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クリスマス・ウバタマ
(25.Ⅻ.2016)


参加者:みみずく、コイル、ハラミー、コイルの父





世間がクリスマスムードに浮かれる頃

酢エチ、ピンセット、斧、その他諸々が入ったリュックを背負い、電車に乗り込む青年がいた・・・。

お久しぶりです。みみずくです。

最近は専ら自宅で飼育しているクワガタムシたちの飼育作業しかしておらず、何でもいいから採集に出かけたいなと考えた結果、今回は最終対象をウバタマムシとしました。

こんな真冬にタマムシだと?お前はバカなのか?

そう思った人のために軽く説明をば。

いわゆるタマムシと言えば、緑色のメタリックボディに赤いラインの入ったヤマトタマムシを想像されるかと思います。

そのヤマトタマムシが、主に初夏から活動を開始し成虫越冬を行わないため、“タマムシは夏の虫だ”という印象が強いのでしょう。(実際そうだけど)

ところが、今回探しに行くウバタマムシは、ヤマトタマムシとは異なり成虫越冬し、しかも真冬でも成虫が日光浴をしている姿が度々目撃されている、少し変わったやつです。

今回はなんと、コイルのお父さんが車を出してくれるとのこと。

筆者は途中の駅近くで拾って頂き、その後ハラミーも合流し目的の丘陵地帯へ向かいます。

昼前には到着し、採集開始です。

かなり立派なクヌギやコナラが多く見られます。

夏だったらテンションが上がりますが、今探しているのはマツやスギ。

ウバタマムシはそういった樹皮の下や表面にいることが多いそうです。

とりあえず道なりに進んでいくと、コイルがマツの赤枯れ材を発見。

とりあえず割ってみるか・・・。

テキトーに斧を入れると、



ウバタマムシ(幼虫)

おお・・まじか・・・。

なんということもない地面に転がっている材から、幸先よく幼虫を発見。

立ち枯れの中にいるものだと思っていたので少し意外でした。

タマムシの幼虫は飼育してみたいので、持ち帰ることに。

エサ用として周りの材をほぐしてタマムシ幼虫の入ったケースに放り込むと・・

ん・・・?何か一緒に大き目の甲虫が入ってる・・・

取り出してみると



コクワガタ

ええ・・・何でこんなところにいるの・・・これ針葉樹だよ・・

まあ恐らく越冬のために成虫がたまたま入っていただけでしょう。

クリスマスラベルのクワガタムシってなんとなく特別感があるので一応採集。

思わぬ邂逅に気をよくしてウバタマムシの成虫を探しますが、なかなか見つかりません・・・。

手ごろなマツやスギを見つけては樹皮の下を探していくと、



ヤニサシガメ

確かに体にヤニが付いているように見えますね。

他には



ヨコヅナサシガメ

府中キャンパスにもいる外来種。本来は中国からインド、インドシナ半島に生息しています。

口吻を突き刺して他の昆虫の体液を吸う虫ですので、直接触ると刺されることも。(経験済み)

そんな感じで樹を見ていきますが・・







いない。いないよ。

まあ冬場にウバタマムシをとるなんてのは今回が初だし・・・

結局成虫には会えないまま、敷地内を一周してしまいました。

途中、またいい感じの材が転がっていたので表面を割ってみると



スズメバチ(女王)

これにはハラミーも大喜び。さらにその近くから



また女王蜂です!こんなところで越冬するのですね。

腹も減ってきたころ、コイルのお父さんがいい感じのスギの樹を見つけました。

ここは広葉樹が優先している印象ですが、場所によってマツやスギが多く生えているところもある模様。

各自でルッキングを再開。

筆者もとあるスギの樹の樹皮下を確認し、いないなー・・・と同じ樹の反対側に回り込むと



ウバタマムシ

おお。いたいた。

ちょうど気温が上がってきたので出てきたのでしょうか。



残念ながら脚が欠けており完品ではありませんが、成虫が見られると分かっただけでも大きな成果です。

本当に冬でも出てくるんですね・・・。

まさに写真のようにベターっとくっ付いていました。

日光浴かと思ったのですがこの個体は陽の当たらない場所にいたので、何がしたくてこんなところにいたのか謎です・・・。

まあ何はともあれこれで目標は達成。

後は追加を得るのみ!

先ほどの樹から少し離れた場所に生えていたマツの樹皮下を調べていると、

コイルのお父さん「(チョンチョン)」
筆者「?」
コイルのお父さん「(スッ)」
筆者「!?」



完品のウバタマムシです!

マツの樹皮を剥がした部分に空間があり、そこにいた模様。

コイルのお父さんもウバタマムシを持ち帰りたいと考えていたのですが、ありがたい事に筆者に譲って下さりました。

車まで出してもらって、9月の秩父遠征では牛丼をご馳走してもらって、そのうえウバタマまでも・・・

感謝の極みでございます。

来年の夏にアオタマムシを採ってお返しをしようと誓った瞬間でした。

その後さらなる追加を求めて散策を続けましたが、



ヨコヅナサシガメ(幼虫)

集団で越冬中でした。

他には



樹皮下からコイルが見つけた翅の付いたアリ。ハラミー大喜び。

というわけで、冬の採集でしたが色々な虫が見られ、大成功といえる結果となりました。

敷地内にはエノキやアオハダも生えており、夏に来ればヤマトタマムシやアオマダラタマムシも観察できそうなので、また来たいです。

もちろん、一年中成虫を観察できるウバタマムシも見られるでしょう。





では、またの機会に。







By みみずく


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