~一握の砂~
(18.U.2019)
参加者:ドロポン
東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
明治期の歌人、石川啄木の代表作である『一握の砂』の第一首です。
啄木が海岸で蟹と戯れ、悲しみをまぎらす光景が詠まれています。
状況は大きく違えど、千葉の海岸にも打ち上がった貝殻と戯れながら悲しみをまぎらす男の姿がありました…
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こんにちは。ドロポンです。
今回は春休みが始まってから初の本格的な(?)採集に行ってきました。
場所は地元千葉の海岸です。
1月3日の三浦半島以来の海岸採集です。狙いはおおよそ前回と同じ。
まあ今回は砂浜の面積も大きいし、余裕でしょ!という勢いで出発しました。
最寄り駅から海岸近くまでバスが運行していましたが、
交通費を浮かせるために駅から徒歩で移動しました。
片道1時間ちょっとです。
途中、ゆったりと飛翔する猛禽を見かけました。ノスリでしょうか。
ノスリ Buteo japonicus
トビの群れに混じって飛んでいました。
海岸沿いの松林を抜けると砂浜に出ます。
やはり海はいつ見ても大きい!
前回の砂浜と違っているのは、@漂着物が多いこと、A砂浜の奥行きが大きいこと、そしてB波打ち際から20メートルほど離れたエリアに植物が一面に生育していることです。
とりあえず、昆虫もたくさんいそうだなとたかをくくってまずは漂着物漁りから。
大型の2枚貝が目立ちました。
なかには変わり種で、
ヒトデやイカの甲を見かけました。
ヒトデの仲間、イカの甲
様々なものが打ち上がっているんですね。
ひと段落ついたところで篩を召喚し、採集開始。
20回ほど篩うも虫の影はなし。おかしい。
こんなに植物が生えているというのに...
それからしばらく篩っているとようやく
ハマヒョウタンゴミムシダマシ Idisia ornata Pascoe, 1866
が姿を現してくれました。
その後も一定数得られ、計10頭ほど確認できました。
それにしても驚くほど甲虫の類がいない…
砂浜の面積が広いために密度が小さくなっているのか、植物の種類そのものが甲虫の住処として適していないのか、
はたまた乾燥しているからなのかはわかりませんが篩っても篩っても甲虫の姿はなし。
移動に時間をかけていたので採集に充てられるタイムリミットはとっくに過ぎていましたが、
「これで最後。」を繰り返しさらに30分ほど経過。
この間、何とかオオスナゴミムシダマシ を一頭召喚しましたがすでに死骸になっていました。
オオスナゴミムシダマシ Gonocephalum (Gonocephalum) pubens (Marseul, 1876) の死骸
本来の目的であったトビイロヒョウタンゾウムシは影も形もなく、
さすがに帰らないとアルバイトに間に合わないこともあり、
場所を少しずらしてラスト10回の篩に賭けることに。
で結局ギリギリのところで篩に残ったのがこちら。
頭部が欠損したトビイロヒョウタンゾウムシ Scepticus uniformis Kono のものと思われる死骸(左)と交尾器の一部(右)
一応中から(破損した)♂交尾器を確認することができました。
甲虫以外には、流木下からワラジムシの仲間を発見したり、
篩ではコカスリウスバカゲロウの幼虫を確認することができました。
ワラジムシの仲間(左)と、コカスリウスバカゲロウ Distoleon contubernalis (Maclachlan) の幼虫
今回の採集は成果だけ見ると少しばかり残念でしたが、
死骸があったことからこの砂浜への分布も確認できましたし、次に活かせる採集だったかなと思います。
末筆ながら、同定に協力していただいたみなさま、ありがとうございました。
それでは!
今日はここらでよかろうかい……
筆 ドロポン
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