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海岸採集W

~砂中の怪~


(22.V.2019)


参加者:ドロポン








こんにちは!ドロポンです。

年度末バタバタしていて採集記の更新が遅れ始めました。まあ、このくらい想定済みなんですけどね。

ただ間が開きすぎると記憶が薄れていく…タトウに並んだ虫たちを見ながらどんな採集だったかを思い出すのです….。





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3月22日、茨城県のとある海岸に繰り出しました。

ここはかなり大きな浜で、チドリの仲間が闊歩していたのを覚えています。

広範囲に渡って植物の生育が見られ、どこから篩うか迷う。

とりあえず植物の「密集地帯」に狙いを絞ってみることに。




篩い始めて早々に入るのがヒメホソハマベゴミムシダマシ。





ヒメホソハマベゴミムシダマシ Micropedinus pallidipennis Lewis

上翅の色はかなり変異があるようで、全体が黒色のものから、大部分が茶色になるものまで様々でした。



同様に高頻度で見られたのがハマヒョウタンゴミムシダマシとマルチビゴミムシダマシ。

こちらもこれまで色々な海岸で見てきました。

同じ海岸から大小、模様や色まで様々なものが観察できました。


ハマヒョウタンゴミムシダマシ Idisia ornata Pascoe, 1866




マルチビゴミムシダマシ Caedius marinos Marseul, 1876



甲虫ではありませんが、多く目についたのがハマダンゴムシ。

海岸の砂粒の色に合わせたのであろう美しい色合いと、つぶらな瞳からかなりのファンを獲得しているのだとか(知らない)。


ハマダンゴムシ Tylos granuriferus

写真だけ失礼しました。確かに可愛い。




そして幸運なことに今回はかなり早くトビイロヒョウタンゾウムシを発見!




最終的に2頭発見できましたが、下の右側の個体はトビイロの名の通り美しい鳶色が見てとれますね。


トビイロヒョウタンゾウムシ Scepticus uniformis Kono



篩にかかったやや大型のマグソコガネの仲間はヤマトケシマグソコガネでしょうか。

先日、六本脚出版の日本産コガネムシ図説を買ってきたのでマグソコガネの同定が捗ります。


ヤマトケシマグソコガネ Leiopsammodius japonicus (Harold, 1878)





神奈川で得たヒメハマベエンマムシよりもひと回り大きいエンマムシも姿を現しました。




ニセハマベエンマムシ Hypocaccus (Hypocaccus) sinae (Marseul, 1862)

こちらはヒメハマベエンマムシとは異なり腐肉食性のようです。





篩を掛けているとよくゴミダマの幼虫が出るのですが、今回はかなり大型の甲虫の幼虫が姿を現しました。


オサムシモドキ Craspedonotus tibialis Schaum の幼虫

オサムシモドキの成虫は粟島を訪れたときに見ましたね。

幼虫もかなりイカつい大顎を持っているようで。
『砂中のモンスター』といったところでしょうか。





ゴミムシの仲間といえば、マルクビゴミムシの仲間も篩で得られました。

マルクビゴミムシ Amara chalcites DeJean, 1828





アリモドキ科からは2種が得られました。


(左)クロホソアリモドキ Antics baicalicus Mulsant , (右)ホソアシチビイッカク Mecynotarsus tenuipes Champion

ホソアシチビイッカクについて。

イッカクの名の通り胸部背板が大きく突出しています。哺乳類のイッカク顔負けの「角」です。


どうやらこの突起を使って砂中を上手に進むようです。

砂中に戻るというと、丸みのある体や、ヘラのような脚をイメージしてしまいがちでしたがこんな奇抜な形状に変化させるという手法もあったのですね。

驚きです。




今回はこのあたりで。今回の採集でも様々な昆虫に出会えました。

まだまだ海岸には未知の世界が広がっていそうですね。

それでは!





最後に、同定にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。








今日はここらでよかろうかい……

筆 ドロポン





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