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Serangga dari Indonesia

―麗翔―

(1.V.2014)

参加者: いーぐる, ゾンネ, dazai39


昨日までの二日間で

トリバネアゲハの雌に関しては観察することができました

しかしながら雄が飛来しない

どうにかして観察できないだろうかと

例の如く豪雨の時間帯にJ氏と相談したところ

「飼育場の横から分け入って1時間くらいでポイントがある。

自分の部下が種親を採るポイントだから、見られるよたぶん。

外国人で行ったやつはいないけどね、大丈夫だと思うよ。

行くなら明日、自分は行かないけどガイドは付けるから」 (拙和約)

そういわれると…行くしかあるめヱ


てなわけで

昼寝から起きてきた二人に

「明日、山道はいるから、宜しく!」

といって予定が決定。

翌朝7時半に山小屋を出立し

道路脇から山へ分け入ります

(山といっても日本とは違ってジャングルでっせ)


特に驚くこともなくなりましたが

この部落の人々は、刀を絶対に持っています

若しくは弓矢を携帯しています

服は着ていますが、靴は履いていません

最初は靴を履かないでジャングルに分け入り怪我をしないのだろうか

なんて思っていましたが

そもそも靴を履いている我々と彼らの足は作りが異なってくるようです


山道を下るにしても

湿度が高い(100%近いのだと思われます)ため

倒木が異様に滑るのです

その点裸足だと確かに滑りにくいと見えて

私たちの靴に比べ歩きやすそうだなとも思われます


先頭はガイドのJ氏のスタッフS氏で

手に持つ刀で道を作ってゆきます

まあ、草が繁茂しているので

バッサバッサと切り開き、そこを私たちが歩くのです

最初は割合平らなのですが後半は急激な下りで

100m程標高を下げるとポイントに到着

ポイントというのは森の中に出来たギャップのことで

一部分だけ高木が少なく、ハイビスカス様の赤い花が多くなっています

さらに赤い布を敷いて待つというスタイルが観察方法です


cimg3819.jpg



ただ、ここには異様に蚊が多く

なるたけ刺されないように神経をとがらせつつ待ちます


さて到着から半時間ほどは蚊に呻吟しながら待ちますが

ふと金色の物体が遙か上方に見止められたような…

……!!

到頭来ました、チトヌスの♂です

飛翔している時は翅の後ろ側が見えるので

金色と黒(割合として7:3くらい)が網膜に刻み込まれます

cimg3806.jpg



間近で観察すると朝日を浴びて美しい

これを見に来たのだという実感に浸ります

cimg3795.jpg


雌と飛び方は似ていて、吸蜜の際はふわふわ飛翔し

翅長の割に「可憐」という言葉が似合いそうです(♂ですけれど)


暫し見惚れた後

虚けのような面持ちをしておりますと

「こっち来い、飛んでる」

とガイドに誘われ行って見ますと

斜面の奥に在る華に時たまチトヌスが飛来し

少しく吸蜜した後はさらに向こう側、大木の葉上にて

翅休めをしております

cimg3832.jpg



するとそこに別の雄が飛来し

2匹がもつれ合って飛翔してゆくのです

ミドリシジミの卍飛行のようですが

スピードと飛翔形態が大分異なり

金色の煌めきを残しながら飛翔してゆきます

ただ黙って見つめる他無い、それに尽きます


時たま近場に飛来した個体は手に乗せて観察できるほどですが

(赤い服が役に立ちました)

私は手に届かない、遙か彼方の姿が

高尚なものに思われてなりませんでした


時には チトヌス VS チトヌス

でなく チトヌス VS プリアムス

になる時もあります

プリアムス(ミドリメガネ)は平地で優先するトリバネアゲハなのですが

高地になるとその姿は稀になり、寧ろ貴重になるそうです

トリバネアゲハは種ごとに食草が微妙に異なっていて

プリアムスの食草は海岸線沿いには多いですが

山沿いには少ないのかもわかりません

プリアムスは高所飛翔時、裏の黒が目立ちますが

一旦目線以下を飛翔する際は表の緑が強く映ります


このポイントでは、♂は他にパラデシアが居るようなのですが

今回は飛来せず

♂で見られたのは上記2種のみでした

この他、♀ではゴライアスとチトヌスが2:1の割合でやってきました

残りの2名もトリバネの観察や、小昆虫の写真撮影を頑張っておりました


昨日までに気候の変わる時間が掴めたため

11時にはこのポイントを出ました

行きが急激な下りだったぶん

帰りは急激な登りになり

私も時たま滑りました


意外やのぼりの方が時間はかかりませなんだが

登りきると山は霧の中

ガイドに従わないと雨の中の急登になり

危険になったかもしれないと思われました

cimg3834.jpg



山小屋に付くや否や雨が降り出し

豪雨になります


暫くJ氏と話をし

明日はより高所にあるH部落(1900m)へ

ロスチャイルド(O.rothschildi)と

いーぐる所望のパプキン(L.adolphinae)

を見に行く手はずになりました



暫し豪雨の後、若干霧がかる中

ライトトラップを始めましたが

昨日までとの違いは

蛾の量が異様に多いこと

恐らく霧に乱反射した光が周囲を照らし

かつ特定の波長が増幅されているのでしょうか

cimg3889.jpg


とはいっても、真新しい顔は少ないので

特筆事項はありませんがヘラクレスサンが2♂

ビソンノコギリ数♀、ドルクスsp.

ギデオン沢山、セミ・蛾沢山

そんなかんじ

cimg3838.jpgcimg3839.jpg


cimg3845.jpgcimg3867.jpg



今日はトリバネ♂を間近で見られ

満足できる結果になりました

明日はまた、何が待ち受けているのかと

期待をしながら床に就きます

「幸福は一夜おくれて来る」

何と無しに思い出されつつ

糸が大きく引かれ、記憶が薄れ…


TO BE CONTINUED

Serangga dari Indonesia
‐煌‐ へ


by dazai39

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