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河川敷のフユシャク
(4,5,13.V.2015)
参加者:いーぐる、がしゅん、たかも酢










こんにちは!お久しぶりです!みなさんお元気でしたか?



やっとさむ〜い冬が終わっていよいよ春の陽気になって参りました!

綺麗に咲いていた大学の梅の花ももう散ってしまいます。

早く採集に行きたい!そんな私たちの気持ちに応えるように姿を現す、

虫屋に大人気の早春の蛾……それが今回狙うフチグロトゲエダシャク



通称フッチー です!



早速フッチーについて紹介したいところですが……その前に。



私が冬の間何をしていたか気になりますよね!?

そんなの知らん!という方は飛ばしてください・・・



スズメガちゃんに会えない哀しみに打ちひしがれていた私はこう考えたのです。



「スズメガちゃんに会えないなら別の蛾を探せばいいのよ」と!



私だって冬の間ずっとこたつでみかんを食べていたわけじゃないのです!



遠出こそしませんでしたが、いろいろな蛾に会うことができましたよ〜

簡単に紹介していきましょう。



先ずは越冬キリガたち

キリガの中には成虫の姿で越冬するものがあり、

糖蜜のトラップを仕掛けると集まってくることがあるのです。

初心者の私は、見よう見まねで糖蜜を作り、手当たり次第樹に吹きかけていきました。



最初は全く採れなかったのですが

少し場所を変えると一気に集まるように!


越冬キリガたち

越冬キリガたち

今期は数回しかできませんでしたが、また冬が来たら挑戦したいです。





そして冬の蛾と言えば!!フユシャク!!



もちろん私も探していましたよ

小さくても魅力いっぱいの蛾です。



フユシャクというのはシャクガの中でも成虫が冬に活動するものをまとめて呼ぶときの名称で、

エダシャク亜科、フユシャク亜科、ナミシャク亜科に含まれているようです。



ひと括りにフユシャクといってもそれぞれ見た目や特徴が全く違って個性的!



季節の移ろいが分かりにくい冬ですが、

見られるフユシャクたちは段々と変わっていきます。

今回は私が撮り貯めたフユシャクたちを大放出〜


フユシャク1  フユシャク2

クロスジフユエダシャク?




フユシャク3

イチモジフユナミシャク?




フユシャク4



ヒロバフユエダシャク




フユシャク5

ウスバフユシャク(っぽい)



見ていて気づくかもしれませんが……

全然メスに会えない!!



オスは光に寄ってくることもあり、比較的発見しやすいのですが、

飛ぶことができないメスは話が別です。

探し方が悪いのでしょうか…


フユシャク6


電話ボックスはオスを見たい方におすすめ!



フユシャク7



らいとくんが見つけてくれた(ウスバフユシャクっぽい)メスは見ることができました。ありがとう!

いちいち同定に自信がなくて申し訳ございません・・・



そして今回面白いと思ったのは、フユシャクの口吻……


フユシャク8 フユシャク9

シモフリトゲエダシャク

フユシャクは口吻がほとんど退化していて、成虫は何も食べないと聞いていました。

だからこそ糖蜜を使った採集ができず、探し回るしかないのです。



しかし、私の手の上にのせて観察していると……

なんだかペロペロなめられているような気がする……



よーく見ると口吻の名残のようなものがあるんです……


フユシャク10





試しにクワガタ用のゼリーの上にのせてみると、

やっぱり口吻の名残でなめるような仕草をします……


フユシャク11



口吻の名残には何かを感覚する機能が残っているのでしょうか?



消化器官が残っていないならこの行為は無意味なように思えます。

ただ私が勉強不足なだけかも知れませんが

これについてはよくわかりませんでした……



もし何か分かったら報告したいと思います!










さて!長〜い前置きにお付き合いいただきありがとうございました(;´∀`)

ようやく本題に入りたいと思います!



フチグロトゲエダシャクとの出会いのエピソードです。


イラスト1



虫屋の方にはしばしばフッチーと呼ばれて親しまれているこのガですが、

フチグロトゲエダシャクはフユシャクの仲間で、時期としては一番遅くに出てきます。

フッチーがいなくなるとフユシャクたちとはしばしの別れ、春もすぐそこといった感じでしょうか。



見た目はというと、オスは上品な触角、翅の模様がとても美しく、

メスはぽってりとしてとても可愛らしいという、

フユシャクのラストを飾るに申し分のないルックスをしています!



そして!今回最大のポイントは、フッチーが活動する時間帯と場所!!

フッチーが活発に飛び回るのはお昼頃の河川敷です!



つまり、私のようなか弱い乙女()でも!

自転車で!一人で!採集に行くことができるのです!!



これは・・・会いに行くしかない・・・

行かねばならない・・・

そう決意した私は、人知れず多摩川へ向かったのでした。



多摩川へは大学から自転車で行くこともできます。

できますが・・・意外と疲れますね。



か弱い乙女()は多摩川に着いた時点でヘロヘロです。


とりさん





でも休んでばかりいられない!

もうすぐ午前11時。

フッチーは元気に飛んでいるはずです!


イラスト2



さあ!気合いを入れてフッチーを探しますよ!



30分後、、、


イラスト3



そうです、いないんです。

といっても30分しか探していませんが・・・

もっとあっさり見つかるものだと思っていました・・・・・

多摩川ならポイントとか特に絞らなくてもほいほい飛んでいるものかと…


枯れ野原





私の考えが甘いのですね。

今日は天気も良いのになぁ……



そんな風に視線を草むらから上に移した時。


イラスト4


イラスト5



?……?……



今私の視界を掠めていったのは?……何?



え?フッチー???

この時期この場所で飛んでるあのサイズの虫っていったらフッチーくらいしか……



なぁんだ……意外と上の方を飛ぶのね……

っていうかそんなことより何よりも、


イラスト6



そうなんです、ものすごいスピードなんです……



蛾の飛び方と思えないですよ。

この日は風が特別強かった訳でもないのに……

これは覚悟してかからなくては!!



今さらですが急いで網を広げます。


枯れ野原2



しばらくすると再びフッチーらしき姿が!!

しかし残念……やはりすごいスピードで飛んでいってしまいました。



私の方はというと、まとわりつく草やぬかるみのせいで足場が悪く、素早い動きができないのです。

(ここでは敢えて私の運動神経の悪さについては言及いたしません。)


イラスト7



結局、この日は5回ほどあったチャンスをものにすることも出来ず、その姿さえまともに見ることなく、ただ疲れ果てただけでした。



やっぱり一人で採集というのは採れないときに辛いですね……

苦し紛れにたまたま採れたモンキチョウをカメラに納めて多摩川をあとにしました。


モンキチョウ










−翌日−



あー、筋肉痛が……



午前11時。多摩川に着いた頃には昨日の倍近い疲労を感じていました。


枯れ野原3



予定がなくて天気もいい日というのはなかなかあるものではないですね。

まさか2日連続で来ることになるとは……



今日は北風が強いので、晴れていても最高のコンディションとは言えません。

探し始めて10分くらいのころでしょうか。

フッチーが視界を横切りました。



相変わらず採れませんが、すぐあとに再び別のフッチーが飛びます。

なんだか数が多い!これなら「数打ちゃ当たる」可能性が?!



格闘すること数分、ついに……





イラスト8



嬉しいいいい!!




念願のフッチー

フチグロトゲエダシャク♂


念願のフッチー@部室

部室にて


ふわふわしていて可愛らしく、翅が美しい……

これがフチグロトゲエダシャク……

体に鞭打って来た甲斐があるというものです!



1頭でも採れさえすればやる気も倍増!

追加を狙ってみると1時間くらいで3頭も採れました!

昨日に比べればすごい進歩です。


フッチー





それにしても今日は本当に数が多い!!

ほぼ常に視界にフッチーが飛んでいる状態です。

よりピンポイントでたくさん発生している場所を探し当てたのかもしれません。


イラスト9



正にフッチーの秘密の園……幸せです。

しかし!肝心なものを忘れている!



そう、メスに会っていないのです。

フユシャク最大の特長とも言えるその姿。

オスが飛んでいく先を頼りに草を掻き分けて探します。



うーん、いない!オスを追いかけるだけで大変なのでなかなか見つかりません……

その後2時まで粘ったのですが、ついにメスは見ることができませんでした…



春休み中にもう一回くらい来ようかな、とぼんやり考えながら家に帰ったのでした。


ナナホシテントウ












−約1週間後−



ああああああー!早くしないとフッチーがいなくなってしまう!

と、いうことで!三度目の挑戦!



しかも、今日は1人じゃないのです。

心強い助っ人、がしゅんくんが来てくれました〜パチパチ!


イラスト10



がしゅんくんは特に同期の中でも鱗翅の魅力を分かってくれる貴重な人物です。

(でも毒舌です。)



しかし人を誘うというのは案外プレッシャーのあることで…

採れなかったら申し訳ない……

まだフッチーはいるだろうと思いつつ、あれから1週間経っているので少し不安です。



さて、多摩川に着きました。

今日は風が強いです。

探してみると前回よりかなり少ないですが、いることにはいました!

よかった…がしゅんくんもフッチーを探します。


がしゅんくん





意外とあっさり採ってしまうのだろうかと少しどきどきしていましたが、

がしゅんくんもフッチーの速さに驚いているようでした。



しばらくすると私の後ろでひゃあ〜(ふぁ〜?)という声。

留まっていたフッチーをがしゅんくんが見事ネットイン。


捕えられたフッチー



よかったね!!



カメラを向けると珍しくスマイル(ややどや顔)をピースつきでキメてくれました。


イラスト11

やっぱり一緒に採集する人がいてくれるというのはいいですね。

喜びを分かち合えるって素晴らしいです。(しみじみ)



その後メスを探していたのですが、今日は手掛かりとなるオス自体が少ない…

もうお昼が近いです。

そうこうしているうちに本日私たちと合流することになっていたいーぐるさんがやって来ました。


イラスト12



ヤママユのことならこのお方。写真を撮るのがとても上手な頼れる先輩です。

いーぐるさんはまだフッチーを見ることができていないとのこと。


いーぐるさん



3人で探せばメスも見つかるかも!という期待があったのですが・・・

残念ながらがしゅんくんと私はここでタイムアップ。

今シーズンのフッチー探しはメスを見ないままこれで最後となりました。



ちなみにその後残って探していたいーぐるさんもフッチーを採ることができたそうで、よかったです。

ほとんど一緒に採集できなくてすみませんでした。



そしてがしゅんくん、忙しい中来てくれてありがとう!



来年機会があれば今度こそメスを見たいと思います!


フッチーのキメ顔








さて、今回の採集記・・・いくつか落書きのようなものがありましたが、

あれは写真不足を恐れて描いた私の手描きイラストです・・・

お目汚し失礼しました(似顔絵も似ていない笑)



しかも、今回かなり気合を入れて採集記を書いたのですが、

張り切りすぎてこんなに長くなってしまいました

次はもう少し力を抜きます(笑)



こんなことをしているうちにもう桜が散ってしまった・・・(汗)

早く春の三大蛾を見に行かなくっちゃ!



次回、「がしゅん、似顔絵にダメ出しをする」

お楽しみに!





By たかも酢


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