カミキリ屋さんの登竜門
13. VIII. 2014
主催者:Sさん 参加者:トシ
カワラハンミョウに引き続き,有名採集地,中津川林道へ!!
今回はいつもお世話になっているSさんと一緒です。
ここでの狙いはかの有名種,キベリカタビロハナカミキリ(通称:パキタ)。
言わずもがな,カミキリ屋なら誰もが愛するカミキリムシです。
余りにも有名なムシ&ポイントのため,採集記を書くこともないかと思ったのですが・・・
中津川には少なからず因縁があったため,リベンジ記念として記しておきます。
一年次の残念過ぎる夏合宿への弔い合戦!! 行って参ります!!
目的地,三国峠についたのは午前4時前。
月がとても綺麗です。
翌日帰ってから知ったのですが,この時ペルセウス座流星群が極大だったそう。
もっと真面目に空を見とけばよかった・・・
さて,虫が飛び始める時間までだいぶ時間があります。
することもないので仮眠々々。おやすみなさい〜Zzz・・・
・ ・ ・ ・ ・ ・
午前6時過ぎ,目を覚ますとSさんが居ない・・・
花の様子を見に行っているのかな?
車の近くのノリウツギをチェックしていると,坂の下から息せき切ったSさんが。
何事かと思ったら・・・
「パキタおったぞ!!」
!?
案内して頂き,断崖絶壁に生えるリョウブを見る・・・
さっきは樹の幹を登っていたので,もしかしたら花に移動しているかも,とのこと。
目を凝らすと・・・いた!!
遠目に見ても肩幅がスゴイ!
眠気も吹っ飛び騒いでいると,Sさんが「君が先に採っていいよ」と。
ぐおお・・・ありがとうございます!!
逃がさないように慎重に・・・ネットイン!!
キベリカタビロハナカミキリ♂ [Pachyta erebia]
パキタが・・・パキタがこの手に・・・
完全にSさんのお陰ですが,紛れも無い初採集。
感無量です。
この感動を一年の時に味わいたかったなぁ・・・
もうパキタが来ていることが判ったので,周りの花もチェック。
チラホラとカミキリが見られます。
ヨツスジハナカミキリ [Leptura ochraceofasciata ochraceofasciata]
いつもの。
まぁ,朝方はこんなのでも嬉しいものです。
そうしているうち,いつの間にか日も高く昇ってきました。
ハナカミキリは午前中が勝負!! 積極的に花を見回ります。
ノリウツギは大分花が進んでいる様子。
一応スウィープすると・・・
これまたいつものヤツ。
エグリトラカミキリ [Chlorophorus japonicus]
アオハナムグリ [Cetonia roelofsi]
ここではジュウシチホシハナムグリという良いハナムグリも採れるそうです。
網の中にハナムグリを見掛ける度,少しドキッとします。
木々の隙間から見える向かいの山。
ここからでもポツポツとモミの立ち枯れがあるのを確認できます。
アオタマが期待できそうですが,この標高だと流石に厳しいでしょうか。
特に収穫もなく戻ってくると,Sさんがまたパキタを発見されていました!
小さめですが,カケのないパキタ♂です。
流石ベテラン・・・!!
本種は脚がとても長いため,飛んでいる姿はまるでクモの様だそう。
早く自分でも見つけたいなぁ。
・ ・ ・ ・ ・ ・
少しして,別の木を見に行くと・・・
何かでっかいカミキリがぶら下がってるるる!!
ツンと網でつつくと,直ぐに落下。
無事ネットイン。
さて・・・モチロン・・・
キベリカタビロハナカミキリ♀ [Pachyta erebia]
よしゃっ!
それにしてもデカイ!! これが♀か!!
♀は発生が遅いため,8月に入ってからのほうが採集しやすいそうです。
なんとも思惑通りという感じ。
時刻は午前10時を廻り,虫の飛びも良くなってきました。
パキタ以外のカミキリも続々登場です。
フタスジハナカミキリ [Leptura vicaria vicaria]
普通種ですが,何気に初見。
キスジトラカミキリ [Cyrtoclytus caproides caproides]
何処にでもいるトラカミキリ。
この時期,採集に行く度出会えます。
ブチヒゲハナカミキリ [Corymbia variicornis]
やった!! ここで採りたかった種の一つです!
マダラの触覚がイカしてます。
願わくば,イガブチも採りたいものですが。
こちらは年による消長が激しいようなので,今年は期待薄かも。
・ ・ ・ ・ ・ ・
ひと通り花を巡ったところで小休止。
この時点で上述の種に加え,コウヤホソ,オオヨツスジ等のハナカミキリが採れました。
成果は上々,いい感じです。
見晴らしの良い吹上でお昼を食べていると・・・
不自然に足の長いシルエット。
あれは・・・
やっぱり!!
少し大きめの♂,しかもタマヌキイぽい!!
飛んでいる姿も見られてテンションUPです!
これは休憩している場合じゃないナ・・・急いでパンを食べ終え,探索を再会します。
天気がやや崩れてきたためか,見られるカミキリも少し変化してきたようです。
ニセビロウドカミキリ [Acalolepta sejuncta sejuncta]
こいつも花に来るのか・・・鞘翅の模様が強かったため,何かと思いました。
ふと見上げると,少し先のノリウツギに黒い影! あれは当然・・・
違いました。
ブチヒゲ君の黒化型です。
これも良いものなのですが,少し悔しい。
そうして花を巡るうち,時刻は午後1時過ぎに。
空は厚い雲に覆われ,花にはピドニアばかりが目立つようになってきました。
そろそろ帰りどきですね。
Sさんはいつの間にやら,結構な数のパキタを採集されていました。
僕も十分な成果が得られ,大満足です。
お山に感謝し,林道を下ります。
・ ・ ・ ・ ・ ・
そして帰りの道すがら,何か見たことある場所だと思ったら・・・
初めて中津川に来たあの日,Dazai,かっきーとミヤカラを追いかけていた場所だ!!
あの時は歩きだったから,ここより先には殆ど進めなかったんだよなぁ・・・
クサギの樹冠を見ると,当時と同じようにミヤカラが乱舞しています。
なぜだかとても嬉しくなり,つい採集。
ミヤマカラスアゲハ [Papilio maackii]
夏型のミヤカラ・・・でいいのでしょうか。
鱗翅はよくわかりませんが,取り敢えず綺麗です。
そういえば,前はここでDazaiがエサキキンヘリを採集したんだった・・・
唯一とも言えるまともな収穫で,とても羨ましかった記憶があります。
そんな思い出に浸っていたところ,突然,Sさんが網を・・・振り抜いた!?
そして・・・「タマムシ!!」
えええ!! デジャブ!!そんなことってあるの!?
恐る恐る網を覗くと・・・
アオタマムシ [Eurythyrea tenuistriata]
何故っ!?
ここにはタマムシを引き寄せる謎パワーでもあるのでしょうか。
まさかの収穫。アオタマ好きの僕には羨ましい限りです。
(なんと,この個体は後で僕が頂いてしまいました。感謝不尽・・・)
残りの道中,モミの立ち枯れが無いか探しながら,ゆっくり下山しました。
・・・以上で今回の採集は終了です。
南会津,梓山に続いての有名採集地は,流石の貫禄でありました。
同行させて下さったSさんには,この場を借りてお礼申し上げさせて頂きます。
ありがとうございました。またご一緒できる日を楽しみにしております!!
キベリカタビロハナカミキリ
[ Pachyta erebia ] : 3 exs.
ブチヒゲハナカミキリ
[ Corymbia variicornis ] : 3 exs.
オオヨツスジハナカミキリ
[ Bellamira regalis ] : 6 exs.
コウヤホソハナカミキリ [ Strangalia koyaensis ] : 1 ex.
(アオタマムシ [ Eurythyrea tenuistriata ] : 1 ex.)
By トシ
BACK
|