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湾岸色虫散歩

(17.Ⅵ.2023)


参加者:ヒョーサン、TKG








こんにちは、TKGです。

新入生歓迎会の一環で東京湾沿いの散策を計画したのですが、

なんとまさかの新入生参加者0人・・・。

仕方がないのでヒョーサンだけ連れて散歩してきました。

ヒョーサンは昆研に入ってから虫を始めたので、

実質新入生のようなものかもしれません。


今回の目標は近年急速に関東湾へ分布を広げたカラフルな2種、

リュウキュウツヤハナムグリ 奄美亜種 Protaetia pryeri oschimana と

ホシベニカミキリ Eupromus ruber です。

リュウキュウツヤハナムグリについては1985年に八丈島で見つかっており、

そこから定期船などを経由して東京湾岸にやってきたと聞きます。


さて、現地に着くと、さっそく緑色の甲虫が高速で飛び交っていました。

初めて見たヒョーサンが走り出して網を振るものの、全く追いつけない様子。

面白いのでしばらく見ていましたが、どうにか1匹捕まえたようです。

慌てて確保する部長
慌てて確保するヒョーサン

ヒョーサンの網に入ったのは赤味がかったメスでした。

ここでは黄緑色の個体が最も多く、黒、黄、赤、青緑色の個体も見られます。

これだけ飛んでいるときには追いかけずともそこら中にいるもので、

タブノキの樹液に顔を突っ込むリュウキュウツヤハナムグリ
タブノキの樹液に顔を突っ込むリュウキュウツヤハナムグリ

このように木にとまっている個体も。

この樹液が出ている穴はきっとホシベニカミキリの脱出痕でしょう。


近くの水辺の方に行くと黒いトンボがひらひらと舞っていました。

チョウトンボ
チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa のオス

この個体はオスなので、青味を帯びた金属光沢がありとても綺麗です。

ヒョーサンはこれも初めて見たようで、楽しそうに網を振っていました。


しかし、東京湾付近には外来種がつきものです。

地面に目を向けると、下草がごそごそ動いているではありませんか。

そこそこ大きいナニカが歩いているようです。掴み上げると・・・

a
アメリカザリガニ Procambarus clarkii

なんと、いま話題の条件付特定外来生物です。

晴れた暑い昼間に地面を歩いているとは思いませんでした。

水辺から水辺への分布拡大能力は凄まじいものがありますね。

よく見れば、水辺の草も外来種です。

地面から多数生えた、この切れ込みのない丸い葉は…

ウチワゼニクサ
ウチワゼニクサ Hydrocotyle verticillata 

特定外来生物のブラジルチドメグサと同属のウチワゼニクサでしょう。


移動しようとしたところでヒョーサンが何かを見つけました。

イロハモミジの木を指しています、何がいるんでしょう? これは・・・

ムツボシタマムシ
ムツボシタマムシ Chrysobothris succedanea のペア

樹皮にムツボシタマムシの雌雄がいました。

僕は全く気づきませんでした、さすがタマムシ屋ですね。

他にもタマムシがいるかも?と言ってヒョーサンがスイーピングすると、

ナナフシモドキ
ナナフシモドキ Ramulus mikado のメス

何故かナナフシモドキが落ちてきました。

触角が長いのがエダナナフシ、短いのがナナフシモドキです。

ナナフシモドキの別名がナナフシ、というのは定番ネタですね。


さて、そろそろ本気でホシベニカミキリを探しましょう。

彼らはタブノキの枝先を齧っていることが多いので、頑張って見上げます。

タブノキを見上げるヒョーサン
タブノキを見上げるヒョーサン

なかなか見つからないようなので僕が探すと・・・

枝先のホシベニカミキリ
枝先に止まるホシベニカミキリ

いました。ホシベニカミキリは樹冠にいることが多いので首が疲れますね。

それにしても、こんなに見つけるのが大変な虫だったでしょうか。

新しい産卵痕が見られなかったので減ってきているのかもしれません。

数年前までは、このように産卵する様子がよく見られたものです。

産卵するホシベニカミキリ
産卵するホシベニカミキリ(過去写真)

外来種なので減るのはいいことなのですが、経過観察が必要ですね。


というわけで今回の採集記はここまでです。

またこんど!








TKG



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