(17-18.X.2015)
参加者:いーぐる
ヤママユガ科の蛾は日本に11種が生息しています。
日本産のカミキリムシ科が900種近く、テントウムシ科が約200種、クワガタムシ科が45種であることを考えても、
日本産ヤママユガ科の種数は決して多くはありません。
しかし、ヤママユガ科でおもしろいのは、個体変異が多彩であること!
どの種でも見られるような大きさや色彩・模様の変異に始まり、
ウスタビガの黒化型のような著しい変異、
ヒメヤママユの黒化型・エゾヨツメの黒化型のようにある特定の地域に多く見られる変異など、まさに千差万別です。
今の時期はヒメヤママユ!!
色・模様・大きさの変異が非常に多い種ですが、
埼玉県秩父地方〜東京都奥多摩〜山梨県周辺では黒化型が安定して現れることが知られています。
18時にバイトが終了し、翌日も13時からバイト。。。
秩父方面までは下道で100kmあるのでちょっとキツイか・・・
と思ったのですが、なんか今日は暖かい。風がない。雲が厚い。
行くしかない!
少し疲れもあったので、ちょこちょこ休憩をとりながらポイントへ。
結局、現地に到着したのは深夜になりました。
街灯を見て回ると、ヒメヤママユがたくさん飛来していました!
目的の黒化型もたくさんいます!
2015.10.18 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♂ 黒化型
ヒメヤママユの黒化型とは、通常では白色の胸の上端のラインが黒化する変異です。
胸の模様の黒化に付随して、前翅の前縁も暗色化します。
通常型と比較するとわかりやすいと思います。
2015.10.2 群馬県 ヒメヤママユ♂ 通常型
2015.10.18 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♂ 黒化型
この地域の黒化型の割合は驚くほど高く、2〜3割が黒化型でした。
黒化型は胸全体が暗色化することから、
"チョコボール" とも呼ばれているそうです。
2015.10.18 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♂ 黒化型
通常型の範疇にも、軽微な色の変異があるように 、
黒化型にも黒化度合には差があります 。
2015.10.21 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♂ 黒化型
上写真の個体は、本採集記の3日後に観察した個体ですが、
今まで自分が観察した中で、最も黒化が著しかった個体です。
2015.10.18 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♀ 黒化型
♀にも同様に黒化型が存在します。
ヒメヤママユの♀は♂に比べ、大きい、色彩が淡い、翅が丸みを帯びる等の点で区別できますが、
触角が枝状であることが決定的です。
♀も通常型と比較するとわかりやすいです。
2015.10.21 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♀ 通常型
2015.10.18 埼玉県秩父市 ヒメヤママユ♀ 黒化型
黒化型♀の色彩を見ると決して黒い印象は受けませんが、
胸部上端のラインが黒化し、前翅の前縁も暗色化していることがわかります。
この後も、街灯を数か所まわり秋の蛾を観察しました。
2015.10.18 埼玉県秩父市 アケビコノハ
後翅の派手な模様が特徴的です。
前翅は枯れ葉そっくり。
地味な前翅から派手な目玉模様が覗いたときは、鳥でなくても驚きます!
2015.10.18 埼玉県秩父市 ムラサキシタバ
カトカラ好きには人気の種類です。
2015.10.18 埼玉県秩父市 クロウスタビガ♀
少し時期が遅いかなと思っていたのですが、クロウスタビガも観察できました!
埼玉県では準絶滅危惧種に指定されています。
以前に群馬県で見たように湧いてはいません。これが普通なのでしょう。
2015.10.18 埼玉県秩父市 クロウスタビガ♀(左) ヒメヤママユ♂ 黒化型(右)
クロウスタビガは上写真と同一個体ですが、秩父らしいツーショットが撮れました!
いろいろなヒメヤママユを観察できて、大満足。
個体変異の観察には終わりがないので、毎年楽しめます。
そろそろ亜種にも手を出さねば ・ ・ ・
By いーぐる
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||