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最小のカマキリ
(16.].2016)


参加者:がしゅん



秋の虫といえば?

バッタ、カマキリ、トンボ……などなど。

ヤママユも捨てがたいですが、一般的にはこうした昆虫が身近で印象的でしょう。

中でも個人的に思い入れが強いのはカマキリ!

我が家の庭には代々命をつないできたオオカマキリの一族が住み着いており、
子どものころは彼らとよく遊んだり観察したりしたものです。

しかし、今回の狙いはオオカマキリとは対照的…日本最小のカマキリ、ヒナカマキリ。

今回は都内でこの一風変わったカマキリを探してきました。







ちょうど昼頃に都内のとあるお寺に到着。

ヒナカマキリは常緑広葉樹林や照葉樹林に依存しているらしく、社寺林のような環境を好むそうです。

今回は生息環境を知るために、ヒナカマキリが確実にいるというお寺を探して来ました。



早速、林の中に踏み込み探索開始。

カマキリといえば草むらにいるイメージがありますが、ヒナカマキリは地上性。

落ち葉の上なんかを歩き回りひっそりと暮らしています。

足元を見ながら、落ち葉の上を動くカマキリの姿を探しますが……



いねぇ。



落ち葉を踏み分け踏み分け歩いても、視界に入るのは地上徘徊性のクモばかり。

カマキリは見つかりません。

探し方が悪いのか…?でもそもそもカマキリの良い探し方を知らないしなぁ……

30分もせずに飽きはじめ、少し視線を上の方に移すと竹の幹に変な虫。

ウスミドリナミシャク

竹の幹にぴったりと張り付く蛾がいました。

見事に竹の幹に擬態しているようです…厚みと存在感が薄すぎる……。



ちょっと遠目に撮影。竹です。



少し変わった蛾をみて気分が少しだけよくなったところで探索再開。

虫刺されとか嫌なので、あまり茂みに入らないようにしてましたが、
あまりに見つからないので少し林の奥に入ってみることに。

すると、竹の幹で変なものを発見しました。



この白い謎の物体、実はヒナカマキリの卵のうなんです。

竹の根元の方に産み付けられていました。



サイズ感はこんな感じ。

卵があるということは、ここにいることは間違いないようです。

卵がついていた竹の周りを注意して探してみると……



おや?



ゆっくりと歩く虫……

ヒナカマキリ

いました!

探索開始から約1時間、ようやく見つけられました。

体長は2 cmほどですがこれで成虫。1円玉サイズのかわいらしいカマキリです。

お腹がふっくらしているのでおそらく♀でしょう。

長い時間かけてようやく探しあてたので、感激のあまり写真を撮りまくりました笑

 

 



小さいうえに保護色で地面にいるので、ちょと目を離すとすぐに見失います。

写真の中に1匹います……。わかりますか?

満足するまで撮影会を繰り広げた後、別れを告げて別の個体を探します。

ムシ探しというのは、一度見つけてしまうと楽なもので、これからバンバン見つかるだろうウヒヒ……

と、思っていたのですが、これが全然見つからない。

一度、先ほどとは別の卵のうを見つけて周囲を探してみましたが、それでも見つかりませんでした。

少し場所を変えてみたりしましたが全然ダメ。

下を向いてふらふらと林を歩いているだけの大学生の姿がそこにはありました。



そんなゾンビ状態で歩くこと1時間。再び竹の幹で新たな卵のうを発見。



周囲を見てみると、足元に本日2匹目のヒナカマキリ♀を発見。

やっと見つけた…写真撮って今日はもう帰ろう……

と、屈んだ時、視界に別のカマキリが映り込みました。



あれ?ちょっとほっそりしてる……ということは♂か!



できるだけ生態写真を撮ろうと思ったのですが、木が茂って暗いうえに
落ち葉が多くて逃げられそうだったので、捕まえて明るいところで撮影することにしました。

こちらが♀。卵でお腹がぷっくりしています。

そしてこちらが♂。ほっそりとしたスリムな体型です。

並べてみると分かりやすいと思います。

右が♀、左が♂です。

正確な判定には腹部の先端を見る必要がありますが、どのカマキリも成虫はお腹の大きさでだいたい雌雄が分かります。



ヒナカマキリは地上性であり、翅はほとんど退化していますが、よく見るとわずかに残った翅が見えます。



あまりたくさん見ることはできませんでしたが、ペアが見れて今日はもう満足!

しばらく写真を撮って楽しんだ後、ヒナカマキリたちに別れを告げて帰路に着きました。








というわけでちょっと変わったヒナカマ採集でした。

普段は蛾ばっかり採ってますが、ヒナカマキリは一度見てみたかったのです。

今回、少し気になったのが、今回3個見つけたヒナカマキリの卵のうが3つとも竹の幹に産み付けられていたこと。

今回訪れた林は、竹の多いエリアと竹のないエリアがあり、竹のないエリアでは成虫も卵のうも見つけられませんでした。

まぁどっちも3ずつしか見てないので何とも言えませんが、産卵の足場として竹を好むというのは言えそうです。

もしかしたら常緑広葉樹林以外に竹林なんかでも暮らしているのかも?

だとすれば農工大構内の演習林にもいるかもしれません。

こんど暇なときに探してみようかなぁ……。















それではっ!





By がしゅん


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