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午前0時を越えた日々
(4-5.].2016)


参加者:がしゅん、たかも酢





やままゆ屋として、この時期、クロウスタビガは外せません!

珍品度、おしゃれな翅色、適度なもふもふ。

どれをとってもすごく良い虫なのであります。

そしてその発生期は9〜10月。

10月5日ラベルを採集することが可能なのです!

これはなんとしても10月5日ラベルのクロウスタビガを採集しなければ。

というわけで、10月5日ラベルのクロウスタビガを求めて毎年恒例となりつつある(?)群馬へ行ってきました。







10月4日の4限後に出発し、目的地に着いたのは20時頃。

軽く街灯を見つつライトトラップのポイントへ向かいますが、虫の集まりはイマイチ。。。

気温が15℃ほどと低めだからでしょうか……?いきなり不安が募ります。

時間も遅くなってしまったので、急ぎめでポイントへ移動し、ライトトラップを点灯したのは20時半過ぎ。

車内で夕食をすませ、しばらく街灯巡り。

しかし、やはり街灯への虫の集まりは悪く、めぼしい街灯を見てもクスサンすらいません。

去年、一昨年とクスサンだけはたくさんいたのに……。

空を見上げれば雲はなく、夜間さらに気温が低下しそう……。

大丈夫かな……。

不安な気持ちで運転しつつ、暗闇の中ひっそりと佇む公衆トイレに立ち寄ります。

ここでようやくトイレの窓にハート型の紋を持つ蛾を発見!

間違いなくクロウスタビガです。

しかし、ガラス窓と網戸の間に挟まっていて救出は困難……。

翅を傷つけない程度に網戸をずらし、自力での脱出を期待することに。

トイレの扉には綺麗なヒメヤママユがついていました。

ヒメヤママユ

胸がコロッとしていてかわいらしい蛾です。

擦れも少なくとても綺麗だったのでヒメヤママユ初採集のたかも酢にあげました。

僕はいいんです。日付はまだ10月4日ですから。

ほしいのは10月5日ラベル。どうせなら他の蛾も10月5日ラベルを狙います。

トイレの中を見てみるとクロウスタビガがもう1頭!

クロウスタビガ

おぉ!

このカラーリング、胴の毛並はやはり堪りません……。

思わず手が出かけますが、こちらも我慢。

日が変わってもこの場所にいたら採集しよう……。

今回はとにかく日付にこだわります。

他にも、この場所ではトイレの内外にヒメヤママユを複数確認しました。

このトイレでは昨年も複数のクロウスタビガ・ヒメヤママユを確認しており、なかなかの優良物件のようです。

蛍光灯自体はトイレの内部にしかなく、窓ガラスももちろん擦りガラスなので
そこまで外に漏れる光が多いわけではないと思いますが、周囲に他に灯りがなく、
湖をはさんでちょうど反対側の山に向かって開けているので光が目立ちやすい立地なのでしょう。

加えて、公衆トイレのわりに綺麗なのもポイント高いです笑

ニホンアマガエル

カエルさんもいました。ぷっくりしていてかわいい(*´ω`*)





良トイレを後にして、お次は昨年多数のクロウスタビガやエゾベニシタバなどを確認した強力街灯へ。

気温は12〜13℃くらいになっていてかなり寒く感じました。

先ほどのトイレからここまでの道のりがやはり不調だったので、不安ではありましたが、街灯にしっかりくっついていました。

わかりますか?

街灯の周りも探してみると地面にもう1頭。

クロウスタビガ

擦れに擦れて翅の色がかなり薄くなっています。

ここまで擦れていて翅の欠けが少ないというのも変な気がしますが……。

障害物を避ける天才なんですかね?笑



強力街灯を後にし、ライトトラップを確認しに戻ります。

途中、再び例のトイレを通過したのですが、窓についていたはずのクロウスタビがいない!

そんな…自力で脱出してどこかに行ってしまったのか……

たかも酢と二人、落胆しかけながらも可能性を捨てずに一応窓の周囲を確認することに。

すると、たかも酢が発見!

クロウスタビガ

窓のある壁の下の方についていました。

ほぼ完品のとても綺麗な個体です!

美しい〜〜♪

まだ23時にもなっていませんでしたし、
きれいめのクロウスタビ自体は別の日に別の場所で採ったので
この個体はクロウスタビ初採集&再発見した たかも酢 に差し上げましたが、
こんなに綺麗な個体が見られるなんて幸運でした。





******





ライトトラップに戻ったのは23時半過ぎ。

設置から約3時間たっていますが、遠目に見てもライトを覆う蚊帳には大型蛾類の影はなくほぼ真っ白。。。

一応確認のため車を降りてみるとヒメヤママユが飛来していました。

ヒメヤママユ

水銀灯の灯りで色がわかりにくいですが、この個体、通常の個体に比べかなり黒い印象を受けました。

まだ日付は10/4でしたが、少し面白い変異だったので採集するか迷っていると、


たかも酢「じゃあ逃げないようにしとけばいいよ」


ということで たかも酢により蚊帳の中に閉じ込められました

(それは捕獲というのでは…?採集とは違うのかしら……?)

頭の片隅に疑問を残しつつ、ヒメヤママユを蚊帳に入れたまま再び街灯巡りへ。

とはいえ、寒かったので灯りの確認がてらコンビニに寄りカップ麺をすすって時間が経過。



気づけば日は代わり10月5日になっていました。



・・・・・・



Happy Birthday 俺!!おめでとう!!!



はい。本日がしゅんは21歳になりました。

10月5日は、がしゅんの誕生日。

今回は誕生日ラベル狙いなのでした。



日付が変わったのでこれで心置きなく採集できます。

とはいえ、実は今回は「1限に間に合うよう深夜料金で帰る」というミッションがあるので時間は限られています……。

というわけでカップ麺で暖まったら再び街灯巡りへ。

と、その前に発電機のガソリンがそろそろ切れる頃なので補充に向かいます。

その道中では、クスサンとヒメヤママユを見つけました。

クスサン

ヒメヤママユ

特に、このヒメヤママユはかなり小さめの個体でした。

サイズの比較。

上がこのとき見つけた小型個体、下が通常サイズの個体です。

1円玉と比べても、小さいことがわかると思います。

いままで僕が観察したヒメヤママユの中では間違いなく最も小さい個体でした。

ただでさえ可愛らしい蛾なのに、小さいとさらに可愛らしい感じがしますね。



ライトトラップに戻ると、やはりガソリンが切れて消灯していました。

当然、わずかに飛来していた蛾たちも離れていてましたが、たかも酢の思い付きで蚊帳に閉じ込められたヒメは無事。

ありがとう、たかも酢。君のおかげでこのヒメは誕生日ラベルだ……。

ただ、時間も押してきているのでこのタイミングでは採集せず、ガソリンを補給して再点灯の後、すぐに出発。

次は、一昨年の夏休み最終日、生まれて初めてクロウスタビガに出会ったポイントへ。

この場所は全くの暗闇の中に突然現れる灯りなので集虫力高めなのです。

ポイントに着いて周りを探すと、地面でパタパタしている黄色い蛾を発見。



キタ!クロウスタビ!





ではなく……





ウスタビガ

黒くない普通のウスタビさんでした。

まさか誕生日ラベルのウスタビガが採れるとは思ってなかったので少々興奮してしまいました。



このほかにも、おなじみのヒメヤママユに加え、エゾバニシタバなんかもいました。

ヒメヤママユ

エゾベニシタバ

エゾベニシタバは、日本の他のベニシタバ2種に比べると後翅の紅色は鮮やかではないですが、
比較的珍しいらしいので、誕生日ラベルが採れてラッキー♪

しかし、クロウスタビガは、クモの巣にかかって息絶えたのが一頭いたのみでした。

少し意外だったのが、秋らしい蛾たちに紛れてこんな虫がいたこと。

クワカミキリ

真夏の虫のイメージですが……。長生きですね。



適度に満足したところで1時半過ぎくらいにポイントを後にし、ライトトラップの回収に戻ります。

1限に間に合うよう、余裕に余裕を重ねて2時頃にはライトトラップを片付ける予定だったのです。

だったのですが……。

とある看板にヒメヤママユが多数くっついており、見るだけ見てみようと車を降りると、

   

ヒメヤママユ♀

複数の♂に混じって♀のヒメヤママユが2頭いました!

他の多くのヤママユガ科の例にもれず、ヒメヤママユも♀は♂に比べ灯火に飛来しにくいのです。

さらに、通常、ヒメヤママユは♀が♂よりも一回り大きいのですが、
ここにいた2頭のうち、1頭は通常サイズの♂と同程度の大きさで、♀にしてはかなり小さい印象を受けました。

加えて、綺麗なエゾベニシタバやシロシタバもいました。

エゾベニシタバ

シロシタバ

その他、ヒメヤママユ♂も綺麗なものが多く、この看板での観察・採集に思いのほか身が入ってしまい、気づけば2時半。

片付け予定時刻をとっくに過ぎています。。。

急いでライトトラップに戻り、蚊帳に閉じ込めていた黒いヒメヤママユを回収。

ヒメヤママユ

LEDの光で改めて撮影。

前翅前縁の白帯が消失するいわゆる黒化型とは違いますが、
通常のものに比べて全体的に黒いのがわかると思います。



黒っぽいヒメを回収したら、大急ぎでライトトラップを片付けます。

それはもう大急ぎなんてレベルではないです。超スピードです。

なぜなら、ライトトラップを片付けたからといって、すぐに帰れるわけではないからです。

みなさん何か忘れていませんか?

そう。





わざわざこの日を狙ってきたのに、がしゅんはまだ誕生日クロウスタビを採集していないのです。





せっかく来たのに目標不達成では終われない!

唯一の望みは例のトイレに残してきた1頭のみ。

しかしトイレまで地味に距離が。。。

もはや「余裕をもって」などという意識はかなぐり捨て、「深夜料金のために4時までに高速に乗る」ことに意識をシフトします。

それでもギリギリかもですが……。

諦めるわけにもいかないので、急ぎめに山道を登っていき、例のトイレへ直行!



さぁついた!奴はまだいるか!?





クロウスタビガ

いました!いてくれました!

状態はすごく良いとは言えませんが、誕生日ラベルであればもはやどうでもいいです。

とりあえずは採集することができました!

やったねがしゅん!







その後、なんとか深夜料金で高速に乗ることができ、休憩をはさみつつも、
たかも酢と交代で運転してなんとか1限開始15分前に大学に戻ることができたのでした。





めでたしめでたし。







というわけで、がしゅんのバースデークロウスタビ採集でした。

数は見ることはできませんでしたが、とりあえずは誕生日ラベルのクロウスタビガを採集できて満足でした。

また、クロウスタビこそ少なったですが、代わりにヒメヤママユでいくつかおもしろい変異が見られて良かったです。

上段左:黒めの個体 上段右:極小♂ 下段左:小型♀、下段右:通常♂



そのほか、一晩でクスサン、クロウスタビガ、ヒメヤママユ、ウスタビガといった秋やままゆ四天王を制覇できたこと、
初採集のシロシタバや比較的珍しいエゾベニシタバといったカトカラも見ることができ、
とても良い誕生日となりました。

10月に生まれるなんて、やままゆ屋としてはかなり恵まれていますね♪















それではっ!





By がしゅん


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