(17.X.2015)
参加者:いえう、がしゅん、たかも酢
最も美しい虫とはなんでしょう?
古来より人々を魅了してきたタマムシとか。
少年の心を惑わすヤママユとか。
旅人を導くハンミョウとか。
美しい虫はいろいろおりますが。
パピリスト(注:アゲハ愛好家のこと。空を飛ばないものだけを指す。)として、ミヤマカラスアゲハは外せないでしょう!
漆黒の翅に青や緑の輝く鱗粉をまとうこの蝶は、カラスアゲハよりもさらに美しく、
特に、春型の個体は小型ながら「日本最美」と称されるほどの煌めきを見せるといいます。
これはぜひともお目にかかりたい!!
というわけで、ミヤカラ拝みに春の奥多摩へ行ってきました。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは ホリデー快速おくたま号に乗ったと思ったら いつのまにか快速高尾行に乗っていた」
な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか乗る電車を間違えただとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
はい。乗る電車まちがえました。
企画しておきながら大遅刻です。いえう先輩と たかも酢さん ごめんなさい……。
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予定より1時間遅れで奥多摩駅に到着です。
それからバスで途中まで行き、さらにポイントまで1時間ほど歩きます。
うーむ…独りで1時間も誰もいない道を歩き続けるのはつらいものがありますな……
まぁ、自業自得、なのですが。
不幸中の幸いというべきか、前日までの予報ではイマイチだった天気はイイ感じに晴れました。
ポイントまでの道にはハンミョウが出るらしいので、
ハンミョウを探しながら歩いていると、ミステリーサークル的な何かを発見。
スズメガの紋章…?いったい何も酢の仕業なんだ……?
そんなこんなでようやく目的の林道にたどり着くと、網を持った方がちらほら。
レジャーシートを敷いて水場に張り付く方や真紅の網を持った団体さんなど、皆さん明らかにミヤカラ狙いです。
競争率は高そうですが、採集者が多いということはそれだけ期待できるということでもあります。
実際、さっき一頭目の前を悠然と横切りました。網を開いてなかったのが悔やまれます……。
さて、ひとり遅れて登場するわけですから、合流する前にせめて仕事をしておこうと、
事前にdazai39先輩に教えてもらった簡易トラップを仕掛けていきます。
スポーツドリンクとアンモニア水を撒き、さらにおとりでアゲハの形に切った銀紙をおきました。
こうしておくとチョウが寄ってくるらしいです。
dazai39先輩、アドバイスありがとうございました!
こうしてトラップを撒きながら林道を進んでいくと、ようやく いえう先輩 と たかも酢 に合流。
トラップを仕掛けてきたことを伝え、再び別れてとりあえず林道を奥までひと通り見て回ります。
適当な水場に銀紙の蝶を撒きながらふらふら歩いていると、目の前に黒い蝶が出現!
ちょうど風が吹いていて煽られるように飛んでいたのでこれはチャンス!
網を構えて怒涛の勢いで駆け寄りキャッチ!
ミヤマカラスアゲハ
とれました!
やはり春型はちっちゃくてかわいいし美しいです。
この個体は緑要素が強く、青要素が少ない気がします。
また、白帯が思ったより発達していないので、何となく地味な感じがするような、しないような。
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その後、林道を行ったり来たりしていましたが、ミヤカラどころか他の黒いアゲハも見当たりません。
他の二人に成果を聞いてみても、たかも酢が1頭採ったのみで、いえう先輩はまだとのこと。
採集者が多いから?とも思ったのですが、他の方も退屈気味に
水場の近くに座り込んでいたので、単に個体数が少ないのかもしれません。
昨年同じ場所に夏型を採りに来たときは結構な頻度で見かけたものですが……。
お腹が空いてきたので、お昼を食べながら一番大きい水場を見張ってみましたが、やはり現れませんでした。
ちなみに、すごくどうでもいいのですが、この水場にはなぜか大量のオタマジャクシがいました。
水場全体にこれ以上の密度でひしめき合っていたので、
風もないのにオタマたちの動きだけで水面が波打っていました……。多すぎでしょ。
昼食を終えたら、各々再び林道を行ったり来たりする作業に戻ります。
僕は1頭採ってとりあえずは満足なので、気になる小昆虫の写真を撮りながらふらふらしてました。
アトボシハムシ
セダカコガシラアブ
途中、たかも酢と合流したのでしばらく一緒に歩いていると、たかも酢が不意に現れた黒い蝶をキャッチ!
ミヤマカラスアゲハ
先ほど僕が採った個体よりも後翅裏の白帯が太く発達しています。
欠けのない綺麗な個体です。
僕も目の前に現れた黒い蝶を捕まえたのですが、こちらはオナガアゲハでした。
オナガアゲハ
黒くてシャープでカッコイイんですけどね…ミヤマカラスを見た後だと見劣りしてしまいます;
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追加もなくふらふらしてるうちに時間が過ぎてしまったので、帰りのバスの時間を考え
一旦たかも酢と別れ帰りのバスの時間を考えて朝ばらまいたトラップを回収しに行くと、いえう先輩に合流。
どうやら先輩もミヤカラを採ることができたようです。
これで全員ミヤマカラスアゲハを採集できたことになります。
良かった……。
その後、ひとりトラップを回収し道端の虫を眺めながら歩いていたら時刻は2時過ぎに。
シロテンツマキリアツバ
サカハチチョウ
ヒメクロオトシブミ
次のバスまで時間ギリギリかも…((((;゚Д゚))))
バス停までの長い道のりを早歩き気味に歩き、なんとか間に合いました。
今回採集した春型と昨年8月に採集した夏型との比較です。以降、左が夏型、右が春型です。
夏型に比べ、春型は後翅の赤斑が表裏ともに良く発達しています。
特に、夏型の後翅表には赤斑がほとんどないのに対し、
春型は赤斑がはっきりと出ているので、見た目の色彩に富み、美しいです。
さらに、春型は夏型よりも翅の白帯が発達するはず…なのですが……。
今回採集した個体ではよくわかりませんね……。
ただ、夏型の方がぼんやりとしているのに対し、
春型の方がはっきりした「線」になっているのはお分かりいただけると思います。
また、裏面の白帯については、後翅の方はイマイチ発達が悪いものの、前翅の方は夏型よりも太いことがわかると思います。
最後に、大きさの比較。
大きさについては、やはり夏型が圧倒的に大きいですね。
夏型の方が大きくて格好良くはありますが、春型は春型で小さくてかわいらしいです。
その色彩も考えると
色彩に富み、小さく煌びやかな春型は「可憐」
色彩は劣るものの、大きく落ち着いた色合いの夏型は「荘厳」
といった印象でしょうか。
両者にそれぞれの魅力があるので、どっちが良いかは決められませんね(笑)
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以上で、今回の採集記は終わりです。
春型の季節は終わったので、次は夏型を見に再び奥多摩で「夏の陣」を決行したかったのですが……。
結局行けてないのが現実です。今年は忙しかったんだよ…(;_;)
まぁ、ミヤカラでなくても他のアゲハはいろいろな場所で見られるので
夏型アゲハのシーズンはそれなりに楽しみました。
この採集記を書いている8月下旬、もうアゲハはあまり見られなくなってきました。
寂しいですがまた来年の春までお預けです。
が。
アゲハを大型鱗翅の昼の顔とするならば、夜の顔たるヤママユのシーズンがすでにはじまっています!
これから秋が終わるまではヤママユの仲間たちを全力で楽しんでいきますよ!
それではっ!
By がしゅん
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