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Serangga dari Indonesia

―煌ー

(2.V.2014)

参加者: いーぐる, ゾンネ, dazai39


そろそろ中日に差し掛かり

今日は方向性を変えて高所にある部落へ行きます


そもそもこのイリアン計画は

学園祭前に突如いーぐるが「パプキンがみたい」

と言い出したことに起因しております

普通であれば軽く受け流すところであるのでしょうが

私は真に受け、方々へ連絡を取り

決行させてしまったのです


さであるからこそ

さすがに彼の所望が叶えられないと

私も肩身が狭いわけでありますが

果たして…




朝日

拠点の山小屋が1500mなので1900mというと

「ちょっとそこまで」

的な感覚なのかと思いきや

意外や2時間ほど車に揺られます

これには訳がありまして

途中幾重もの川を渡ったり

工事現場を通り抜けたり

また抑々道がダートなうえ、所々地割れが起きているのです

「日本でこんな道あるか」

と暢気そうにJ氏は尋ねてきますが

日本であれば通行は禁止されるだろう、と答えながら

全身跳ね上がりつつ道を進みます



移動

今日は2つの目的がありまして

1つ目はパプアキンイロクワガタ

2つ目はロスチャイルドトリバネアゲハ

このうち最初に立ち寄ったのはロスチャイルドのポイント

ポイントとはいっても川の手前にある土盛りで

周囲に割りあいオレンジの花が咲いています

ロスチャイルドはどうもオレンジの花を好むようで

これを求めて飛来するとのこと

加えて赤い布を敷き

この傍らで待ちます


ポイント


まあ、すぐさま現れるわけではありませんので

他の二人は近場で観察

運転手は川で涼み

J氏とその弟さんは日陰から偵察


割合蝶は居て、OBのA氏が「全然いない」と言っていた

ミイロタイマイは結構飛んでいます

ピンク(薄紫)、翠、黒が点滅するので美しいのですが

飛び方が非常に早く

残像残し実体そこに非ず

といったところです

この他にDeliasやマダラの類が飛翔しておりました


ミイロタイマイ


30分ほどたったころ

上方から突っ込んでくる物体が

色合いからして♀です

ロスチャイルドトリバネアゲハ♀

ちょっとばかし近くで観察


トリバネsp


この後数頭飛来しましたが

近寄ることなく飛び去ってしまいました

残り二人は早くパプキンのポイントへ向かいたいようでしたので

ここでポイントを変えます


前日の豪雨の時間

J氏曰く

「パプキンは、ある程度の数でいいなら道沿いでも見られるから

君はロスチャイルドのポイントへ行くといい

ここも飼育用の種親を採集するポイントで、外国人を案内したことはない

二人のガイドは私が勤めるから

君には弟と別のガイドをつけて案内させる」


というわけで

高所のH部落に着いたのち

二手に分かれて行動しましたので

ここでは2部に分けて記します



Ornithoptera rothschildi


二人と別れ

3人の現地ガイド(ようは住民)

そしてJ氏の弟さんと私

計5人で向かいます

一応保護種ということもあり

生息地までの写真は載せられないことご容赦ください

雰囲気を察して頂ければと思います


私達はまず家の裏側を通り

家畜飼育場抜け、柵を超え、

生活路擬きに入りました

当初は管理された林を進むのですが

数回柵を超えると次第に人の出入りが少ないのであろうという雰囲気になってゆきます

途中1本の木にパプキンがついていて

私も数匹ですが観察することができました

下でいーぐるが書いている通り、確かに♂♀ペアで居るのです

少し異なるのは、いーぐるが見た樹の高さに比べ

私が見た樹は5mくらいの高さはあり、彼らは枝先を齧っていたということでしょうか


ただこればかりは急がないとせうがありませんので

現地ガイドの歩みに付いてゆきます

どうも伐採と焼畑(?)が定期的に行われているようで

私たちはその伐採地に延びる

1本数10mの伐採木の上を歩んでゆくのです

しかし結構これがすべる上

結構な高さで落ちるとまずい部分もあり

戦々恐々とさせられるわけです

とりあえず広大な伐採地を抜けると一件の小屋がありまして

そこにはヘラクレスサンの♂が張り付いていました

昨夜来て来、そのままなのか定かではありませんが

黒の帳が降りた後、再び飛び立ってゆくのでしょうか


小休止の後は川をさかのぼります

最初は特に流れはきつくなく

生活用水を運ぶためのパイプラインの上を歩みますが

暫く進むとかなりの流れを渡らねばなりません

ここは現地ガイドに手を取ってもらい何とか渡り切りました

さてまたしばらく進むと急登になり

その後傾斜がきつい道を下ります

木の根があるのでひっかけつつ下りますが相当なものでした…

そして数10m下ったのち、最後の難関が来ます

激流の上に10m程度の丸太1本

それが数本続いています

これを渡ったらポイントのようです

たださすがに落ちると命が危ういので

ここもガイドに手を取ってもらい

無様ではありますがそんなことてんで気にせず

そろりそろりと歩むこと暫く

何とかポイントにたどり着くわけです


そこにあったものは…

橙の花咲き乱れる岡でありました

Delias、ミイロは飛び交い

カナブンやパプキンも飛来します


カナブンsp


暫く待っているとロスチャイルドの♂も飛来しました

遠方より飛来する彼らは

私の赤い服めがけて飛来することもあります

そして、このとき、目が合うのです

V字になり、羽ばたくことなく

風に乗ってこちらへ飛んでくる

そして速度を落とし、翅をはばたかせる際

金と翠が煌めき、漆黒の縁取りが深淵へと導きます

写真を撮ることも忘れ

ただ息をのむばかりでした


時の流れは早いもので

あっと言う間に数時間が経過してしまいます

12時半以降は飛来が止んでしまいましたが

それまでに10匹以上近くで見ることもできました

数匹が橙の花を求め飛来し

雄同士縄張り争いをすることも。

自然の中でしか見られない

ほんとうの姿を見ることができたように思われます


彼ら二人を待たせないよう

元来た道を急いで戻ります

入口まで戻ると彼らの姿も見え

共に満足ゆく結果であったのでしょう

互いに手を振り、万事が察せられました



Lamprima adolphinae


ヒン村

ここからはいーぐる担当です。

dazai39と別れたあと、ゾンネといーぐるはさらに車で移動。

と言っても、数百mしか離れてない場所のようです。

目的はニューギニア島に生息するキンイロクワガタの仲間、

パプアキンイロクワガタ!!

ガイドのJ氏がおもむろに

「OK! Here!」

と言った場所はただの砂利道。


ニューギニア島イリアンアルファック山



いや、もっと森林っぽくて緑の多いところじゃないと

パプアキンイロクワガタはいないんじゃないk...

いたーーーっっ!!


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック

パプアキンイロクワガタ (Lamprima adolphinae

道端の雑草に3ペアも付いてました。

キンイロクワガタ亜科 キンイロクワガタ属 パプアキンイロクワガタ

略してパプキン。

名前の通り金属光沢の美しいクワガタですが、

昼行性であることや、飛翔能力に長けることなど、一般的なクワガタとはイメージが異なります。

キンイロクワガタ属の仲間は、オーストラリアとその周辺の島に7種が分布することが知られており、

その中でも、最も大型化し、最も色彩変異が多いのが本種パプアキンイロクワガタ。

色彩は場所によって黒褐色〜金緑色まで変異があるようですが、

今回のポイントでは緑〜金緑の個体がほとんどでした。

ここ、ニューギニア島イリアン Mts.アルファック産のパプキンは大きいことでも有名です。


ベニバナボロギク


パプキンが多く集まっていたのは、ベニバナボロギクという植物の仲間のようです。

この植物は、ポイント付近では、日本でいうとヒメジオンのような頻度でそこらじゅうに見られます。


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック


青空とパプキンの組み合わせ!

えぇ、私、いーぐるはこれを見るためにニューギニア島に来ました。

旅半ばにして完全燃焼です。


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック パプキン


ほとんどのパプキンはこのようにペアで植物に付いていました。

クワガタ屋には有名な話ですが、ペアで付いているのにはわけがあるのです。


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック


ジョキジョキジョキ・・・

パプキンの♂の前脚にはナイフのような付属物があります。

大あご基部で植物体を支えつつ、この付属物で茎を切断して、流れ出る汁をエサとします。

しかし、♀にはこの付属物が無いのです!

♀はエサを求めて♂のいる場所に訪れます。

そのため、ペアで見られることが多いのです。


ベニバナボロギク


よく見ると、パプキンが切断したと思われる茎があちこちに見られます。


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック


低木にも付いていることがありました。

いずれにせよ、特定の植物に集まる傾向があるようです。

標高が2000m近いためか、11時を回っても、気温は22℃。

この後は、J氏の買い付けに付いていきます。


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック


集落の人々は、虫を売ることで生計の足しにしているようで、

J氏のもとには続々とパプキンが集まってきます。


トケイソウ


買い付け中は暇だったので、そこらへんをプラプラ。

トケイソウの仲間が自生していました。

原産国は南アメリカのほうだったはずですが、移入されたのでしょうか?


パプアキンイロクワガタ_Lamprima_adolphinae_ニューギニア島イリアンアルファック


2時間ほどの買い付けが終わると、パプキンの量がすごいことに!

これらはJ氏のビジネス用とのこと。

標本やおみやげになるのでしょう。


イリアンの空


宿泊している村では、13時を回ると安定して雨になるのですが、

このポイントでは13時を回ってもピカピカの晴天でした。

14時ごろにはdazai39も戻ってきたので合流して、村へ帰ります。

dazai39のその顔を見れば、目的のチョウが見れたかどうかは一目瞭然でした…





さて、行きの道が険しければ、

もちろん帰り道も険しいわけですが・・・

何やら重機が稼働しています。


ニューギニア島イリアン


どうやら、 「今から道作るから少し待っとけ!」 な感じ。

30分弱でしょうか、道ができるのを待っていました。


ミイロタイマイ、ニューギニア島イリアン

ミイロタイマイ

この間にも水場に訪れるミイロタイマイなどのチョウを観察!


ニューギニア島イリアン


岩雪崩が時たま起こる中、工事は進み、

「よし、今のうちに通れ!!」 的な合図で無事道路を通過しました。

あまりにもの悪路に 「命が危ない!」 と思い続けること2時間。

ようやく元の村に到着しました。

到着時はやはり雨でしたが、

案の定18時前には止んだので、今夜もライトを点灯!!


ニューギニア島イリアン、ライトトラップ


まずライトに来たのがコレ。


コウモリ、ニューギニア島

コウモリ

時折、大型のガがフッと闇に消えることがあるのですが、

コイツです。

コウモリが喰っているのです。

先日も目の前で立派なスズメガを喰われました。


ライトも4日目となると、照らすと集まりの良い場所がわかってきます。

そのためか、昆虫の飛来はなかなか良好!

1人写真を撮りまくります。

一体何種の昆虫がライトに集まったのでしょう?

自分がカメラに収めたものだけでも150種に達します。

さすがに全部は載せられないので一部ご紹介!


コガネspニューギニア島イリアン コガネspニューギニア島イリアン

コガネムシの仲間は少数派です。

種数にして20種ほどだったでしょうか。


イグジミウスホソアカクワガタ、Cyclommatus exmius、ニューギニア島イリアン

ホソアカクワガタの仲間の♀ (Cyclommatus exmius ?)

クワガタは4種です。

上の他に
Aegus sp.
Dorcus sp. (Dorcus meeki delislei ?)
Prosopocoilus bison cinctus


セミspニューギニア島イリアン

セミは個体数は多いのですが種数は少なめ。

おそらく5種前後。

写真のセミはミンミンゼミに似ていますが、やや大型です。


バッタspニューギニア島イリアン

バッタの仲間やカメムシの仲間も見られます。

こちらもそれぞれ15種前後だったでしょうか。

ただ、日本のものとは異なる形態・色彩のものが多く目を引きます。


サシガメspニューギニア島イリアン

捕食中のサシガメの仲間


そして圧倒的多数を占めるのが





凄まじい数です。

視界が...ガで...埋め尽く...され.......る.......


ガspニューギニア島イリアン ガspニューギニア島イリアン ガspニューギニア島イリアン

ガspニューギニア島イリアン ガspニューギニア島イリアン ガspニューギニア島イリアン

ガspニューギニア島イリアン ガspニューギニア島イリアン ガspニューギニア島イリアン


夢に出てきそうですね。。。

よく見ると変わったガが多く、きれいなのですが。


ヘラクレスヤママユ、ニューギニア島イリアン

ヘラクレスヤママユ

この日はヘラクレスヤママユの♀も飛来しました。

♂のような長い尾状突起はないものの、ものすごい大きさです!



23時頃までライトをやって就寝しました。

トリバネもパプキンも見ることができ、充実した1日でした。

今夜はいい夢が見れそうです。



z z z z z z


・・・うぅ・・・ガが・・・・・・・





TO BE COUNTINUED

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By dazai39&いーぐる


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