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黒の誘惑
(4-5.Y.2016)


参加者:がしゅん、みむさん、じょえる、ヘドウィグ、レム、はっぽーさい





ウスバシロチョウ。

自称(?)「シロチョウ」のこのチョウですが、変異が多く、その名に反して黒化型というものが存在します。

なかでも、翅が完全に黒くなる完全黒化型というものも存在し、福島にはその完全黒化型が多いらしい。



前々からこの完全黒化ウスバシロ、すなわち「ウスバクロ」を見てみたいと思っていたのですが、
たまたま じょえる に採集に誘われたので、ウスバクロ求めて福島まで行ってきました。

ウスバクロの他にもいろいろ狙えるらしく、ミヤカラ狙いのみむさん、ヒメオオ狙いのヘドウィグとレム、
そしてエゾハルゼミ狙いでセミ好きの新入生、はっぽーさいも一緒に行くことになりました!!







福島までの道のりはかなり時間がかかるので、4日の夜に出発し、街灯巡りをしつつポイントへ向かいます。

企画者の じょえる は諸事情により5日の朝に現地で合流することになっているので、行きは五人でのドライブです。

高速で一度新潟まで行ったあと、街灯をめぐりながら福島入りです。

高速は僕が運転し、街灯巡りからは街灯ルートを知っているという みむさん に運転を託します。

まずは、夕食の調達も兼ねて最初のポイントのコンビニへ。

窓には大量の蛾!これは期待できそう!

と思ったのですが、どうも窓ガラスにくっついているのはほとんど同じ蛾のようでした。

オビカレハ

本当にこればっかりでした。このペアからもわかる通り、翅の色には結構変異があるようです。

電話ボックスにいた個体をパシャリ。



か、かわいい……ッ!!

オビカレハの他には、キアシドクガやコクワガタがいました。



キアシドクガ

コクワガタ

そこそこ大きい個体です。大型のものはコクワといえど迫力がありますね。





この後もいろいろと街灯巡りをしたのですが、僕は夜間の高速運転に疲れて寝てしまい、あまり記憶がありません。。。

というわけで、写真に残っている虫(+α)たちを軽く紹介する程度で街灯巡り編は流そうと思います。。。

スジモンヒトリ

マエベニノメイガ

前翅の薄紅色が美しい。



シロスジカミキリ

踏切の棒についてました。みむさんが採集。

ウチスズメ

エゾシモフリスズメ

エゾスズメ

今回の街灯巡りで見られたスズメガたち。

やはりカッコイイものが多いですね。

特に、エゾスズメは色といいスタイルといい格別です!

ウチスズメとエゾシモフリは初めて見ました。

ウチスズメのガンチラ(眼状紋チラリ)は堪らないですね。

エゾシモフリは、帰ってきてからシモフリスズメではないことに気づきました。。。
こういうよく似た種類は、現地でパッと見抜けるようになりたいものです。

このほか、おなじみ(?)のコスズメやモモスズメなんかもいました。



オオミズアオ

どこにでもいる蛾ですが、今回見られたのは一晩通して一頭のみでした。

ノコギリクワガタ

ミヤマクワガタ

クワガタ。

どちらの種も小さい個体でした。

そして個人的におもしろかったのが、小さくても一応ミヤマを採集するヘドウィグ・レムと、
小さいミヤマではもはや動じない みむさんの対比。

これが1年分の夜高尾経験の差です(笑)
あるいは会長の余裕か。



ニホンアマガエル

シュレーゲルアオガエル

アズマヒキガエル

かえるさんたち。

かわいいですね(*´ω`*)





そんなこんなで結構広範囲の探索をしてしまい、見たい街灯をすべて廻り終わったのは3時。

さすがに疲れたという みむさん から、ほぼ寝ていた僕に運転を交代し、
じょえると合流予定の場所についたのは4時。

この時間にはもうすでに空が白みはじめていました。。。

明日は疲れて動けないなんてことがないよう祈りつつ、就寝しました。


Zzz...







朝8時頃。

じょえる がやってきた音で目が覚めました。

ねむ。。。

じょえるによれば、この集合場所がウスバクロのポイントそのものらしいので、少し散策してみます。

原っぱのようなこの場所には、ヒメシジミがたくさん舞ってました。

   

ヒメシジミ

関東の平地では見られないんだとか。

名前も相まってとてもかわいらしいです。



本命のウスバシロチョウは、いるにはいるのですが、黒くない上、もう結構ボロボロ……。

ウスバシロチョウ

今年は各地で虫の発生が早まっているようですが、この地のウスバシロチョウも早めの発生をしていたのでしょう。
(福島のウスバシロは例年では5月下旬〜6月初旬がピークらしいです。)

結局、ボロばっかだしまだ本格的に蝶が飛ぶ時間でもないし焦ることもないな、と思い、
ひとり車に戻って後部座席で横になって再びおねむになりました。

Zzz...





******





10時近くになって起きだし、車の周りを見るとみんないない。

すこし遠出して虫を探しに行ったようです。

まぁそのうち戻ってくるだろー、と思い、原っぱの真ん中でぼーっとしていると、
案の定、他の5人が戻ってきました。

じょえるによれば、やはりこの辺りのウスバシロチョウは発生が早かったらしくボロばかりとのこと。

おまけに黒いのは見なかったとか。

仕方がないので、標高をあげてウスバシロチョウがいそうなところを探すことにしました。



と、その前に。





!?



ウスバシロチョウ(黒化型)

いました。黒いやつ。

ボロボロですが、翅の付け根に白い鱗粉が微かに乗る程度で、かなり完全黒化に近い個体です。

とりあえず黒化型を1頭見ることができたので満足です。





さらに、良いことは続くもの。

車に戻ろうとしたとき、ふと原っぱの上を黄色い虫が高速で飛んでいるのに気づきました。

トンボかハチかな?と思って飛んでいる虫を目で追いかけてみると、長くて太い触角がついている。

どうみてもカミキリの飛び方ではないし、まさか……。

ふと脳裏をよぎったとある虫。

正体を確かめるため網を振りぬきます。





キバネツノトンボ

やっぱり!

トンボのようなフォルムでチョウのような長い触角をもつ不思議な虫です。

ちなみに、分類上はトンボでもチョウでもなく、脈翅目…ウスバカゲロウやクサカゲロウなどの仲間です。

環境省のRDBでは無指定ですが、東京では絶滅、埼玉・神奈川では絶滅危惧T類の指定がかかっており
農工大近辺ではなかなか見ることのできないツノトンボです。

図鑑で見て一度は実物を見てみたいと思っていたので、思わぬ収穫に大満足です!





さて、時間もそこそこになってきたので標高をあげウスバシロのいそうなところを探します。



ポイントを探しながら車を走らせていると、大規模な土場を発見。

ヘドウィグの要望により少し寄り道してみることにしました。

明らかにどこか会社の土地っぽいので、みむさんとヘドウィグが交渉に行っている間に近くの河原でのんびり。

河原にはハンミョウがたくさんいました。

コニワハンミョウ



さらに、この辺ではセミがよく鳴いていて はっぽーさい がとっても嬉しそう。

僕はセミのことはよくわかりませんが、エゾハルゼミがたくさん鳴いているらしいです。

セミの声を頼りに網を持って探しに行きました。行動力があって頼もしいです。



しばらくすると みむさん とヘドウィグが戻ってきましたが、人が誰もおらず交渉できなかったそう。

しかし、すぐそこの草むらにウスバシロチョウがいるというので、
昼食がてらしばらくそこで採集することにしました。

ここのウスバシロチョウは普通の白いものが多いですが、翅の形はきれいです。







しばらく普通のウスバシロチョウを採ったり撮ったりして遊んでいると、気づけば じょえる が見当たらない。

どこ行ったんだろう?と思っていると、どうやら少し離れたところから現れました。


あの辺に生えてる花に結構来てますよ


というので、じょえる・みむさんと歩いていると、みむさんが、
「あれ黒くね?」

みむさんはウスバシロには特に興味がないらしく、代わりにじょえるがキャッチ。

ウスバシロチョウ(黒化型)

く、黒い…ッ!真っ黒です!!

これはもう、完全黒化型ということでいいのかな。

しかも翅も綺麗。

そんなのを見てしまったら、ウスバクロ探しに熱が入ります。

僕も負けじと真剣にウスバクロを探し始めました。

そこらへんに飛んでいるウスバシロをよーく見てみると……











完全黒化とまではいきませんが、通常のウスバシロチョウと比べてそこそこ黒い個体を見つけることができました。





12時半を過ぎたあたりで、ウスバクロ探索は切り上げ、別のポイントに行くことに。

今回は、ウスバクロ以外にミヤマカラスアゲハ、ヒメオオクワガタ、エゾハルゼミなど、
目標がまだまだいろいろいるのでそろそろ時間に余裕が無くなってきます。

特に、ミヤマカラスアゲハは本来午前中が勝負。エゾハルゼミも、
気温が上がると鳴かなくなってしまうようなのでそろそろ移動しなければなりません。



というわけで次の目的地へ〜





******





次のポイントはミヤカラ狙いで川沿いのポイント。

エゾハルゼミもよく鳴いています。



しかし、じょえるが調達してきた情報に従ってポイントを進んでもミヤカラどころか他のチョウも見当たらない……。

落胆していると はっぽーさい が何か見つけたようです。

ツチハンミョウ

奇怪な姿の虫。

カンタリジンという毒物質を分泌するため、触るときには注意が必要です。かぶれます。

このほか、小さく光沢のある虫も見られました。



コメツキモドキの仲間





探そうにも飛んでいない蝶は探せないので、ミヤカラは諦め、はっぽーさいの要望にあわせエゾハルゼミの捕獲を試みます。

じょえるが長竿の使い方をレクチャーしつつ、広葉樹の梢を叩いて止まっているセミを飛び上がらせる作戦です。

セミを飛び上がらせるのはできても、そこから長竿でセミを網に入れるのが至難の業。

なかなかうまくいかないようです…まぁ最初はそんなもんだよね。



今回はセミの捕獲は無理かなぁ…と思っていると、

じょえる「あれ?この辺(すごく低い位置)で鳴いてない?」

じょえるは地味にセミを見つけるのがうまいのです。

鳴き声のもとをたどっていくと……。

「いた!」

じょえるの指さす辺りに はっぽーさい が慎重に網をかぶせます。



採れたかな……?

エゾハルゼミ

おぉ!

どうやら無事に捕獲できたようです。

なぜか地面で鳴いていたようですが、どうもこの個体は何らかの理由で飛べなくなってしまったようです。

なにはともあれ、採れてよかったね!





******





エゾハルゼミが採れたところで、本日最後のポイントへ。

ここではヒメオオクワガタとミヤマカラスアゲハが採れるらしいです。

ただ、ポイントが少し離れているので、ヘドウィグ・レムのヒメオオ組と
みむさん・僕・じょえる・はっぽーさいのミヤカラ組に分かれて探索しました。
(みむさんが珍しくクワガタではなくチョウを採りに来てる不思議……笑)

ミヤカラ組については、もう夕方で時間が悪かったのか、ミヤカラの飛ぶ姿を見ることすら叶いませんでした。

代わりに(?)ヤマキマダラヒカゲはたくさんいましたが。。。

   

ヤマキマダラヒカゲ





1日の採集で疲れたのでミヤカラ組は早々にあきらめて車で休憩。

集合時間になり、ヒメオオ組の2人も戻ってきました。

なんだか表情が暗めです。

あっちもダメだったのかな……。

一応確認してみると、レムがおもむろにケースを取り出しました。

!?!?



ヒメオオクワガタ♀

自己採集ではなく、通りすがりの山菜採りの方にもらったらしいですが、とりあえず見ることはできたようです。



日もだいぶ傾いてきたので、今日の採集はもうおしまい。



そのまま帰路に着きました。





途中立ち寄ったSAで見つけたオオミズアオ♀












というわけで、福島での採集記でした。

個人的には、目標のウスバクロと、予想外のキバネツノトンボが見られたのでとても満足な採集でした。

狙いのうち、ミヤマカラスアゲハは採れなかったものの、
ヒメオオクワガタとエゾハルゼミは採れたので良かったと思います。



今回驚いたのが、福島まで行くのに、自家用車で6人でいくと3000円もかからないということ。

ライトトラップなどをしようとするとそうはいかないのかもしれませんが、
ただ福島に行くだけならあんまりかからないものなんですね。。。

次にまた福島に誘われたらホイホイついて行ってしまいそうです笑

なんだかんだ虫採りは楽しいですから。



また来年、余裕があったらきれいな黒化型を採りに行こうかなぁ……。

























それではっ!





By がしゅん


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