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インドネシア遠征
アンボン島・下・甲虫編

〜滑り込みの大物たち〜


(21-23.U.2018)


参加者:宇治金時、ガッキー、じょえる、ドロポン








こんにちは!ドロポンです!

ガッキーの山側での採集記があがってきたのでいよいよ後編に突入です。



山側で2日間採集したのち、再び川沿いのエリアに戻って来ました。

残り3日間はこのエリアで採集を行います。それでは早速.......






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2.21



前半戦で見られなかった甲虫を探します。

まず出迎えてくれたのは、


ヒゲナガゾウムシの仲間

雰囲気はハムシやマメゾウムシの仲間にそっくりですが、
ヒゲナガゾウムシの仲間です。

今回の遠征では結局出会えませんでしたが、
大型のヒゲナガゾウムシを一度は生で見てみたいものですね。



続いてこちらのハムシ、


国内では兵庫県にのみ生息するキベリハムシをスリムにしたようなルックスです。





川沿いのエリアでは前半戦でも観察されたキノコムシの仲間

キノコムシはアンボンでは合計4種類を発見。

それにしてもキノコをチェックして
キノコムシがついている時の安心感といったら独特のものがありますね。

ゾウムシ類は相変わらず種類、数ともに多いのですが、
全て確認済みのものばかり。






昼の採集はこのくらいで終わりとなりました。



夜のライトトラップは前半戦でビソンやテナガが飛来した河原で実施。

まだ見ぬ大物に思いを馳せながら待ち続けましたが、
ハンミョウが大量に集まってきたことと、シーツ上に小昆虫がポツポツ落ちていたことを除いては特に成果はなし…


シーツ上に落ちていたヒラタムシの仲間

今回の遠征で、サイズの小さい虫への関心が今まで以上にわくようになったことは間違いないですね。

(もしかしたら遠征の直前に買ったTG-5のおかげかもしれない)

ライトラ後、ガイドさん宅でいつも通り甘いコーヒーをいただいていた時のこと
、宇治金時が何やら甲虫を発見。

光をあてがって見ると…

ミツギリゾウムシや!しかも2頭!


(どうだ明るくなったろう)

ミツギリゾウムシはアンボン上陸初日に林内で5mm程度の個体を見たきりだったので嬉しい発見。

ライトラの不発をなんとか取り返すことができました。

この日はガイドさん宅で就寝。

部屋の中にカマドウマがたくさんとまっていて初めは戸惑いましたが、
すっかり慣れて熟睡することができました。





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2.22



割と遅くまでぐうたら寝てしまい、9時ごろ起床。

この日はタマムシをメインターゲットに据えました。

ちなみにこのエリアで採集できるタマムシはこれ。


ナンヨウタマムシ属(Cyphogastra)に属するタマムシでしょう。

前胸が横に張り出しているのが特徴でしょうか。

宇治金時がタマムシを採ったというので、
いざ筆者も高所に目を見張っていると、甲虫の飛影が!

必死に追いかけ、とまったと思しき枝に網をかぶせました。

入ったかなと思って網を下ろそうとしましたが、なぜか網が動かない…

ちょっと強く引っ張ってもビクともしません。



結論から言うと、網が木のトゲにひっかかっていました。

しかも長竿は伸びきっているので上にずらしてあげることもできず、
途方にくれていると、 やってきたガッキーに笑われました。


仕方なく、無理やり引っ張って取り戻すことに成功。

しかし、網にはぽっかりと大きな穴が空いてしまったのでした。


ちなみにこの棘に引っかかっていた。



タマムシの影はもちろんなく、最終日を残して筆者の網は回復不能な傷を負ってしまったのでした。

(この後、じょえる先輩に予備の網をお借りして採集を継続することができました。ありがとうございました。)

筆者が網を引っ掛けててんやわんやしていた頃、
じょえる先輩はこんな大物を採集していました。


オオハビロタマムシ属(Catoxantha)に属するタマムシ

タマムシはこんなにキラキラしているので、
さぞかし目立つのだろうと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、これがなかなか分からない。

林内に溶け込む緑色と、周りの景色を反射する光沢でうまく身を隠しているんですね。

葉にとまっていてもなかなか気づかない。

彼らなりの生存戦略です。

網が破れて意気消沈の筆者は、
川にいた魚を追っていました。


赤と青の鮮やかな魚が泳いでいました。

さらに網を使わなくても良い材崩しも。

クワガタの幼虫

さらに、


キクイムシの仲間

この辺りの虫が出るとテンションが上がります。

特に嬉しかったのは、


デバヒラタムシの仲間

国内に関して言えば、デバヒラタムシは一科一属で四種が記録されています。
決して珍しい虫というわけではありませんが、
体長のわりに大きく発達したアゴがかっこよさを際立たせている…….








ガッキー昼寝

河原の石が痛そうだが大丈夫だろうか。

つかの間の休息後、再び散策を開始。


ゴマフカミキリの仲間

ゴマフの仲間って上翅の顆粒こんなに発達してたっけ?
という疑問は湧いたのですが… そこそこのサイズ。

ガイドさん宅まで戻ると、
ガイドさんの手に待望のヤツの姿が…


オサゾウムシの仲間

特に説明は不要。かっこいい。

ヤシの巨木を目にするたびに「いそうだな」、
と思っていたのですがやっぱりいました。

今回の遠征で出会ったゾウムシの中で群を抜く
大きさと質量。艶消しの黒がまた美しい…

手に持ってしきりに感動していると、
ガイドさんがさらに数頭持ってきてくれました。

朝に切り落としたヤシの葉の切り口に集まってきたよう。

終盤になって嬉しい出会いがありました。
素晴らしい。

夜になりライトトラップを点灯。
しかしこの日も大きな成果は得られず。
暇すぎて石積みを開始。


高い。


この日は一旦ホテルへ帰投。
最終日に備えます。






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2.23



翌朝、ちょっとした事件が。

長きにわたり、靴の中に入った小石に苦しめられた結果、
ガッキーの足が穴だらけになってしまいました。

歩くのもままならないということでガッキーはホテル待機。

結局3人で行動することに。

最終日も頑張りましたが、新たな出会いはなく…
ガッキーが落としていったタッパーを回収して引き上げました。





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2.24 - 25



空港でガイドさんと再会を約束し、お別れ。
帰国の途につきました。
これで遠征の全行程が終了です。
僕を含め一年生(当時)は初めての海外遠征でした。
見るもの全てが新鮮で、図鑑や博物館で絵や標本を見ることしかできなかったあんな虫やこんな虫が、
自分の眼前を自由に飛び回っている光景には素直に言葉にできない感動がありました。

また(主に経済的な)余裕があればチャレンジしてみたいですね。

最後に、円滑な遠征実施のために動いてくださった関係者の皆様、
本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。





それでは!



今日はここらでよかろうかい……

筆 ドロポン





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