ティモール島後半・鱗翅編
〜樹冠の主〜
(6-9.V.2019)
参加者:すいみ〜、ガッキー、ドロポン、じょえる
ティモール島に来て3日目♪
今日も甲虫組とは別れて採集します。
昨日はいろいろなデリアス(Delias)を見られたので、今日はハレギ(Cethosia)やフタオ(CharaxesとPolyura)狙い!
昨日とは別のポイントまで歩いていきます。
ガイドさん曰く、ハレギやフタオが採れるのだとか♪
早速、現地の村人に続いて、ガイドさんと共に歩いていくと、
斜面をめっちゃ下る。
脚がガクガク…。
やがて、
谷間に到着!
川が流れていて、いろいろなチョウが飛んでいます。
チモールアゲハ(Papilio oenomaus)
こちらは、日本に分布するナガサキアゲハの親戚。
発生末期のようでボロボロな個体しかいませんでした。
さらに、
ウスグロマダラ(Euploea algea)
ウスグロマダラは、スラウェシ島でも採集しましたが、ここティモール島産はorope亜種。
参考画像↓
スラウェシ島産(horsfieldi亜種)
模様が全く異なりますね!
他にも、
ホランディトガリイチモンジ(Sumalia hollandi)
ウスコモンマダラ(Tirumala limniace) と ミナミコモンマダラ(Tirumala hamata)
ただ足場が悪くて採集し辛い…。
また、ここはハレギのポイントらしいのですが、時期が違うようで見つかりませんでした。
ティモールは雨季と乾季がはっきりしており、季節の移り変わりと共に出現種も変わってくるのだとか。
ハレギはまたの機会にでも探しましょう。
近くの岩を見てると、地層がありました。
昔、この辺は海だったのか…。
川を渡って対岸へ。
急斜面を登ると、ランタナのお花畑に出ました。
昨日のお花畑よりもチョウが多い!
アオスジアゲハ(Graphium sarpedon) と スジグロカバマダラ(Danaus genutia)
どちらも日本にも分布していますが、日本産とは別亜種。
アオスジアゲハは、前翅の青い筋が日本産のものと少し違いますね。
ダルキアルリマダラ(Euploea darchia) と クリメナルリマダラ(Euploea climena)
どちらも模様が似ていますね。
ガラクシアヒメフタオ(Polyura galaxia) と アルフィウスヒメフタオ(Polyura alphius)
どちらもボロボロな個体しかいませんでした。。。
他、ウスキシロチョウ(Catopsilia pomona)、ウスコモンマダラ(Tirumala limniace)、
コモンタイマイ(Graphium agamemnon)、チモールアオネアゲハ(Papilio pericles)など、たくさん飛んでいます。
まさに楽園♪
いろいろ採集した後、さらに斜面を登ってフタオが採れるポイントへ。
途中トラップを仕掛けながら、ポイントを目指します。
時々、樹冠をチモールフタオ(Charaxes orilus)が飛んでいるのが見えます。
そして、到着!
どうやらこのポイントはチモールフタオがテリ張りするポイントのようで、次から次へとチモールフタオがやってきます。
テリ張りに来た個体をキャッチ!
チモールフタオ(Charaxes orilus)
ティモール島及びその周辺の特産種です。
よっしゃあ!
チモールフタオの他にも、
ミノイスコジャノメ(Mycalesis mynois) と リュウキュウミスジ(Neptis hylas)
さらに、チモールベニモンアゲハ(Atrophaneura liris) や モンキアゲハ(Papilio helenus)、
エサキキチョウ(Eurema alitha)なども飛んでいます。
気づけば、お昼過ぎなので、村に戻ります。
ただここからが長い…。
村までは直線距離にして2km程度なのですが、一旦山を下って、沢沿いを歩き、また山を登らなくてはなりません。
しかも、勾配がかなり急な上、岩がゴロゴロ…。
村人はすたすた歩いていくのですが、
ここ数ヶ月の間、室内でずっと机に向かって卒論を書く日々を送っていた運動不足の僕には結構キツい…。。。
さらに、僕以上にガイドさんが辛そう…。
谷まで降りた後、何度も休憩をとりながら再び斜面を登ります。
途中、いろいろな作物をいただきました。
サユル・ジャパン
「日本の野菜」という意味だそうです。
(日本では見たことないんだけど…)
食べてみると、キュウリのような食感の野菜。
味もキュウリに近そう。
他にも、
アボカド
(日本で見かけるものとはだいぶ違いますね…)
後日、食べたら確かにアボカドでした。
そして、
ようやく村に戻ってきた!
今日の日中の活動はここまで!
翌日、
今日は甲虫組も連れてきて、再び昨日と同じポイントへ。
昨日のポイントはチョウの密度も高いので、今日は何が見られるか楽しみです。
谷間まで降りてくると、
昨日は見られなかったセセリの仲間がいました!
セセリチョウの仲間
セセリ以外にも、リュウキュウムラサキ(Hypolimnas bolina)をキャッチ!
リュウキュウムラサキ(Hypolimnas bolina)
さらに、フタオのポイントに来ると、
チモリカアサギマダラ(Parantica timorica)
ティモール島特産の極小アサギマダラです。
他にも、
ヒメウラベ二ヒョウモン(Phalanta phalantha) と ウスイロコノマチョウ(Melanitis leda)
を発見!
チモールフタオ(Charaxes orilus)もいました!
チョウが飛んでくるのを待っている間、周りの植物を見ていると、
トウガラシが自生している!
割と辛いものが好きなので、食べてみたい気もしましたが、
お腹を壊してしまってはいけないので、やめときました笑
そして、見慣れないチョウの姿が。
あ!
モトキハレギチョウ(Cethosia lamarckii)!!!
ティモール島及びその周辺の固有種で、表は藍色に光輝きます。
しかし、お昼過ぎになると、
突然の豪雨。
急いで村へ。
村に戻る途中、村人がチモールキシタアゲハ(Troides plato)の幼虫と蛹を見つけていました。
チモールキシタアゲハ(Troides plato)の幼虫と蛹
さらに、成虫も!
チモールキシタアゲハ(Troides plato)の成虫
残念ながら、このチョウはワシントン条約に指定されているため、
このままリリース。
この後、しばらくして雨が止んだものの、
ライトトラップの時間も迫ってきたため、今日の日中の採集はここまで!
ようやく村の近くまでたどり着いてひと休み♪
翌日、
今日で すいみ〜先輩とはお別れ。
少し早めに帰国されます。
宿から飛行場までが遠いので、先に僕らが採集地に行ってから、すいみ〜先輩は空港へ。
今日も昨日と同じ場所を目指しますが、朝早く出発したため、昨日までとは違うルートで採集。
ただ、今日は朝からあまり天気が良くなく、飛んでいるチョウの数が少ない…。
しかし、逆に、いつも猛スピードで飛んでいくウスキシロチョウ(Catopsilia pomona)や
キシタウスキシロチョウ(Catopsilia scylla) などが、すごくゆっくり飛んでいます。
めちゃくちゃ採りやすい!
プラスマイナスゼロって感じですかね。。。
ウスキシロチョウ(Catopsilia pomona)の顕著なギンモン型もいました!
ランタナの花で吸蜜するスプレンディダカザリシロチョウも発見!
スプレンディダカザリシロチョウ(Delias splendida)
4日間も同じ村で採集すると、見飽きる種類も増えてきますが、時々新しい種に出会います。
ポリベテイワサキコノハ(Doleschallia polibete) と キオビコノハ(Yoma sabina)
ナイスイシガケチョウ(Cyrestis nais) と カワカミシロチョウ(Appias albina)
ウラナミシジミ(Lampides boeticus) と ヒメウラナミシジミの一種(Prosotas sp.)
クラルシジミ(Rapala varuna) と シロシタセセリの一種(Tagiades sp.)
他にもいろいろ出会いました!
また、現地の村人が、デリアスの幼虫を発見!
現地の村人曰く、チモールベニモンシロチョウ(Delias timorensis)だそうです。
さらに、
ヨナグニサン(Attacus atlas)の蛹の抜け殻も発見!
そして、いつものポイントに到着!
早速、先日仕掛けたトラップを回収。
何が入っているかな〜♪
1つ目には、
チモールフタオ(Charaxes orilus)がかかっていました!
しかも完品!
他のトラップには、
どれもミノイスコジャノメ(Mycalesis mynois)がかかっていました!
回収している時にふと空を見上げると、何だか雨が降りそう…。
村人もそろそろ戻った方が良さそうなジェスチャーをしています。
やがて、強い雨が降ってきました。
これにてティモール島の日中の採集は終了です!
今回の遠征では、ウォレシアに属するティモール島で、
同じくウォレシアに属するスラウェシ島とはまた違った独特な種類のチョウたちにたくさん出会うことができました!
by じょえる
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