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ぐにぐに与那国


25-30.V.2019


参加者:ドロポン・ガッキー・クレイン・ざえる






お久しぶりです、3年生のガッキーです。
大変遅くなりましたが私視点の与那国島採集の模様をお送りします。

カミキリ屋の私ですが、実は最近フン虫にも興味を持ちはじめました。
私がフンをほじくることに目覚めたのは3月上旬のインドネシア遠征でしたが、それに続く春の遠征第2弾は八重山!
石垣を経由して、与那国島と西表島で採集しました。私からは主にカミキリと糞虫の話をさせていただきます。


まずは与那国島から。この島でのメインターゲットはトビイロエンマコガネ。
地味な種が多い日本のエンマコガネの中では異色な色彩美しく形もカッコいい種ですが、
日本産コガネムシ上科図説における本種の採集難易度は★★★★(稀種)。なかなか手強そうです。


与那国島に着いた一行がまず車を走らせたのは島の東にある牧場。
ここでは牛や与那国馬が自由に歩き回り、当然そのフンも転がっています。
早速、フンをぐにぐにとほじくってみると…



マルエンマコガネ。この地方では普通ですが、本土では数が激減しているようです。



ヒメフチケマグソコガネ。近年フチケマグソコガネから分離された種。
外見からの識別は困難ですが、分布を考慮するとヒメだと思われます。




フンを崩したそばからフン虫が現れます。これがフン虫採集の楽しいところですね!
しかし、実はこんなことをしていても絶対にトビイロエンマは採れないんです。
というのも、トビイロエンマが集まるのは犬や人のフン。動物質を要求するということでしょうか。


図説によるとトビイロエンマはオープンランドや明るい林内に生息するとのことなので、
この日のために調達した犬のフンを良さげな場所に仕掛けました。
頼む、飛んできてくれ!





お次は場所を移して林道へ。
八重山諸島の他の島からも遠く離れた与那国島にはカミキリにも固有種や固有亜種が多数存在するため、それらを狙います。


シイの花が咲いていたので掬ってみると、アオヒメハナムグリ(オキナワコアオハナムグリ)与那国島亜種が入ります。
ハチは本土で普通にみられるクマバチ(キムネクマバチ)と同属のアカアシセジロクマバチでした。



アオヒメハナムグリ。今まであまり意識して採集しなかった虫ですが、ご当地物とのことで採集。
前胸の白い縁取りが特徴のようです。






花をいくら掬ってもカミキリは入らず、次に目をつけたのは枯葉付きの枝。
叩けば何かは落ちてくるはず!ということで、林道の道沿いに落ちている枯れ枝を片っ端から叩いていきます。

この方針転換が功を奏し、遂に姿を現したカミキリたち!



ヤエヤマアヤモンチビカミキリ。シブラ(属名)として知られる仲間。
だいぶ擦れた個体。枯れ枝のビーティングで複数個体落ちました。





ケルシウムの一種。類似種が多く同定が困難ですが、サキシマヒメカミキリ(リュウキュウヒメカミキリ先島亜種)でしょうか。




ヤノヤハズカミキリ。本土の同属種ハイイロヤハズカミキリがタケをホストとするのに対し、
こちらはスダジイの枯れ枝の中で育つことが知られています。





ヨツスジカミキリ。国内では西表島と与那国島のみ生息するヤシ食いカミキリ。




条件によってあまり左右されないのがビーティングのいいところですね!





夜はライトラ。見晴らしの良い展望台にて虫を待ちます。
風が少し強かったですが、それでも虫は集まり、種数は少ないですがカミキリもみられました。

個人的に嬉しかったのはこれ↓



キマダラヒメミヤマカミキリ。カミキリムシ大図鑑で★★★★、通称ディマシウス(属名)です。
一頭目が飛来したときは大興奮でしたが、ライトラをやる度に複数飛来したため数は少なくないようです。




次の日以降も場所を変えながら同様にビーティング&ビーティング。
日が暮れたらライトラ。採れる種はあまり代わり映えしませんでしたが、ディマシウスがある程度の数採れたので満足!
残るはトビイロエンマ…。


毎日フンをチェックしていたのですが、集まるのはハエばかりでフン虫の姿はなし。
ついに与那国島出発前日になってしまいました。
正直諦めムードの私でしたが、万が一の可能性に賭けて丹念にフンを崩します。



あれ、なんか緑色見えるけどこれってもしかして…



「あ!!!いた、いたぁ!!いたよ!!!トビイロいたぁあ!」

(他の皆は車中で待機していたため、この声はまったく聞こえていませんでした。
また、本来この感動を共有するため写真を撮るべきでしたが、そんなことはまったく忘れていました。)




トビイロエンマコガネ。♀のためツノは発達していませんが、前胸の緑色が美しい。
上翅の黒い模様の面積が大きい個体でした。




残念ながらメス一頭のみでしたが、遂に憧れのトビイロエンマを手に!
陽光を浴びた頭はメタリックグリーンに輝き、フンで汚れた私の手の中で一層綺麗に見えました。
他にはこんな虫も…



アカマダラケシキスイ。樹液や腐敗果実に集まるという本種ですが、動物のフンにも集まるんですね…



最後の最後でメインターゲットを達成した喜びもありましたが、
それと同時にオスも欲しかったという欲が頭をもたげます。
また来よう、そう決意し与那国島を去りました…





最後に、本採集記の写真は全て採集後にドロポンに撮影してもらいました。
ドロポン、ありがとう!





おしまい

ガッキー





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