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四国のコルリを求めて
(29-30.XI.2014)
参加者:かっきー





日本産ルリクワガタ属の全種全亜種コンプリートまで、残すは以下の6タクサ。

シコクコルリクワガタ Platycerus takakuwai namedai
キンキコルリクワガタ Platycerus takakuwai akitai
キュウシュウコルリクワガタ Platycerus viridicuprus kanadai
キイニセコルリクワガタ Platycerus akitaorum
キュウシュウニセコルリクワガタ Platycerus urushiyamai
ウンゼンルリクワガタ Platycerus delicatulus unzendakensis

今回はこのうち、頂きものなどを含めても♂の標本を持っていないシコクコルリクワガタを狙って、
徳島まで遠征することにした。
まずはタイプロカリティで採集し、その後は別のポイントに行くか、
ニセコルリのタイプロカリティや吉野川を挟んだキンキコルリのポイントに行っても面白そうだ。
経済的な問題で直前まで実行できるか不透明だったが、無事に予算を確保し、
金曜夜の夜行バスで徳島へ移動。
安い便なら新宿から片道6000円程度と手ごろな値段で、寝ている間に移動できるためとても便利である。



まだ真っ暗なうちに徳島駅前に到着。四国に来るのは1年半ぶり、2回目となる。
レンタカー屋が開くまでファストフード店で時間を潰し、車を借りたらいざ山へ。
四国の道は、国道であっても細く路面状態が悪かったりして走りにくい場所があり、林道のようだ。

弱い雨が降り始めた中、無事に採集地に到着したが、林道は通行止めとなっていた。
仕方がないので、ゲートの前に車を停めて歩いていくことに。
ゲートの前には、既にレンタカーが一台停まっていた。まさか虫屋だろうか…?

斜面に入ったのは10時頃。
早速産卵痕を見つけたものの、数は少なく幼虫すら殆ど出てこない。
巨大な赤枯れ材があったので割ってみるが、出てくるのはマダラばかり。



比較的珍しい、ツマグロコメツキも採集できたが、ミナミツヤハダは幼虫すら出なかった。



林道を挟んで反対の斜面に入ってみると、すぐにシコクコルリの成虫が出てくれた。



この個体は♀で、同じ材から出た♂は残念ながら潰してしまった。
こちら側の斜面には多そうなので、谷を降りてひたすら落ち枝を探していく。



どうやら局所的に濃い場所があるようで、幅数mの範囲内からかなりの数を割り出した。
問題は出てくるシコクコルリの殆どが幼虫で、成虫はなかなか姿を見せてくれないこと。
かなり古くボロボロの材を崩しても、出てくるのは幼虫ばかり。



それでも、夕方までにはある程度数の成虫の姿を拝むことができた。
渋い色合いで比較的小型のコルリだが、派手なユキグニコルリなどとは違った魅力がある。










少し標高を上げてニセコルリも狙ってもよかったが、
今回の最大の目標はこのシコクコルリだったので、この日はシコクコルリだけに絞ることにした。

車に戻り、少しだけ車で移動して別のラベルを狙ってみたが、こちらでは僅かな幼虫しか得られなかった。
やはり、濃い場所と薄い場所がはっきりと分かれているらしい。

暗くなり始めたので温泉に向かい、ゆっくり休みながら明日の採集計画を練る。
別の山のシコクコルリを狙いに行ってみてもよかったが、
去年は時期の問題か幼虫しか得られなかった、タイプロカリティのニセコルリも捨てがたい。
香川との県境あたりで採れるという、四国のキンキコルリもせっかくなので採っておきたい。
悩んだ末、朝はニセコルリとミナミツヤハダを狙い、昼頃に移動して午後はキンキコルリを狙うことにした。
そうと決まれば、夜のうちに移動しておいた方が時間のロスが少ない。
夜の山道を飛ばし、11月末の標高1400mで車中泊することとなった。
星が綺麗だったものの、とても寒かった…

ちなみにゲートの前にいたレンタカーは、
なんと同じくシコクコルリを狙いに来ていた愛媛大の知人2人組だったことが判明。
採集中に会うことはなかったが、四国まで来て知人とニアミスするなんて驚いた。

2日目の朝、寒い中体に鞭打って起床し、採集開始。
相変わらずツヤハダはさっぱり出ず、ニセコルリも少ない。
採れることは採れるのだが、何故か成虫は♀ばかり。



結局、そこそこの数の幼虫と成虫♀は得られたものの、♂の姿を見ることなくタイムアップ。
山を降りる途中、シコクコルリがいそうな標高で環境の良い場所を見つけたので少し探してみるが、産卵痕すら確認できなかった。
昼前には細く曲がりくねった国道を下っていき、吉野川を渡った対岸の山を目指す。

カーナビがなかなか酷い道を案内してくれたおかげで苦労したが、13時頃にはキンキコルリのポイントに到着。
あまり時間も残されていないので、早速採集を開始する。
このあたりはまだ鹿が入っていないそうで、下草が茂っており環境が良い。
しかし、何故か産卵痕を見つけるのにも一苦労。個体数の少ないポイントではないはずなのに…
何とか良い感じに朽ちた枝を探しだし、少しずつではあるが幼虫を回収していく。



やがて成虫も出たが、午前に引き続き♀。



その後、成虫を追加するもまたもや♀。
夕方からは雨が降り出したため、結局♂を見ることなくギブアップ。
幼虫はそこそこ採れたので、羽化するのを楽しみに待つことにしよう。
それにしても、今日は2種とも♀しか採れなかった。どうにも私はルリ属を採集する際、♀に偏ることが多い…

徳島駅まで戻り、バスの待合所でシャワーを浴びてからマッサージ椅子に癒されながらゆっくり過ごすことに。
当日のバスの利用者であれば無料で利用でき、とても良いサービスだと思う。

夜にはバスに乗り、翌朝は1限の授業があるので夜行バスを降りた新宿からそのまま大学に向かった。
週末遠征でも2日間フルに採集に使えるのが、夜行バスの便利なところだ。

今回の最大の狙いは無事に採集できたが、四国ではまだまだ採りたい虫が多い。
そう遠くないうちにまた来ることになるだろう。

By かっきー


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