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オオシモフリなんかに負けない

(15-16.Ⅳ.2023)


参加者:ヒョーサン、TKG、●●、やもりん氏(ゲスト)








こんにちは、ヒョーサンです。

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴って目立った活動ができず早2年…

ついにサークルとしての活動が再開できるようになりました!

その第1弾として、私が1度はお目にかかりたかった

あの「春の三大蛾」の1種を探しに行きました。

オオシモフリスズメ Langia zenzeroides nawai 

エゾヨツメ、イボタガに並ぶこの蛾を

今年こそは見てみたいと思いTKGに協力を仰ぎました。

当日はTKGの友人やもりん氏にも同行してもらえることに。 これは頼もしい!



出発当日は朝から雨模様…
ちょっと心配になりつつもいざ長野県へ!

現地到着後、まずは地下道をいくつか回っていきます。

昨晩飛来したオオシモフリがまだ残ってるかも
なんて想像していたら…

オオシモフリスズメの翅
オオシモフリスズメの翅

早速痕跡を発見!他にも真新しそうな翅がちらほら

おそらく朝方に残っていた個体は軒並み鳥に襲われたのでしょう。

その後も見回りますが、残念ながら地下道に生きて残っているオオシモフリはいませんでした。

しかし、それ以外の蛾はいくつか見ることができました。


フクラスズメ
フクラスズメ Arcte coerula

キノカワガ
キノカワガ Blenina senex



一旦宿に荷物を置いてから再出発!

TKGの案内でいくつかポイントを回っているうちにすっかり日は暮れたので…

橋の上でライト設営
橋の上でライト設営 

いざライト設営!

TKGとやもりん氏が中心となってライトを組み立てていきます。

橋の下でライト設営
橋の下でライト設営 

雨風をしのげる橋の下でも設営していきます。

さすがの2人です。慣れた手つきであっという間に設営完了!

あとは本命を待つのみです。



セスジジョウカイ類
セスジジョウカイ類

カギバガ類
カギバガ類

アカバキリガ
アカバキリガ Orthosia carnipennis

クロオビリンガ
クロオビリンガ Gelastocera kotschubeji

フタツメゴミムシ
フタツメゴミムシ Lebidia bioculata

アオバシャチホコ
アオバシャチホコ Zaranga permagna

ヒメクビグロクチバ
ヒメクビグロクチバ Lygephila recta

雨なので蛾が多いですが、設営直後からいろんな虫が集まってきました。

私は初めて見るアオバシャチホコの綺麗さに感動していました。

図鑑で見ているだけではこんなに金色の鱗粉に纏われていたとは気づけませんでした。

やはり実物を拝むというのは新たな発見が得られて良いものですね。



その後も中型の蛾は度々飛来するものの狙いのオオシモフリは一向に現れず…

雨も思ったより強くなってきた。

え、これ他のポイントはどうなんだ…?

ということで一旦ライトを離れ周辺の街灯を周りに行きます。



自販機にオオミズアオ
オオミズアオ Actias aliena

途中の自販機にオオミズアオが留まっているのを発見。

水色の大きな翅を持ち白く分厚い鱗粉で覆われる、ヤママユガの中でも特段の美麗種です。

ダイナミックさと美しさを兼ね備えたいい虫ですね。


別の街灯ではこんな虫が

ヒメツチハンミョウ♂
ヒメツチハンミョウ Meloe coarctatus のオス

瑠璃色の体色が綺麗なツチハンミョウのなかまです。

この個体はオスなので触角の中央部分が膨らんでいますね。

ツチハンミョウのなかまは総じて体液にカンタリジンという有毒物質を持っていて

触れると水ぶくれのような炎症が起こります。

掴むと脚の関節から体液を出して身を守るのですが

さすがにかぶれるのは勘弁なのでそっと見守っていました。




そして、結局いくつかポイントを回ってみるもオオシモフリは影すら見えず。

今年は季節の進みが早かったこともあってもう発生収束しちゃってる…?

橋の下に戻ってはきたものの雨も風も強くなって全員車内で待機状態

もう今回はこのままオオシモフリには出会えないのかなぁなんて考えていました。



時刻は0時半ごろ

1時間ぶりにライトの様子を見にいきます。

相変わらず中型の蛾がひしめく中、ひと際大きな虫の姿がふと目に入る。

巨大蛾のシルエット


これって…







躍動感のあるオオシモフリスズメ
オオシモフリスズメ Langia zenzeroides nawai

いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

でかい!!!!

まさにあきらめかけたその時でした!

翅はもうこれでもかというぐらいボロボロですが

手に取ってみると見た目以上に元気じゃないか。

写真からもその躍動感が伝わってきますね。


ついに生きて動いているオオシモフリに出会うことができて感激が止まりません。

さらに驚いたのはその体。

オオシモフリ腹側

体を覆う鱗粉がとんでもなく大きいんです!

これほど肉眼で容易に観察できる鱗粉なんて初めてです。

そして脚のとげがとても痛い!

手に乗せているだけでも指に食い込んできます。

蛾の脚がこんなに凶悪な構造していていいのか。

今回の出会いでオオシモフリスズメという虫が、私の中ではより一層魅力的な蛾へと変貌した気がします。



やっとこさ目標を達成できたところで各々疲れもたまっていたのでこのまま車内で夜を明かすことに


時刻は5時ごろ

日が昇り始めたのでみんなでライトの片づけを始めます。

すると…



イボタガ
イボタガ Brahmaea japonica 

なんとイボタガが飛来していました!

まさか春の三大蛾の内の2種を一度に拝めるとは思いませんでした。

つついてやると翅を立てて一生懸命威嚇してきます。

緻密な模様が魅力的なかわいい蛾ですね。

その後ライトを解体し宿で仮眠をとってから帰路につきました。



ということで2023年度初の活動は終わりです。

いかがだったでしょうか。

TKGによればオオシモフリスズメは普段ならもっと大量にとれるはずだと言います。

過去の昆研の活動記録を見てもそんな感じですね。

今回は雨降りだったこともあり運が悪かったんでしょう。

それでも待ちに待ってようやく見られた1頭だからこそあれだけ感激できたんだと私は思います。

そしてなにより、昆虫採集とはそういうものなのです。

うまくいく採集もあればボウズの時もあります。

そうしたいろんな採集経験を通して昆虫への知見をさらに深めていくものなのだと感じます。



長々と話しましたが今回はここまで!

最後に帰りに立ち寄った山で撮影したカタクリの花でお別れです。

カタクリ
カタクリ Erythronium japonicum 










ヒョーサン



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