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捻じ曲げられた出会い
(5.[.2015)
参加者:がしゅん、じょえる、たかも酢










こんにちは!



たかも酢です。ずいぶんお久しぶりですね・・・

みなさん覚えてますかー?





大学生活も二年目になったと思ったらもう夏休み!

二か月もある長いお休みなので、思い切って人生初の北海道へ行ってみました。



高校時代の友達のところで数日間居候させてもらったのですが、



寒い!



友達によればもうこのまま秋に突入するだろうとのこと。



早すぎる。まだ八月ですよ・・・



北海道へは昆虫目当てで行ったわけではないのですが、

私の優しい大親友は山地の街灯まで連れて行ってくれました。




仏キャラの友達は仏キャラということです。(気にしないでください。)




ただ、いきなりやってきた寒さのせいか、一時期より蛾の数も減った模様。



とはいえヒトリガやカシワマイマイに癒されました♪




ヒトリガ

ヒトリガ




カシワマイマイ

カシワマイマイ



それにしても食べるものがことごとくおいしかったなぁ〜



ありがとうMちゃん!

今度はお鍋を食べに行こうと決めたたかも酢でした。



(完)





いや、そうじゃなくて(汗)



本題は別にあるのです。

北海道のくだりは、その、ちょっと自慢したかっただけで・・・(照)







みなさんは昆研のブログがあることをご存じでしょうか?

採集記までにはならないちょっとしたネタや、近況報告を部員が綴る場です。



いつも見てくださっている方々はありがとうございます。

今年の5月頃、私は謎の幼虫についての記事を書いたのですが・・・

コンケンブログ「だれでしょう??」



実はあの幼虫こそ私が春から狙っていたチョウ



ホソオチョウ の幼虫だったのです!



改めてその姿を見てみましょう。




ホソオ幼虫

ホソオチョウの幼虫



ナメクジのようなフォルムに2本の角が特徴的です。

ホソオチョウはアゲハチョウの仲間なので、小さいながら臭角もあります。


ホソオ幼虫



サナギは茶色でシンプルな形をしていますね。(写真下)



さて、今回はこのホソオチョウの成虫を見に行きますよ〜!





実はこのチョウ、春にも発生するのですが、

私が行ったときには一足遅く、幼虫しか見ることができなかったため

ブログで飼育ネタにしたというわけです。



飼育個体(成虫)の写真はとっくに撮ってあるのですが、

やはり草原を優雅に舞う姿を見たい!!



ということで、よく晴れた8月5日、

鱗翅好きのがしゅんくん、じょえるくんと共にポイントへ向かいました。










っと!その前に


恒例(?)の部員紹介〜★ パチパチー



じょえるくんは今年昆研に仲間入りした1年生!

実は既にベテランのチョウ屋さんなのです。


じょえるくん



愛用のポイントマップを基に色々な採集を提案してくれます。

採集に行けなかった人にいつもお土産を採ってきてくれる心優しい男の子です!




これからの活躍にこうご期待!









しばしバスに揺られ、バス停からは3人で歩きます。



私が図鑑で見て一目惚れした美しいチョウ・・・


二人にもぜひ見てもらわなくては・・・飛んでますように・・・

そう願いながらポイントに近づくと、



草むらには遠目にチラチラと白いものが見えます。



ホソオチョウです!数も多い!ワーイ\(^o^)/





注目のその姿がこちら!






ホソオチョウ

ホソオチョウ♂



早速写真を撮ろうとカメラを構えるのですが・・・



飛んでるチョウを撮るのってなかなか難しいですね

結局いい写真は撮れませんでした(´;ω;`)




ホソオチョウ



それにしても・・・美しい。



雌雄で模様が全く異なるホソオチョウ。



オスは全体的に白っぽく、墨絵のようなぼんやりした模様が上品で、

最高に芸術的!!


ホソオチョウ
(飼育♂)





メスはオスよりも黒みを帯びた不思議な模様で、

なんとなく春の女神ギフチョウを思わせます。


ホソオチョウ
(飼育♀)



そしてどちらも差し色の赤が入ることでぐっと華やかさが増しています。



美しさは色だけにとどまりません!



その形も実に素晴らしい!


ホソオチョウ
こちらはペア!(上が♀)!



ホソオチョウという名前からも分かる通り、このチョウの最大とも言える特徴、

細く長く伸びた尾状突起は羽ばたく度にひらひらと靡き

可憐で繊細な印象を与えます。



とまあ、こんなにべた褒めしちゃうくらい私としては大好きなチョウなのであります。


ホソオチョウ



うーん、留まっている姿も美しい・・・・・



私がうっとりしている間にもじょえる君はせっせと採集しています。


がしゅんくんとじょえるくん



がしゅん君は綺麗なピンク色の蛾を見つけたり・・・


ベニスジヒメシャク

ベニスジヒメシャク



私は思わぬところでコスズメちゃんを見つけたり・・・


コスズメちゃん

コスズメ 分かりますか?



このポイントにはホソオチョウの食草、

ウマノスズクサがたくさん生えています。

少し探してみると



ホソオチョウの幼虫もいます。


ホソオチョウ

ホソオチョウの幼虫



それから、ジャコウアゲハの幼虫も


ジャコウアゲハ幼虫

ジャコウアゲハの幼虫
個体によってこんなに色が違うんですね!びっくり!




卵もちらほら・・・


ジャコウアゲハ卵

ジャコウアゲハの卵


一か所に産む数だけ見るとジャコウアゲハのほうが大分慎ましやかに思えます(汗)




ホソオチョウ卵

(比較)ホソオチョウの卵(春に撮影)






ジャコウアゲハ幼虫





なんだか・・・


ジャコウアゲハの幼虫を見ると後ろめたい気持ちになってしまいます。



その理由にはホソオチョウが関係するのですが・・・・・







ご存知の方も多いでしょう。

私がさんざん愛でているこのホソオチョウ




ホソオチョウ





立派な() 要注意外来生物 なのです。



私の両親が子供だった頃なら、日本中探してもいなかったのではないでしょうか。



通説ではモラルのない一部の蝶愛好家によって

朝鮮半島あたりから持ち込まれたのが事の始まりと考えられています。





本来そこに存在しえない生物が侵入することは

その環境に大きな影響を与えることです。



この身勝手な放蝶は「放蝶ゲリラ」と呼ばれる違法行為で、

アカボシゴマダラなどでも問題となっています。




ホソオチョウ



ホソオチョウもジャコウアゲハも幼虫の食草はウマノスズクサ。



もしもホソオチョウが圧倒的に強くて

餌をめぐる争いにジャコウアゲハが負けてしまったら・・・?



在来の蝶を大切に思うのであれば違法な放蝶なんてできるはずがありません。



幸い、ジャコウアゲハは現在も日本各地で見ることができます。


あの美しい姿を未来の日本の子供たちも見ていますように・・・




ジャコウアゲハ幼虫
頑張れジャコウアゲハ!



私は子供の頃に外来生物を憎い存在だと思っていたことがありますが、

本当に憎むべきは人間の軽はずみな行動でした・・・



ホソオチョウもジャコウアゲハも、どちらも被害者ですよね。






ホソオチョウ



ああ美しいホソオチョウ・・・



日本で会えるというのはとても複雑な気分です。

採集した個体、育てた個体まで、放してあげることもできず全て標本行き・・・








少々しゃべりすぎました。





今回は要注意外来生物を扱うものでしたので、

ともすれば違法な放蝶を助長してしまうのではという懸念もあり、

採集記にするのも多少躊躇しました。



しかし、ホソオチョウが美しいのは事実ですし、

皆さんにもぜひ知っていただきたかったのです。





そして何よりも、

この採集記はむしろ見てくださる方が違法な放蝶について知り、

ご自身の行動を見直すきっかけになれば
という思いで記されたということを

ご理解いただきたいと思います。





みなさんどうぞ、モラルある虫屋ライフをお楽しみください(^−^)


人文字「ホソオ」

三人で人文字(笑)








次回、「じょえる、南の島で舞う。」

お楽しみに(笑)





By たかも酢


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