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〜2014年9月沖縄遠征 2日目〜

〜やんばるの ゆかいな なかまたち〜
(26-27.\.2014)
参加者:かっきー、キャプテンU、みむさん、らいと
ゲスト:Lynxさん



シューーーーーテュィーーシューーーーーーーテュィーー…


あっ、目がさめた。外明るい。7時半か。3時間しか寝れてない…


hシューーーーーーテュィー…シューーー


・・・?


音源を辿って宿泊施設の外に出ると、既に起きていたキャプテンUがセミの鳴き声だと教えてくれた。

寝ぼけてた俺はきかんしゃトーマスのいびきか何かだと思ったんだけど←

申し遅れました、今回が沖縄デビューのらいとと云います。

一番好きな虫はクモ、標本箱は脱け殻だらけという変な新人ですがお読み頂ければ幸いです。

今日もいろいろ会えるといいな!



というわけで宿泊施設周辺を散策。さっそく林内の粘土質の斜面に何かを発見。

モウセンゴケ

コモウセンゴケ

土地が痩せているのか?野生の食虫植物を始めて見た!何もくっついていなかったけど。

ミズスギ

ミズスギ

散策していたLynxさんにモウセンゴケの話をすると、こいつの居場所を教えてくれた。

スギの苗のような見た目だけど、つる植物のように林床を這い回り、分類上はシダの仲間という変わり者。



その他に見つけた主なものがこちら。

トビナナフシ ナガマルコガネグモ リュウキュウアブラゼミ

ニホントビナナフシ(旧名リュウキュウトビナナフシ)♂        ナガマルコガネグモ♀              リュウキュウアブラゼミ♂




 

キャプテンUと一緒に水場に行く。

昨晩ヒメハブとかヤマガメとかオカヤドカリとかを確認しているので、水辺環境への期待が高まる。

粗朶の沈む浅瀬をキャプテンUが掬ってみると…

漁獲

イトトンボ科の幼虫とゼブラ・ダニオ

緑の体色は水草や藻への擬態だろうか。

水際でこんなものも拾った

羽化殻

オオヤマトンボ羽化殻

日本産トンボ目で一番欲しかった脱け殻や!

立体的な箱舟型の胴体。返し棘のある背面。アシンメトリーで鋭い牙を備えた大顎。

凶悪そうな面構えがカッコいい!!

因みに、脚に付着している、うすぎたなめの白い球体…

ゴミかと思って放っておいたら、後日クサカゲロウの成虫が出てきた!繭だったのか



宿泊施設に戻り、メロンパンと黒糖菓子のジャンクな朝餉を済ませ、

バナナトラップを仕掛けに車で林道へ。

クワガタは獲れるのか?

森

ヒカゲヘゴの生い茂る森


よさげなポイントにトラップを設置しつつ、虫を探す。

チョウ1 チョウ2

ツマムラサキマダラ                     クロアゲハ

このほかにイシガケチョウなどもいた。この林道はチョウが多い。それも大きくて綺麗なのがたくさん。

南国の楽園って感じ。植物相も多様だからだろう。

花

ハイアワユキセンダングサ

ハチや鱗翅や半翅や甲虫がひっきりなしに訪れる人気レストラン。

ただ、種子は所謂「ひっつき虫」で、服に刺さると痛い


トカゲ

オキナワキノボリトカゲ

低木の幹にへばりついてた。爬虫類好きのみむさん大喜び。

見た目イグアナなのに手のひらサイズってとこがいいね!



バンビ

ヤホシゴミムシ

林道脇の低木に飛来した。ゴミムシだけど樹上生活者。飴細工のバンビちゃん。


枯れ木

枯れ木

林道にリュウキュウマツ(?)の枯れ木が倒れている。

樹皮をチェックするかっきー先輩。見つけたのは…

箸置き

サツマウバタマムシ

いぶし銀の風格。いいデザイン、箸置きにしたいな。

タマムシは枯れ木の中で羽化した後、脱出に失敗してそのまま死んでしまうものが多いらしい。

この体型を見る限り、顎の可動範囲の狭さと胴囲の大きさ故だろうか?



自分も何か捕まえたいなと思っていると、頭上にヤンマが!えいやっ!っしゃぁあ!!GETだぜ!!

ヤンマ

リュウキュウギンヤンマ♀

ギンヤンマにしてはデカいと思ったら別種だった。日本産ギンヤンマ属中最大種だそう。





町に下りて昼ごはんを食べた後、バナナトラップ設置組と別れて一人で徒歩で散策することに。

鱗翅目の一種 鱗翅目の一種正面

鱗翅目の一種

正面から見るとシュモクザメみたい。どんな進化をすればこうなるんだ。

ベニ

ベニトンボ

遠くからでも目立つショッキングピンクのトンボ。

もともとの生息地は東南アジアの緩やかな大河。

沖縄の川は海近くまで迫った山の中を流れ落ちていくから、この子たちには棲みにくいはずだけど

ヒトが森を切り拓いてダム湖を造ったことで、今では普通に見られるようになったんだとか。



水生昆虫でも獲ろうと思い、水辺を探し歩く。



着いた。水面を見てみると大きなクモが浮かんでいる。

ハシリグモ 潜水

スジブトハシリグモ水上待機中                潜水中



水面を走るし潜れる。ハシリグモの英名はfishing spider.魚とかカエル狩る猛者もいるらしい。

潜水中の銀色の輝きは、撥水性の体毛が作り出す空気の層に光が反射してできるのだろう。

本土で見たければ無農薬の田んぼにいくといい。水上を疾走するクモがたくさんいるはず。



他に何もいなさそうなので、とりあえず歩き出す。



下草に乗っかった木の葉と目が合った。ハハハ、ごきげんよう



目が合った!?



ヒラタツユムシ

ヒラタツユムシ(クサキリモドキ)♀

目だけじゃない。ちょこんと短い手までついてるぞ!

広げた翅で後脚、中脚を覆い、体を扁平にして、全身で葉に擬態している直翅目だ。

B面 ヒラタツユムシ2

掴まれた                    B面     

掴むと翅を広げるのをやめ、普通の直翅スタイルに戻る。

直翅目の割には後脚が短い。

翅の下に脚を収納して、捕食者から隠れるためだろう。

確かに、隠れている虫を探すときは、左右対称の触角や脚が最初に目につくからなあ。



別の水辺に到着。水草が繁茂し、昼下がりの陽に照らされて、

たくさんのトンボたちが金色の光をまき散らしながら飛び交う。

しばらくその光景に圧倒された後、採集開始。

レトロ

オキナワチョウトンボ(旧名ベッコウチョウトンボ)♀

鼈甲模様の翅と、鈍い金属光沢のある胸部がレトロな機械のような雰囲気。

飛び方は本土のチョウトンボに似ている。

あの独特の飛び方の理由を知っている人がいたら教えてほしい。


ミズスマシ

オオミズスマシ(?)

水面を多数が泳いでいた。4つあるという眼を観察し忘れた!くそっ


イモリ

シリケンイモリ

たまに息継ぎのために水面にあがってくる。

生物室のイモリたちを眺めて癒されていた受験生時代を思い出す。

…愛してるぜ。



その他にも、ベニトンボ、エゾトンボ科ヤマトンボ亜科の一種、ギンヤンマ属の一種、

イトトンボ科の一種の成虫や幼虫などがいた。



場所をうつり、草地へ。


青い蝶

アオタテハモドキ♂

南国限定の青い蝶。橙色の目玉模様に見入ってしまう。



歩いていると、足元から飛び立つたくさんのバッタたち。

虫かごいっぱいのバッタって、子供のころの夢だったなあ、

でもうちの近所じゃそんな良い狩場はなかったなあ、

とか思いながら、バッタの大人買いならぬ大人獲りをした。


バッタたち

採集できた直翅目たち

良好な草地環境の指標であるクルマバッタが優占種みたいだ。

遺伝学には疎いけど、体色パターンが3通りぐらいあったから、遺伝的多様性も高いのかも。



草原のバッタたちに別れを告げ、しばらくぶらついていると、

視界の端に宙に浮かぶ何かの気配が!

振り向きざまに網を振り下ろし、中をのぞくと…

緑色のきれいなタマムシ!!


緑のタマムシ

アオムネスジタマムシ

美しさが映えるように、わざわざサンゴ砂のある場所まで連行して撮った。

いやぁこれはテンションあがるわー





日が傾いてきて、バナナトラップ設置組と合流。

夕食を胃に詰め込んで、すっかり闇に包まれたやんばるの森へ。

ここで二手に分かれる。

キャプテンU、みむさん、Lynxさんは林道脇にライトトラップを設置してハグルマヤママユを待ちかまえ、

かっきー先輩と俺はオキナワマルバネクワガタを探しに車で林道へ。





地上を徘徊する習性があるそうなので、落ち葉や落ち枝の積もった路面を車窓から凝視する。

しかし虫の姿はない。







しばらく走るとかっきー先輩は車を止め、スダジイの大木がそびえる森の中へ。

林道からその様子を見守る。俺ハブ怖いし

「いたあああああ!!!」



!?



叫び声を聞き、駆けつけるとそこには








オキマル

オキナワマルバネクワガタ♂

いたあああああ!!!

ついにでました、オキマルくん!

かっきー先輩から受け取って、じっくり鑑賞する。

漆黒艶消しの重厚なボディ、ペンチのように強靭な大顎、つぶらな瞳、いや複眼…

子どものころから、こいつとオオクワだけは自分の中で別格扱いだった。

こんな感じ↓

コクワ、ノコ、ヒラタ、ミヤマ→よっしゃあ獲ったるぞ

ルリ、コルリ→綺麗だけどクワガタちゃうわ

オオクワ、マルバネ→無理やろなぁ…はぁ(´-ω-`)

そんな高嶺の花が、いま、この手の中に!これはもう挟んでいただくしかn



いたあああああ!!!



…光栄です。本土産ヒラタ(51mm)と同じくらい痛かった(この子は49mm)。でも、光栄です。



どこかできいた話だけど、たとえばヒラタの顎の強さは、樹液酒場で喧嘩するためではなく

棲み家とする樹洞への侵入者/捕食者を殺傷するためのものなんだとか。

とすればオキマルの場合も同様の理由だろうか。

しかし彼らの生態には謎が多く、成虫の食性すら解明されていないそうだ。



意気揚々と林道を流していると、前方に異様に長い何かが


ハブ

ホンハブ

ヤツだ。

冷たい殺気をまといながら、平然と路上を横切る。

かっきー先輩が長竿で捕獲を試みるも、毒蛇の王はやんばるの闇の中へ姿を消した。




ライトトラップ班のもとへ帰還した。

ハグルマは現れたものの長竿の射程距離外を飛び去ってしまったという。

ランプに飛来した昆虫たちをしばらく鑑賞する。

ランプ トリバガ

ライトトラップの様子          ニセマイコガ科の一種

シギゾウムシの一種が多数。カラバリ豊富なカメムシやガのご一行。

咬みつく速度が生物界最速ともいわれるアギトアリもきていた。



これ以上の収穫は望めなさそうなのでライトトラップを片付け、全員でLynxさんの運転する車に乗ってクワガタを探す。

残念ながら、ここから先の記憶はほとんどない。そう、



寝落ちしたのだ。







ヒラタ♂ ヒラタ♀

オキナワヒラタ♂          オキナワヒラタ♀

左が、キャプテンUが捕獲したらしいオキナワヒラタ♂、右がみむさんが捕獲したらしい♀



…いやほんとすいません。今度はミンティア持ってきます。。



俺は明日の朝に島を発つけど、入れ替わりでゾウムシ屋のすいみーとスズメガ屋のたかも酢がやってくる。

沖縄遠征中盤戦、みんなはどんな虫を見つけてくれるのだろうか?





つづく




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By らいと


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