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そうだ、避暑地へ行こう

―単独北関東―

(3-4.].2014)

参加者: dazai39


いつも通り、更新が遅れています…

同じ目的の活動記録が多いため、挙げようか迷ったのですが

一応記録として書いておきます


シーズン直前になると思いがけず、矢鱈見たくなる種類が結構いませんか?

私は元々クワガタやらカブトムシの飼育から始め

大学1年はタマムシなどの甲虫をメインにしていたのですが

大学2年以降は鱗翅目、特に蝶を主対象にすることが多くなりました。

(同学年で鱗翅目をやる人がほぼ居なかったこともありますが)


蝶の場合、春から初夏までは対象が増えてゆくので面白いのですが

盛夏から次第に種数は減少し、私の場合この時期は殆ど狙って出かけることがなくなります。

そこでこの時期はカミキリをやってみたり、

はたまた同じ鱗翅目である蛾の類を見に行ったりするわけなのです。


昨年はじめて見たムラサキシタバは、あまりきれいな個体ではなかったのですが

8月の終わりになると青色の金属光沢が無性に見てみたくなり、

9月の初めに家族旅行で群馬北部、浅間山麓の別荘地へ訪れた際

一人で夜間、街灯めぐりをしたものの強い雨のため影も形もない…

ヒヤッとさせられるシロシタバ1匹だけでした。





時は流れて10月

いーぐる一行がクロウスタビ採集で同じく関東北部に行った際

相当の成果を上げたと聞き、私も行って見ようか考えたのですが

時期的に9月のリベンジをしようと思い立ち

一人避暑地に舞い戻りました。



大学を出発したのが金曜日の2時半頃。

所沢ICまでの道が夕方は異常に混むので

碓氷軽井沢ICに着いたのは18時ごろ。

ここから目的地までは駅前を経由して

山道を1時間半ほど走る必要があります。

したがってライトトラップをしようと思った場所にたどり着いたのは

7時半ごろになってしまいました。


因みに、ライトトラップの場所選びやその他採集ポイントの開拓では

航空写真が使えることが多いです。

今回選んだ場所は、前回の旅行で地理感覚があったことと、

また航空写真で開けた渓流沿いの駐車場が見えたことから選びました。

流石に到着したのが夜間であったため、周囲の樹木は種類が判りませんでしたが

クロウスタビガが食樹とするキハダは一般的に渓流沿いに多いことから

少しは生えているだろうし、またムラサキシタバなどのカトカラは飛翔能力が高いため

標高1000mを超えていれば食樹となるヤマナラシやドロノキなども

周囲に生えている可能性はあるため期待できると考えました。

kuro_7.jpg

(明るい時はこのような風景。下には渓流があります)



また昆研で使用するライトトラップは、300Wの水銀灯と20Wの蛍光灯2つです。

ここで使う「蛍光灯」はコンビニなどで夜間青白く光っている「誘蛾灯」(補虫灯)で

ブラックライトよりも安価で入手でき、紫外線出力も中々高いようです



設置して暫くすると

地面すれすれにヒメヤママユ進んできます。ヒメヤママユは点灯後10分もすれば

10匹程飛んでまいりまして、それに紛れてクスサンも飛来します。

ただし、標高が高いせいか、ヒメヤママユの方がクスサンに比べ多くなっており、

標高を下げて燈火めぐりをするとクスサンが主体でヒメヤママユが少数派になります。

暫くは下の街灯を廻りますと、シロシタバやカブトムシなどが歩いていたり、轢かれていたり…

10月の標高800m付近では、まだカブトムシ♀は健在のようです。

1時間間隔でライトトラップを見に行こうと決め

標高をあげて駐車場に入ってみると、ヒメヤママユの量がさらに増えています。

小さな羽蟻程度の虫が溢れかえる中、良く見てゆくとヒメヤママユ程度の大きさで黄色い蛾が居りました

クロウスタビガでした。

更に反対側に回ってみると、シーツにもう一匹付着しておりました。

思いがけずクロウスタビガが得られ嬉しい驚きですが、時間はまだ9時。勝負はこれからです。

kuro_1.jpg



9時時点、標高1000m程度で気温は17度。中々この時期にしては良いのではないでしょうか。

また月齢は上限の月程度ですが曇り空のため影響されず。曇り空は放射冷却による気温低下が避けられる分、

ライトトラップにはもってこいです。


1時間毎見回る、と言いながらも、少し遠出したりポイント開拓しようとしたりで

目ぼしいものは得られぬまま11時になりました。

トラップの設置場所に行って見ると灯が消えており、もう少し早く戻る必要があったようです。

一応周囲を確認してみると、いました。

シーツにムラサキシタバクロウスタビガ♀が付いていてくれました。

ヤママユ系統の♀は中々飛来しない種類も多いようで、この種も例外ではないそう。

ただし、ヒメヤママユに関しては、雌は一匹もおりませんで、時期のような気も致します。

クスサンは♀も多いですね。


普段メガネをつけない身としては、運転の時だけメガネを付けることで異様に目が疲れる為

暫くライトトラップ周辺で待ってみたりします。

しかし午前2時くらいまで待っても一向に変化はなく、

行きにも通り、9月から気になっていた長野と群馬の避暑地を結ぶ山道にある「商店」へ

途中街灯を見て行きますが車窓から見て目ぼしいものはおらず

ポイントへ到着したのは午前4時。

車を止めて直ぐに判りました。看板にムラサキシタバが付いています。

直に逃げたりしないので周囲を見てみると

…凄いぞ、この商店!! 売り切れてなかったか!

もう一匹ついていました。

kuro_5.jpg

(夜間異様な光を放っています。)



この時期は午前5時で夜が白み始める為

すっ飛ばしてライトトラップの場所に舞い戻ります。

1時間程度で戻ることが出来、駐車場に入ると既に灯は消えていました。

今回は発電機の調子がいまいちです(斜めの場所でやった為かもわかりませんが)

kuro_3.jpg

(既に灯は消えており、それでも蛾が付いていました)


ただし、2度あることは3度ある

誘蛾灯にクロウスタビがペアで付いており、最後の最後まで楽しませてくれました。

kuro_2.jpg




中々充実した成果に満足しつつ、機材を仕舞い込んでいると

燈火に飛来した蛾たちが飛び去ってゆきます。

朝方は10度を切っていたようですがそれでも飛べるのが不思議です。

日が昇ると1か月前に比べ大分紅葉が進んでいることが判りました。

kuro_8.jpg



峠を越え、高速に乗り、機材を下したのち帰還しましたが

この1週間後に「ある経験」を経た今、改めて考えれば

もう一日粘り、午後5時半くらいからライトトラップをすればよかったのではないだろうか…

などとも思ってしまいます。

蛾の場合、月明かりがあると大幅に飛来数が減少するようで、

今回は月の影響が少なかったため様々な時間帯に飛来したのかもわかりません。

いーぐるとの採集行では満月に近かったため飛来数が特定の時間帯に限られた感は否めませんが

活動時間というものもあるでしょうし、月の影響で変化を受けるのかもしれません。

まだ色々条件を探ってみる必要がありそうです。

とはいえ、普通に考えてもミーハー所では相当の成果があったので良かったです。

余り写真は多くありませんが、少しだけ気付いたことやライトトラップについても書いてみました。

参考になれば幸いです。



by dazai39

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