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秋の終わりに。初・独り夜高尾。
(21.Ⅺ.2015)


参加者:がしゅん





ついに来てしまった。

ひとりで。たった独りで。

夜高尾に。しかもこんな寒い時期に。

でも仕方がないじゃない。

どうしても会いたかったんだもの。

ウスタビガに。





というわけで、ウスタビガ求めて独り寂しく夜高尾に行ってきました。



昨年も同じ時期に採集に行きましたが、シーズン終わりかけ感があり、
今年は早めに行こうということで、学祭1週間前にたかも酢と行ってみたものの、
ヒメヤママユばかりでウスタビガはおらず。


その後2週間ほどは天気が悪かったり、学祭やレポートがあったりで採集に出られず、
結局去年とほぼ同じ日に採集ということになってしまいました。


まぁ今年は暖冬らしいし、まだまだ見られるんじゃないですかね?(適当)


はたして、人生初の、しかも極寒の独り夜高尾でウスタビガは見られるのか?

がしゅんの運命や如何に!?

ご期待ください?







高尾山口駅に着いたのは、17:45頃。

経験的に、多くのヤママユが深夜になってから飛ぶように思いますが、
ウスタビガは早い時間から飛ぶらしいのでこの時間です。

しかし、駅に着いてまず驚いたのは、登山客の数。

いったいどこから湧いているのかと思うくらい人が絶えません。

登山道入口で行く手を見つめるも、暗闇の中から人、人、人。

あまりの人口密度に耐えられず、人の波を逆走する元気もなかったので
コスト480yenを支払い、最上級ワープ魔法「ケーブルカー」を唱え一瞬にしていつものポイントへ。



******



ポイントについたら、帰りのケーブルカーを待つ長蛇の列を横目に街灯巡り開始。

とはいえ、まだまだ登山客が多いので、網は広げず、おだんご片手にふらふらしていただけです。

お店がやっている時間に来ることは滅多にないですからね……。

美味しいおだんごを食べ、街灯を見上げながら歩くも、ウスタビはおらず、小さな蛾がちらちらと舞っているばかり。


まぁまぁ、まだ夜高尾ははじまったばかり。夜は長いさ……

と歩くこと30分。

登山客もだいぶ少なくなってきたなぁと思いはじめた辺りで、
とある電灯の回りをひらひらと舞う巨大な黄色い生物を発見。


あれは間違いなくウスタビガ!!


どっか止まんないかなぁ……。


止まった!!




まわりに人がいないことを確認して網を広げ、慎重に網の中へ。
(夏ならともかく、冬の夜に虫網を持っているとさすがに人の目が気になります。)


ウスタビガ♀

鮮やかな黄色!美しいですねぇ〜。

体はもふもふでとても暖かそうです。分けてほしい。


正面から。

上品な毛並と、前脚で顔を隠す感じがとてもかわゆいです。

採卵のため生きたまま三角紙に収めた後は、再び街灯巡りへ。

開始早々のウスタビガの登場に、今夜のウスタビ祭りを期待しつつ
ほかの晩秋を彩る蛾たちも観察・撮影していきます。


   

ニトベエダシャク

白と黒のコントラストところころもふもふなボディが魅力です。


カバエダシャク

たくさんいました。


ケンモンミドリキリガ

淡い苔模様がきれいな蛾です。


キトガリキリガ


トビカギバエダシャク



11月も下旬に差し掛かると、街灯にいるのは小さな蛾ばかりですが、それ以外の虫もちらほら。


フタツメゴミムシ

街灯に飛来したところを捕獲。

調べてみるとこの虫は樹上性らしいです。

樹上性のゴミムシがいるなんて知りませんでした……。


ジョウカイボンの仲間(幼虫)

肉食系のイモムシです。

オサムシ?ゴミムシ?と思って調べてみたらジョウカイボンにたどり着きました。

成虫の姿は夏によく見ますが、幼虫はこんな姿をしているんですね……。


ビジョオニグモ

もう少し時期が早ければハロウィンにぴったりでした笑

かわいらしい模様をしていますが、「美女鬼蜘蛛」という実に高貴な名を持っています。

「美女」とは模様のお歯黒チックなところからきているのでしょうか。

あるいは、美しき鬼女……?

とかなんとか、乏しい古典の知識を使って妄想してみましたが、
単に腹部の緑・白・黒の色合いが美しいことが由来のようです。なんと豪華な……。



******



そんなこんなで観察を続け、時刻は22時過ぎ。

この寒さの中、さすがに独りで野宿するのは気が引けましたので、終電に間に合うよう下山しました。



おしまい。





え?







はい。結局、初めの1頭以来ウスタビガはまったくいませんでした。

この1週間後にも、4人という大所帯(?)で行ってみましたが、空振りに終わりました。

どうやら今年も時期を外してしまったようです。

テレビのニュースで暖冬と言っていたので発生が遅れてることを期待したのですが……。


出撃回数が少ないのもありますが、どうにもウスタビガは読めないです。

過去の採集記を見た感じだと、ウスタビガの高尾でのピークは11月中旬という感じがしますが……。

ウスタビガはヤママユガのように長々と発生しているわけではないので、
やはりシーズン中に何度も通わないとそのあたりは見えてきませんね。


今年に限っては、11月中旬付近がちょうど雨続きだったうえ、ウスタビガはハズレ年だった説もあるようなので、
今年は運が悪かったということにしておきます……。



来年に期待!(現実逃避)





******





ウスタビガのシーズンも終わってしまい、本格的に冬がやってきます。

冬は何しよう……。オサ掘り?フユシャク探し?

でも寒いのは嫌だし、もう冬眠しちゃおうかしら……。

でも、冬に採れる虫で興味のあるものはいるので、もしかしたら頑張るかもしれません。

もしかしたら。

もし万が一にも頑張ったら採集記を書きますのでたいして期待せずにお待ちください(謎の脱力感)











それではっ!






By がしゅん


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