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晩夏のタテハ
1日目〜ライトトラップが救い〜



(14.V.2016)





参加者 : すいみ〜、じょえる、らいと



こんにちは。すいみ〜です。

今回の狙いは

キベリタテハ(Nymphalis antiopa)

クジャクチョウ(Inachis io)

の二種類のチョウです。



キベリタテハはタテハチョウ科で 表の模様はこげ茶に黄色い縁取りがあり、

その内側を沿うように青い斑点がある 美麗なチョウです。

本州では標高1500〜2000m付近の 広葉樹林に生息し、ダケカンバが主な食草です。

したがって、基本的には高標高地の広葉樹林のある 林道沿いで開けた場所があったら

車を降りて 歩いて探してみることになります。

また、法面や崖に泊まっていることもあるようなので、 そこも注視しながら探しました。

一方、クジャクチョウもタテハチョウ科で

表はオレンジ色に目玉模様が前翅と後翅に 二つづつあり、

特に後翅の目玉模様がクジャクの羽の 目玉模様にそっくりな派手なチョウです。

このチョウの食草はカラハナソウですが、

飛翔性が高く高標高地から低標高地までみられ アザミの花などに訪れるので、

食草を探すというよりは花が咲いているところを 探すという感じです。



いずれも飛翔スピードが速くて捕まえるのが難しいので、

チョウを捕まえ慣れていない僕には不安な要素が多い採集になりそうです。










朝9時半に大学に集合。

天気があまりすぐれないようで、

ちょっと前までここ府中でも雨が降っていたらしく 地面が濡れています。

今日の夜はライトトラップもする予定なので 3人そろってから発電機を積み込み出発しました。



高速はすいていて順調に山梨へ到着。

幸運なことに山梨は曇り空に晴れ間が見えており

うまくいけば晴れている時間もありそうなので 一応期待はできそうです。



某高原を目指して山道を走らせる途中

広場があったので車を停めて採集することにしました。



広場




しかし、飛んでいるのはジャノメチョウや ヤマトスジグロシロチョウ、アゲハ、ミドリヒョウモンなどで

目標のチョウは飛んできません。

ミドリヒョウモン
ミドリヒョウモン♀
Arfynnis paphia

チョウ自体の個体数も多くはなく微妙な感じです。

しばらくすると、車が1台やってきておじさんが降りてきて 僕たちに話しかけてきました。





『何を採ってるの?』

『チョウを採ってます。』

『それは分かってるよ。何のチョウを採ってるの?』

『キベリチョウとクジャクチョウを一応狙っているんですが…』

『ああ、クジャクチョウはだいぶいなくなっちゃったねぇ。』

『昆虫採集される方だったんですね!

というか、クジャクチョウはいなくなっちゃったんですか…』

『うん。昔はいたんだけどねぇ…』





なんと、このおじさんも虫屋の方でした。

昔はチョウをやっていたらしく、今は蛾を集めているそうです。



しかし、クジャクチョウが減ってしまっていたとは。

何とか姿を見れるといいんですが。





おじさんと話をした後もしばらくここで採集をしていると

らいとがヨモギハムシを見つけたようで、 僕も探してみると、いました。



ヨモギハムシ
ヨモギハムシ(青)
Chrysolina aurichalcea



ハムシハンドブック曰く、普通に見られる種 らしいのですが僕は初めて見たので感動です。

体調は1センチ以上あり、ハムシとしては大型の部類で 金属光沢が美しい虫です。

青色系統と銅色系統の二種類があるらしく ここでも二色入り混じってました。



ヨモギハムシ
ヨモギハムシ(銅)



待っててもチョウは増えそうにないので ここらへんで切り上げて標高を上げることにしました。







途中ひらけた場所があったので 何回か降りて探したのですが

特に真新しいチョウには出会えず。



そんな感じで車を走らせていると、

いい感じに日の当たる斜面がある林道があったので 入ってみることにしました。

ここは、針葉樹の人工林を伐採して ミズナラを植樹している場所のようで

ギャップが形成されていてアサギマダラが たくさん飛んでいる楽園のような場所でした。

アサギマダラは本州では捕まえたことがなかったので 個人的には初採集でした。



アサギマダラ
アサギマダラ♂
Parantica sita 




大きくて特徴的で識別しやすいうえに、 美しいチョウなので僕の素人にやさしいチョウです(笑)

じょえるに教えてもらって初めて知ったのですが

アサギマダラは性標がわかりやすく 後翅裏の黒い斑があるのが♂だそうで

ここではたまたま♂しか採れませんでした。



アサギマダラと戯れた後は、 また何度か場所を移して探したのですがダメで

初日はとうとう一匹も見ることができませんでした。





暗くなってきたので、最初におじさんと話した 広場でライトトラップをすることにしました。





少し手こずりながらもライトトラップを開始。



ライトトラップ




しばらくすると小昆虫や蛾、カメムシが飛んできました。





エダシャク科Ourapteryx属の仲間オビガ
Apha aequalis
ヒョウモンエダシャク
Arichanna gaschkevitchii
カギバ科の仲間
ノコメキシタバ
Catocala bella
ジャノメチョウ
Minois dryas
コガネムシの仲間
シロトホシテントウ
Calvia decemguttata
ツノアオカメムシ
Pentatoma japonica
ゴミムシの仲間






一時間半ぐらいたったころには、 ヤママユガとヒメヤママユガが飛んできました!





ヤママユガ
ヤママユガ
Antheraea yamamai

ヒメヤママユガ
ヒメヤママユガ
Saturnia jonasii






しかし、大型の甲虫はヒゲナガカミキリ1ペアくらいで、

クワガタは来てくれませんでした。





ヒゲナガカミキリ
ヒゲナガカミキリ
Monochamus grandis






一通りの盛り上がりを見せてライトトラップも終え、

広場に来る途中にあったダムの明かりを見に行くことにしました。



すると、ここでもヒメヤママユガを見ることが出来ました!





当初はこの後もいろいろと街灯巡りする予定でしたが、

今日はなぜかみんな疲れており、 下山してコンビニに行ったところでこれ以上街灯巡りはせず

このまま寝ちゃおうということで意見が一致(笑)





一日目は終了です。

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