(11-12.\.2015)
参加者:がしゅん、キャプテンU、たかも酢
やままゆさんにあいにいきたい。
いつ終わるとも知れぬ雨マークの連続を眺めながら日々を過ごしていたのですが、
天気予報アプリに何日ぶりかの晴れマークがようやく現れたその日は9/11。
この日は1週間におよぶ集中講義の最終日で、次の日はバイトもなく、月齢は新月1日前。
しかも例年このくらいの時期にヤママユのピークがくるとか。
なんて素晴らしいタイミングでしょう!これは高尾に行けと言われているようなもの。
てなわけで、ヤママユさんたちに会いに久々の夜高尾へ出撃です!
内容をほとんど理解しないまま講義を攻略し(ぉぃ)、高尾山口に着いたのは19時すぎ。
そこから山道の入り口までに道端でさっそくヤママユを1頭発見。
さらに山道を登り切ってすぐにケーブルカーの駅付近で2頭を確認しました。
開始早々3頭もヤママユを見られるなんて、これは一晩でものすごい量が見られるに違いない!
そんな風にウキウキと街灯を行ったり来たりしていたのですが、
最初の勢いはどこへやら、全然ヤママユさんが見当たりません。
なぜだ……。
でもほら、ま、まだまだ夜は長いし……(震え声)
実際、これまで数回高尾に来たなかで、ヤママユを見ているのはいずれも日が変わるかどうかくらいから。
ヤママユが出てくるまでは他の虫を観察しつつ街灯巡りを続けます。
ホタルガ
キャプテンUが発見。キャプUはなぜか交尾個体を見つけるのがうまいです。
ホタルに似せた赤い頭と黒い翅とのコントラストが美しいです。
クワゴマダラヒトリ♂×3
こちらは電灯の周りにたくさん舞ってました。
黄色い首に黒い翅というのは、これまたホタルガ同様ホタルに擬態しているのかな?
と、思ったのですが、調べてみると雌雄で翅の色が異なるようで、翅が黒いのは♂で、♀の翅は白いようです。
スズメガ以外にもヒトリガを愛好する たかも酢は終始この蛾を愛でていました。
甲虫は少なかったですが、それでもまだまだいろいろいました。
ヤハズカミキリ
触角がすごく長い!!
ヒゲナガカミキリ
こちらも触角が長い。でかい。
スジクワガタ♂
とても小さい個体です。かわいい!!
こうした甲虫たちは夏を思わせますが、もう9月ということで、秋を感じさせる虫たちもちらほら。
ツクツクボウシ
ツクツクボウシが鳴くと夏も終わりらしいです。
意識して聞いたことはなかったですが、言われてみると確かにそうかも……。
カマキリ
オオカマキリかチョウセンカマキリかはよくわかりません。
サトクダマキモドキ
直翅目昆虫が跳ねまわるのをみると、やはり秋を感じます。
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そんなこんなで時間は過ぎて行きますが、ヤママユさんは現れず。
もうすぐ11時半なので、そろそろヤママユさんに会いたいなぁ……と歩いていると、
突然、キャプテンUが咳込みながら屈みはじめました。
どうしたどうした…と彼の方に目を向けると、その手に何か持っています。
そ、それは……!
ヨコヤマヒゲナガカミキリ
ヨコヤマ……!世のカミキリ屋さんたちを狂わせる(?)魅惑のカミキリです!!
僕にはイマイチ良さがわかりませんが……。
ヨコヤマが採れて、キャプテンUはとりあえずは満足の様子。
さらに、良いことは続くもので、ヨコヤマのいた場所の近くの電灯に巨大な影が!
ヤママユガ
ようやく!4時間ぶりくらいの再会です!
ボロではありますが、どんな状態であれヤママユさんに出会った時の感動は格別です!
こっから挽回だ!と思ったのですがこの後しばらく、またヤママユさんに会えない時間が続きました。
その間、空からマイマイカブリが降ってくるという珍事件に遭遇したり、
電灯にとまってるノメイガを眺めたり……。
そう。
ノメイガ!
今年に入ってから、個人的にツトガ科ノメイガ亜科の蛾たちが妙に気になるのです!
というわけで、再びヤママユさんたちが現れるまで、しばらくノメイガちゃんたちの御姿をお楽しみください!
マエアカスカシノメイガ
スカシノメイガ
クロスジノメイガ
マメノメイガ
いかがでしょうか?
小さくてかわいらしく、薄い翅が儚げで、
それぞれおもしろい模様をしていて、良い蛾たちだと思いませんか?
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こうして時間を過ごすうちにいつの間にやら日は変わり。
ふたたびあの方に出会うのです。
ヤママユガ
やはりヤママユの活動は日が変わってからが本番のようで、今までの沈黙は何だったのか、
様々な場所に突如としてヤママユさんたちが現れはじめました。
木の上に。
電柱に。
はたまた道端に。
死んだふり。
これほど多くのヤママユさん達に会うのは初めてで、もう眠いのも忘れてヤママユ探しに没頭してしまいました。
そして、これほど多くのヤママユがいればその色彩は十頭十色。
しばし、ヤママユさん達の個体変異をお楽しみください。
これらはおとなしくて撮影に協力的(?)だったコたちで、実際には、
暴れまくって撮影できないものや長竿も届かない高所にいたものなど、もっと多くの個体がいました。
結局、3時頃までヤママユを堪能しましたが、さすがに眠いのでしばし眠りに就きました。Zzz...
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4時頃、短い眠りから醒め、下山前に最後の進軍です。
が…
寒っ!!
持ってきた薄手のパーカーにジャージを着てもまだ寒いくらい。
やはり、もう夏は終わってしまったのですね……。
寒さに震えながらの進軍では、夜明けも近く寝る前ほどは多くなかったものの、数頭確認できました。
また、こんなシーンにも遭遇しました。
ひっくり返ったままアリに襲われています。
まだ息はあるようでしたが、翅もだいぶボロボロですし、
もうすぐ力尽きようというところをアリに見つかったのでしょう。
無惨な最後ではありますが、この大きな体はたくさんの小さなアリたちの糧となっていくのです。
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一通り電灯を確認した後は、展望台から日の出を見届け、下山することにしました。
昨晩山を登り始めてから下山するまでに見たヤママユは全部で22頭!
とても多くのヤママユを見れたことに満足しつつ下山しました。
帰り道にて。タマゴタケ。
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眠いしさっさと帰るべー、と駅についてみると、なかなか電車が来ない……。
まったく気づかなかったのですが、下山中にそこそこ大きな地震があったようです。
遅れてようやくやってきた電車に乗り込むと、最後の最後でキャプテンUが窓越しに何かを発見。
ヤママユガ
これで、23頭。
これにて今回の採集記は終わりです。
一晩でヤママユ23頭なんて、もう夢のようでした。
大きくて見応えがありますし、23頭もいても皆ちがう色をしているのですから全然飽きません。
ただ、写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれないですが、
これだけのヤママユがいたにもかかわらず、今回、♂ばかりで♀は見ていないのです。
あわよくば♀から採卵して幼虫を育ててみようかとか思ってたのですが……。
エゾヨツメは♀がほとんど灯りに飛来しないとは聞きますが、
ヤママユガにも同じような性質があるのでしょうか?不思議です。
また、今回の採集で思ったのが、ヤママユガが本格的に活動するのは、
日付の変わり目あたりなのではないかということ。
この時期は夏本番に比べて虫の数が少なく暇になってしまうので、
ヤママユ一本狙いであればもっと遅くからでもいいかもしれないですね……。
そして、本文中で少し触れたんですが、見られる昆虫といい気温といい、
もう夏は終わってしまうんだな、ということを実感しました。
農工大生の長い夏休みも9月いっぱいでおしまい。本当に夏が終わります。
が。
蛾。
ヤママユの季節はこれからが本番!
クスサン、クロウスタビガ、ヒメヤママユ、そしてウスタビガと、
魅力的なヤママユさんたちが次々と出てきます!
(ハグルマ……?知らない子ですね(涙目))
本当、これからが楽しみです!
俺たちの夏休みはこれからだ!!
それではっ!
By がしゅん
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