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冬の夜高尾
(22-23.Ⅺ.2014)

参加者:がしゅん、すいみ〜、たかも酢


夜高尾。

それは、昆研部員たちが楽しみにしてやまない夏の定番採集。

クワガタやカミキリなど、夏を代表する虫たちを夜を徹して採集するのです。
それはもう楽しいこと楽しいこと。

しかし、夏なんてものはもう忘却の彼方。
この寒さのなか虫など現れるはずもなく。
夜高尾は来年までお預けです。


と、思いきや。


何を血迷ったのか、この日、夜高尾へと赴く者が約3名ほどいたのでした。


連日の凍える寒さを知りながら、わざわざ夜高尾に来たのは、もちろんそこに虫がいるから。

その虫の名はウスタビガ
秋の終わりを飾る美しいやまままゆさんです。

11月も下旬ということで、遅いかな?という不安もありましたが、
どうしても会いたかったので、すいみ〜、たかも酢とともに、ウスタビガ求めて高尾に行ってきました。






時刻は18:00。

すいみ〜はすでに明るいうちから他の甲虫などを採集にきているようなので、
たかも酢とともにケーブルカーでポイントまで登ります。
ウスタビガのピークの時間はもう少し遅くなってからのようなので、こんなに早く来なくてもよかったのですが……



ケーブルカーの最終が18:00だったのです。



足で登るのはつらいじゃん?

というわけでちょっと早めですがポイントへ。

ポイントについたら、すいみ〜と合流し準備を始めます。

すいみ〜によれば、思いのほか同業者が多いとのこと。
倍率は高そうですが、今日は新月のようですし、期待が高まります。

準備ができたらさっそく街灯巡りへ。


・・・・・・・・・


・・・・


・・


ウスタビどころか虫が全然いねぇ……


「冬の夜高尾はすぐに飽きる」とは話に聞いていましたがこれほどまでとは……

はやくも全員のテンションが下がり始めます。

まぁ?まだウスタビ時間じゃないし?はじめから飛ばしてても仕方ないし?ちょっと休んでく?

とかなんとかいって1時間ほど今日の本拠地と定めたベンチで休みます。


そして20時頃に活動再開。

今までは赤いライトを持った野生動物観察の方が多かったのですが、
この頃になると網を持った採集者が増え始めます。

やはりこのくらいの時間からがピークなんでしょうか。

期待に胸ふくらませ歩いていると、すいみ〜が本日初の昆虫を発見!


ゴミムシの一種


昼から来たにも関わらず、紅葉狩りの登山客の多さに圧倒されて採集どころではなかった
という すいみ〜 は、これでも満足!と、待望の虫に大喜び。

その後もいくらか昆虫が見られました。


 

クサカゲロウの一種                            コブハサミムシ



しかしウスタビガは現れず……。

落胆し再び本拠地のベンチで歓談していると、街灯の下にタヌキが。


かわいい……


たかも酢はかわいいたぬきさんを激写しようと影から影へ、忍者のごとく慎重にタヌキに接近していきます。

が、その後タヌキの方からこちらに大接近してきたため、たかも酢の慎重な接近は徒労に終わりました(笑)


タヌキ

落ち葉の下にある何かを食べているようでした。

それにしてもこのタヌキ、食べることに夢中になっているのか、
それとも人には慣れっこなのか、全然逃げません。

逃げていかないのを良いことに、本来の目的を忘れ、しばしタヌキを愛でる会が開催されました。


******


たぬきさんが暗闇に消えていったので、再び街灯巡りへ。

しかし、相変わらずウスタビガの姿は見当たりません。つらい……。

苦しみに耐えながら歩いていると、くぐると苦しみから解放されるという「苦抜け門」なるものを発見。

これは…くぐるしかない!!


ウスタビガに会えない苦しみから解放されようとする すいみ〜

心なしか、少し苦しみから解放されたところで元気に(?)採集に戻ります。


******


結局、ウスタビガは見られませんでしたが、少し気になる蛾が。

マエアカスカシノメイガ

鱗粉が薄いようで、翅が透けています。

個人的には、鱗翅目のくせに鱗粉が薄いあるいは無いチョウ・ガは大好きです。
ウスバシロチョウとかオオスカシバとか。

特に、鱗粉が薄いものは、どことなく儚げな印象を抱きます。


それから、透けるはずのないものが透けるって魅力的ですよね。

なんでもないです。


ちなみに、このコはこの後、夜が明けるまでずっとここにくっついておりました。

光走性って大変ですね……。


******


この後も、ウスタビガは得られず。

ここで気づいてしまったんですが、あんなにいた採集者の方々が全く見当たらなくなってしまいました。

時刻はもう日が変わろうかという頃。
みなさん見切りをつけて帰ってしまったんでしょうか?

やっぱり時期が遅かったか……?

半ば諦めムードでベンチに座り、虫とは全く関係ない話に花を咲かせます。


******


ひとしきり話したあと、1時頃には たかも酢が就寝。

これで採れなきゃ俺も寝てしまおう……と、すいみ〜とともに再び街灯巡りに向かいます。

とはいえ、ウスタビガの死骸すら見ることはなく。

街灯に来ていた見慣れないシルエットの虫を捕獲したのみでした。

アメバチの一種



そのまま、たかも酢眠る本拠地へ帰還。


あぁぁ〜ウスタビガ出て来いよぉぉぉ〜〜


と、ウスタビガが飛び出さないか、街灯周りの木の枝をヤケクソ気味にバシバシ叩いていると、通りすがりの採集者さんAが。

成果を聞かれ、
だめです。今年はもう終わりなんですかねぇ……
なんて話をしてAさんと別れようとしたとき


Aさん「あ」


? ? ?


がしゅん「あ!」
すいみ〜「あ!」
 たかも酢「Zzz...」


その視線の先には……


ウスタビガ♀

ついに!念願のウスタビガです!!

さきほどのヤケクソビーティングで落ちてきていたようです。
いたとしても飛び立つものと思っていたので、上ばかり見ていて気づけませんでした……。


さてさて、ついに登場しましたこのウスタビガちゃん。

少々ボロですが、♀特有のこの鮮やかな黄色の翅はやはりとても美しい!

そして見るからに暖かそうなもふもふの胴体!!


すばらしいです!!!


男たちのタダナラヌ様子に、たかも酢も起きだしてきて念願のウスタビガを観察します。

時刻は2:30。ついに姿を現したウスタビガに全員やる気が再燃。


メスがいるならオスもいる!


と、さきほどのヤケクソビーティングに倣い、あらゆる街灯の周りの枝葉をバシバシ叩いて回ります。


バシバシバシバシバシバシバシバシ


バシバシバシバシバシ


バシバシバシ


・・・・・・


結局、追加は得られませんでした。

小・中型の蛾が少し見られたくらいです。

カバエダシャク

 

ナカジロネグロエダシャク                           ハガタクチバ   




正直、もう寝てしまってもよかったのですが、

時刻がもう4時近くなってしまっていたこと
念願のウスタビガに興奮し目が覚めてしまっていたこと

から、捕獲したメスを使った簡易フェロモントラップ的な作戦
すなわち、囚われの姫を救え!大作戦でオスの飛来を待ちながらおしゃべりタイムです。

まぁ、結果的にオスは飛来しなかったのですが……。


******


さて、やうやう空が白みはじめてきました。

ウスタビガのオスは明け方にもよく飛ぶとのことなので、オスを狙って最後の進軍へ。


結果からいえば、オスは見られなかったのですが、少し奇妙な現象を目撃しました。

ある1本の電灯にだけ、やたらとハチが飛んでいたのです。


電灯の下にもたくさんのハチが落ちています。
黒い点はすべてハチです。

クロスズメバチ

どうしてこのような現象が起きたのかはよくわかりません。
単純に、その電灯のすぐ近くに巣があったのかもしれません。


疑問を残しつつも、日の出を拝んで下山しました。







高尾ではあまりウスタビガの写真を撮れなかったので、帰宅後じっくり撮影しました。


手乗りうすたび。

かわいい。

正面からお顔拝見。

かわいい。

横から。

もっふもふです!ぬいぐるみ化が待たれます。


なんたってヤママユの一族ですからね。もふかわなのは当然です(*´ω`*)




******




さて、今回の採集、結局ウスタビガは1頭しか採れず、
その他の虫もあまりいない、という退屈なものでしたが……

まぁ、なんだかんだ楽しかったです。

思いの外寒くなかったというのもありますが、

タヌキにも会えましたし、

学科が違って普段はあまり話さない すいみ〜、たかも酢ともおしゃべりできましたしね。


ただ、今回見られたのは♀だけで、より翅が茶色い♂は見られていません。

今年の発生はもうおしまいのようですので、また来年、もう少し早い時期に高尾でリベンジしたいと思います。

願わくば、また すいみ〜 や たかも酢と一緒に。

そして、まだ見ぬ後輩たちとともに。
(鱗翅好きが入ってきてくれるといいなぁ)

また行きましょう、冬の夜高尾!

それではっ!






By がしゅん


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