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インドネシア遠征

アンボン島・中・鱗翅編

〜小高い山の上で〜



(19-20.U.2018)


参加者:宇治金時、ガッキー、ドロポン、じょえる








アンボン島に来てから、早くも3日目♪



今日から鱗翅編は じょえる が担当させていただきます。



今回の遠征での僕のお目当ては、

オオルリアゲハ(Papilio ulysses)、カエネウスカザリシロチョウ(Delias caeneus)、ヒイロツマベニチョウ(Hebomoia leucippe)他、

パンダルスムラサキ(Hypolimnas pandarus)、アリメナムラサキ(Hypolimnas alimena)、

ヨコヅナフタオチョウ(Charaxes eurialus)、ウスズミメダマチョウ(Taenaris urania)、各種マダラチョウなど、

オーストラリア区に属するモルッカならではのチョウたちです。



中でも是非とも採集したいと思っていた、

オオルリアゲハ、カエネウスカザリシロチョウ、ヒイロツマベニチョウはまだ採集できておらず…。



オオルリアゲハは時折飛んでいるのを見かけますが、

ヒイロツマベニチョウは数回樹冠を飛んでいるのを林床から見上げた程度、

カエネウスカザリシロチョウに至ってはまだ一度も見ていません。普通種って聞いていたのに…。

逆に、個体数が多いとは思っていなかった

パンダルスムラサキやアリメナムラサキ、ウスズミメダマチョウはアンボン島に来た初日にゲット!

ヨコヅナフタオチョウも初日から目撃!





今日は、昨日までの場所とは違うところに向かいます。



車に揺られること1時間弱、

山の尾根に到着。



早速、車から降りて散策♪



すると、

Delias!

っというガイドさんの声。



白っぽいチョウが樹冠を飛んでいきます。

アンボン島に来て初めてのデリアスです!



ガイドさん曰く、デリアスは高い木を縫うようにして飛んでいくのだとか…。

無事に採れるでしょうか?



辺りを散策していても、まだ時間が早いためか、あまりチョウの姿がありません。

宇治金時とともに、林道を奥へ。

不意にセセリが飛んで来たため、キャッチ!


シロシタセセリの一種(Tagiades sp.



やがて見晴らしのいいところに着きました。

時折、林冠をチョウが飛んでいます。



よく見ると!


ミカドフタオチョウ(Polyura pyrrhus)だ!

ただ、ミカドフタオチョウがテリ張りしているのは、高い木の梢。



持参した9mの網を最大限に伸ばして構えます。

重い…。



何度か振り逃すものの、毎回同じところに戻ってくるので、待機。



そして、

キャッチ!!




やったー!!

(苦労して採ったのに、この後、目線よりやや高めのところに止まる場所を見つけて、

やるせない気持ちになりました。。。)



辺りを見回すと、チョウの数も増えてきました。




ブチローサムモンキチョウ(Eurema butyrosa) と テルミヌスコジャノメ(Mycalesis terminus



セセリチョウの一種



そして、オオルリアゲハ(Papilio ulysses)の姿もちらほら見えるようになりました。



しかし、飛んでいるのは、到底ネットが届かないところばかり…。

Papilio系は赤いものに吸い寄せられるとよく聞くので、ネットを緑から赤に変えることに。

荷物を置いてきた小屋へ向かいます。



すると、

Delias!

っという現地の方の声に反応してキャッチ!




きたあぁぁぁ!!!!!

カエネウスカザリシロチョウ(Delias caeneus)です。

今回の遠征の一番のお目当てを採ることができました!



ネットを赤に変えて準備万端!



林道を歩きながらチョウを採集していきます。


パプアキチョウ(Eurema candida) と アフィニスカバマダラ(Danaus affinis



すると!!

突如、目の前にきらきら光る青い姿が!!

一瞬、何だか分かりませんでした。



オオルリアゲハ(Papilio ulysses)のメスが、赤ネットに引き寄せられ、そのメスを追うオスも一緒に舞い降りてきたのです!



落ち着いて、ネットイン!

しかし、入ったのは、ボロいメス。

もう一回、網を振って、オスもキャッチ!



っということで、いきなりペアでゲット!

メスはボロかったものの、


オスはほぼ完品!(スレありですが)

やったー!



その後、


こんな感じで待機してオオルリアゲハの追加を狙います。

時々オオルリアゲハが赤ネットに反応して向こうから飛んできます!



でも、毎回振り逃す…涙

結局、お昼ご飯の時間に…。




お昼は現地の方が買ってきてくださったミーゴレン。

割と量が多い…けど、美味しい!



ご飯を食べ終わったころ、外に出てみると、

暑い!!

しかもチョウがあまりいない。

っということで、しばらくは小屋の中で休憩。



宇治金時はやり方を教えてもらいながら、現地の方とのチェス対決。

言葉は通じないものの、楽しむことができました。



少し気温も下がってきたころに外へ。

午後も、いろいろなチョウに出会いました。


イワサキタテハモドキ(Junonia hedonia) と メスアカムラサキ(Hypolimnas misippus



キチョウ(Eurema hecabe) と マルバネルリマダラ(Euploea leucostictos



キイロアサギマダラ(Parantica cleona) と トガリアサギマダラ(Ideopsis juventa

トガリアサギマダラは先日スラウェシで、昨年はスラウェシの他に西イリアンとバリでも採集しましたが、

亜種が違うため、別種のように見えますね!



ここアンボン島に産するものはIdeopsis juventa meganire

バリ島、スラウェシ島南部、西イリアンに産するものはそれぞれ、I. j. juventaI. j. ishmaI. j. hollandia となります。


参考画像↓


バリ島産(左)、スラウェシ島南部産(中央)、西イリアン産(右)



レオスカニアシシジミ(Miletus leos) と ルリウラナミシジミの一種(Jamides sp.



チョウではないけど、


オジロルリツバメガ(Alcides agathyrsus)もいました!

飛び方はチョウみたい!



日も傾いてきたころ、チョウの数も減ってきたので、日中のチョウ採集はここまで!








翌日も再び同じ場所へ。

午前中は昨日に引き続きオオルリアゲハ(Papilio ulysses)狙い。







…ですが、オオルリアゲハの姿がほとんどない…。



ずーっと待ってても暇なので、

昨日と同じ場所でミカドフタオチョウ(Polyura pyrrhus)を取りつつ、林道を行ったり来たり。





樹冠を見ていると、


シロモンクロシジミ(Spalgis epius)がいました!



その近くに、白いチョウを発見。

何度か網を振って何とかキャッチ!


今日も採れました、カエネウスカザリシロチョウ(Delias caeneus)です!



そして、何度も林道を往復していると!


あ!!



葉の上にヨコヅナフタオチョウ(Charaxes eurialus)を発見!

付けてるネットが赤ネットで、伸ばしてる最中に警戒されるのが嫌だったので、猛ダッシュで緑ネットを取りに。

(一般に多くの昆虫は赤は見えないそうなので変えなくても良かったかもしれませんが、

昨日ルリマダラ類が明らかに赤ネットを警戒していたので、念のため…)



戻ってきて、慎重に網を伸ばしていくと…


やったあ!!

モルッカ特産種で喉から手が出るほど欲しかったチョウでしたが、自力で採れるとは思っていませんでした!

ただちょっとボロいけど…。



この後も林道を行ったり来たりしてチョウを採集♪


オナシアゲハ(Papilio demoleus) と シリウスコジャノメ(Mycalesis sirius



アフィニスカバマダラ(Danaus affinis)を採っていると、裏面にいろいろと変異が見られました!



ナガサキアゲハ(Papilio memnon

ジャワから持ち込まれた外来種です。



クリメナルリマダラ(Euploea climena

マルバネルリマダラに交じって時々飛んでいます。



イスマレカバマダラ(Danaus ismare

飛んでいる姿は、一瞬トガリアサギマダラと間違えそうになります。



キイロアサギマダラ(Parantica cleona



ただ、昨日から感じていたのですが、一昨日までいたガイドさんのガーデンと比べてすごく暑い!


日陰で休みながら採集を続けるドロポンとガッキー。



暑いけど、日向の草地で何かいないかと探していると、


ヒメシルビアシジミ(Zizina otis)がいました。



ただあまりの暑さに疲れてしまったので、


僕も山頂で一休み。

この後も、日が傾くまで採集していました。





アンボン島・下・鱗翅編へつづく


by じょえる





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