭も採集しているものの、破損個体が多く、リリースしてばかりです…。





さて、


川の中に入りながら、川沿いに歩いていると、

アピアス(Appias)などのシロチョウがいろいろといました!


プラシディアトガリシロチョウ(Appias placidia) と カワカミシロチョウ(Appias albina



アダトガリシロチョウ(Appias ada) と リベリアヒメトガリシロチョウ(Saletara liberia

シロチョウ系は個人的にお気に入りの種が多く、プラシディアは採集するまでその存在すら知らなかったので、

採ったときはものすごく心が躍りました!



さらに、昨日川の砂地に仕掛けたトラップには、

様々なシジミチョウが集まっていました。!


ルリウラナミシジミ(Jamides)の仲間



アマミウラナミシジミ(Nacaduba)の仲間



カエリウスヒメタスキシジミ(Psychonotis caelius





そして、周りの低木には、


イワサキタテハモドキ(Junonia hedonia) や チャイロムラサキ(Hypolimnas antilope)もいました。

どちらも色合いが似ているので、飛んでいると一瞬紛らわしいです。

慣れてくると、飛び方が違うので見分けがつくようになりますが…。


また、ここのイワサキタテハモドキは表面の模様が面白いですね!

アンボン島初日に初めて採集したときにびっくり!

(アンボン島・上・鱗翅編をご覧ください!)




オジギソウが茂る小道を進むと、

パンダルスムラサキ(Hypolimnas pandarus)のテリ張り個体を発見!


採集してみるも欠けあり個体…。



他のチョウも追加していきます。


ランペティアキマダラタテハ( Cupha lampetia) と アルシオーネチャイロタテハ(Vindula arsione



アカネハレギチョウ(Cethosia cydippe) と ポリベテイワサキコノハ(Doleschallia polibete



ベニリアキンミスジ(Pantoporia venilia) と モルッカミスジ(Phaedyma amphion



パプアクロボシシジミ(Pithecops dionisius) と ウラギンルリシジミの一種(Philiris sp.



ウスアオオナガウラナミシジミ(Catochrysops panormus



ケラエヌスビロウドセセリ(Hasora celaenus) と セセリの一種



そして、去年のイリアンではメスしか採れなかった、


アリメナムラサキ♂(Hypolimnas alimena)!

こんなに綺麗なチョウもここでは普通種のようで毎日5頭くらいは見かけました。



さらに、上空に大きなチョウが飛んでいました。

採集してみると、


サビモンキシタアゲハ(Troides hypolitus

ワシントン条約に指定されている種なので、リリース。



気づけば、途中までは4人である程度まとまっていたのに、みんなバラバラ…。



途中で宇治金時と合流して、


林道のだいぶ奥まで行ってみることに!



すると、


シロシタスミナガシ(Dichorragia ninus



そして、


ミナミミカドアゲハ(Graphium eurypylus

スラウェシ島にもいましたが、亜種が異なり、スラウェシ島よりも一回り小さい印象でした。



さらに、宇治金時はヨコヅナフタオチョウ(Charaxes eurialus)やウスズミメダマチョウ(Taenaris urania)を採集!

一方、そのころ僕はアピアス(Appias)を採るときに、川の水を掬ってしまい(笑)、網がびっしょり…涙。

赤ネットに付け替えたものの、

気づけば13時を回っていたので、お昼ご飯を食べに戻るため撤収。



他の2人を待たせているので、足早に戻っていると、

前方から緑に煌めくチョウが向かってきます!



思わずネットイン!


メガネトリバネアゲハ(Ornithoptera priamus

とても綺麗ですが、こちらもワシントン条約に指定されているチョウです。



ご飯を食べて、時計を見ると、もう15時近い。

しばらく休む人もいれば、川で泳ぐ人も。

僕も少し泳いで、とりあえず、また採集へ。




川原で足を休ませながら、採集をしていると!

またあの青い姿が!

昨日同様、吸水に来たようでゆっくり飛んでいたので、そっとキャッチ!

欠けスレのない完品でしたが、前翅の一部がめくれた羽化不全でした…。

展翅のときに頑張ろっ。



とりあえず、さらに奥へ。



すると、


オナシベニモンアゲハ(Pachliopta polydorus)を発見!



やがて、いつもパンダルス(Hypolimnas pandarus)がテリ張りしているポイントへ。

すると、パンダルスがいました!

飛んでいる様子を見る限り割と新鮮な感じ!

時折、他のチョウや昆虫を追い払うために飛び立ちますが、だいたい同じ場所に戻ってきます。

そこで、網をちょっとずつ慎重に伸ばしていきます。

っというのも、

これまでの経験上、一度網に警戒し始めると、距離があってもすぐに飛び立つようになってしまうからです。

今回はまだあまり警戒していない様子。

そして、

キャッチ!!



網の中を見てみると、


完品でした!

今まで十何回かキャッチアンドリリースをして、ようやく見つけた完品でした汗

(若干スレているように見えるのは、幻覚ってことにしておこう。)





徐々に薄暗くなってきたので、今日の日中の採集はここまで!












翌朝、

昨日の夜は一旦宿に戻ったため、車に乗せられて再びガイドさんのガーデンに行きます。

途中からはいつも通り徒歩で、1時間弱かけて到着♪



今日は採集できる最後の日っということもあり、


少し休憩してすぐに採集へ。



1週間もアンボンにいると、何度も見かけるチョウも多くなってきますが、

時折初めてお目にかかるチョウもいました。



ストロンギレタイワンクロボシシジミ(Megisba strongyle) と アマミウラナミシジミ(Nacaduba kurava

こちらのアマミウラナミシジミは後翅裏の中央部が白くなるようです。

一瞬何かの異常型かと思いました…恥



キャネアアマミウラナミシジミ(Nacaduba cyanea) と ヒメウラナミシジミの一種(Prosotas sp.



ムラサキシジミの一種(Arhopala sp.) と ムラサキテングチョウ(Libythea geoffroyi



ヒポクルスキミスジ(Symbrenthia hippoclus) と エギスタオナガタテハ(Vagrans egista

どちらもボロボロですね。。。

だたキミスジは、モルッカ(特にアンボン島やセラム島)では珍品。

ボロボロでもしょうがない…。



アリメナムラサキ♀(Hypolimnas alimena



そして、



パンダルスムラサキ♀(Hypolimnas pandarus)!

パンダルスの♀の完品も欲しかった…けど、今回の遠征で目撃したのはこの個体を合わせて2頭でした。。。



だいぶ奥まで進んでいると、なんだか暗くなってきた。。。



すると、


突然の豪雨

全身ずぶ濡れです…。



大急ぎで家に戻って、お昼を食べていると、

ドロポンがチョウの写真を見せてくれました。


パンダルスじゃん!

しかもおそらく完品だったとのこと!

ここ数日で発生期があったんですかね…。



ちゃんとした完品は昨日の個体だけだったので、再び採集へ。



よくパンダルスがテリ張りしているところで待機。


アルシオーネチャイロタテハ(Vindula arsione)がやってきました。

このアルシオーネチャイロタテハは1週間前はボロばっかりだったのに、最近はみんな完品!



すると、

パンダルスがやって来ました。

飛んでいる様子から割と新鮮!!

無事にネットに収めることができました!

ネットから出してみると完品!!



奥へと歩いていると、

青っぽい大型のトリバネを発見!

分布的にここには緑色のメガネトリバネアゲハ(Ornithoptera priamus)しかいないので、何かと思ったら、


擦れてる個体でした。

(採ってみると普通にやや青みがかった緑色…。)

日本のミヤマカラスアゲハでも感じるのですが、擦れてくると緑色のチョウは青っぽく見えるんですね。

撮影後、ちゃんとさよならしてきました。



さらに奥に行って、


いろいろなチョウがやってくるところで待機。



綺麗なシジミが飛んでいるので捕まえてみます。


ルリウラナミシジミの一種(Jamides sp.

熱帯のシジミは全然分かりませんが、

こまめに採集しているといろいろな種類がいてとても興味深いですね。



さらに、見慣れない模様の鱗翅が飛んでいると思ったら、


ガの一種

ガはさっぱり分かりませんが、きれいな模様をしていました。





すると、

また綺麗なパンダルスが!



僕の周りをヒラヒラ。

(近すぎて網が振れない…)



あっ、


なんと!!僕の濡れたズボンに止まりました!


ぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!!!


(心の中で叫びました!)



大好きなチョウが自分に止まるなんて!!

ストローを出して落ち着くまで待って、さっと手でキャッチ!

今朝羽化したばかりでしょうか、一番の完品です。

興奮しすぎて写真はありませんが…。

っというか、撮影しているときに擦れたり、逃げられたりしたくなかったので。。。





この他にも、いろいろと歩き回って、たくさんのチョウに出会うことができました!

時計を見ると、もう16時半近く。

アンボン島最後の日中の採集はこれにて終了です!






前回のインドネシア遠征では、オーストラリア区の低地性のチョウをあまり採集できなかったので、

オーストラリア区に属するここアンボン島で思うままに網を振って満喫することができました!





by じょえる





BACK


TOP





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送