活動する虫たちが増えるこの季節、あまり観察しきれていないやままゆが頭をよぎります。
エゾヨツメ、オナガミズアオ、ハグルマヤママユ
どの種も観察したことはありますが、たくさんの数を見て比較したいものです。
ということで、春一番に出てくるやままゆ、エゾヨツメ!
あわよくば、岐阜 - 長野に多いという黒化型も観察しようと、かっきーたちと出撃しました!
深夜に出発して、翌朝、長野県のポイントへ!
標高を上げると、景色もきれい!
ガは夜のライトトラップで狙うので、日中はルリクワガタ探しです。
ルリ属がいそうな環境を見つけ、かっきーはとても活き活きしています。
広葉樹の多い場所です。
材を得たかっきーは、産卵痕を目印にして慎重に削っていきます。
しかし、生存率が低いのか、なかなか見つかりません。
コルリの幼虫はたまに出てくるのですが、狙いは成虫です。
1時間ほど粘ったころに ・ ・ ・
「出たっ!」
ホソツヤルリクワガタ
キラッと光る成虫が現れました!
殺伐とした林内で見るこの輝きは異質!
材採集にハマる気持ちがわかる気がしました。
成虫が入っていた材です。
何というか、すごく普通の、 細目の、材。
素人目にはよくわかりませんでしたが、おそらく、水分量や腐朽具合が丁度よいのでしょう。
実際、少し窪んだ地形にある材は水分が保たれていることが多く、ルリ属の産卵マークもたくさん見つかりました。
その後もちらほら追加が得られました。
裏から見るとゴミムシっぽい。
ルリ属の材割りは、産卵痕から慎重に削っていくというやり方のようで、とても繊細な作業に見えました。
ちょっと職人技っぽかったです。
ホソツヤルリクワガタ
かっきーはもう少し追加したいようでしたが、少し早目に切り上げ、岐阜県側へ移動しました。
いい景色の中を走っていきます。
標高を下げると、新緑が鮮やか。
日が暮れる前にポイント近くに着きました。
ポイントと言っても実績があるわけではなく、標高や周囲の地形などを見て目星をつけた場所です。
のんびりご飯を済ませたあと、標高約 900m地点でライトトラップをスタンバイ!
ライト点灯後、周囲の街灯を巡っていると、ポツポツポツ ・ ・ ・ 。
岐阜まで来て雨は泣けるぞ!と思いながら、トラップの場所へ戻ります。
すると、意外にも大型蛾のシルエットが!
岐阜県高山市 alt.937m オナガミズアオ
美しい!この翅型と雰囲気!
予想だにしなかったオナガミズアオ!
オナガ特有の止まり方です。
個人的にやままゆ最美麗種だと思っています。
スラッとした動線と心惹かれるグラデーションは、まさに幽玄の美!
雨は激しさを増していきましたが、悪天候の中次々と飛来したのには驚きました。
20時くらいまでに、15頭ほどのオナガミズアオが飛来!
小さな足場でも、器用にちょこんと止まります。
オナガミズアオ
写真では分かりづらいですが、触角は緑色です。
まるで置き物のような立体美をしばし堪能しました。
予期せぬオナガに大興奮でしたが、本命のエゾヨツメも一応飛来しました。。。
エゾヨツメ
ものすごく申し訳ないピンボケ&フレームアウトの写真。
結局エゾヨツメの飛来は1頭のみで、黒化型ではありませんでした。
ベニスズメ
きれいなベニスズメも飛来。
春らしいガを観察できました!
-2日目-
朝起きると ・ ・ ・
トウカイコルリクワガタ
かっき―が近くの山ですでに採集していました。
この後は数十キロ離れたポイントに移動し、ルリ採集をしました。
標高を上げつつ、かっきーに良い場所を探してもらいます。
針葉樹と広葉樹の混じり合うような場所で採集開始!
かっきーはルリに憑かれているのかという勢いで、斜面の彼方へ消えていきました。
産卵痕のある材を見つけるだけで、なんだか達成感があります。
地道に採集し続け、何とか幼虫は出すことができました!
ホソツヤルリクワガタ
近くで採集していたキャプテンUは、成虫も出したようです!
彼は、結構色々な採集に手を出しており、採集スキル高いです。
夕方には、またまた移動して、ライトトラップポイントへ!
ここで、何かいそいそと準備しだす要注意人物が一人。
採集道具持って、
GPS持って、
ヘッドライト装着して ・ ・ ・
・ ・ ・
夕暮れの山に突っ込むかっきー。
何が彼を突き動かすのかというと、
もちろん、コルリ。
残る3人はライトトラップを設置。
標高1600mとかなり高い場所です。
日没と同時に点灯!
早い時間に飛来するエゾヨツメを待ちますが、さすがに標高が高すぎた様子。。。
カバキリガ
小型のガはそこそこ飛来し、蛾屋のKさんが始動します。
カシワキリガ
小さい蛾ばかりだなーと思いましたが、
Kさん曰く、「やままゆがでかすぎるだけ」 らしく、
対象にする蛾相の違いを感じました。
マイコトラガなどの人気種も飛来し、なかなかおもしろい場所でした!
21時ごろには、かっきーも山からひょこっと現れ、無事帰還。
成果を聞くと、、、
ガロアムシの仲間
あれ?コルリは ・ ・ ・
ニシホソヒメクロオサムシ
通称アルマン。
コルリじゃないけど結構いい虫採れてます。
当然のことですが、日没後の材割りは非常にキツかったらしく、石起こしに転向してたようです。
移動の多かった採集ですが、いろいろな虫が見れて大満足。
予想外の採集ができるのは、新規ポイント開拓の醍醐味ですね!
エゾヨツメ黒化型は、また次の機会に狙おうと思います!