コブ堀りとコブ叩き


8. IX. 2014  参加者:かっきー・トシ

13. IX. 2014  参加者:トシ




東京に住んでいるからには狙いたかった虫,奥多摩のコブ

昨年一度行ってみたものの,道すら分からず惨敗。
同期も行っては「採れる気がしない」とばかり。
いつの間にか,気持ちの中で "採れない虫" にまで昇格しておりました。
そして今期はトライする気すらやや失せ気味・・・

そんな中,かっきーからまさかの複数頭採集の報告!
ええーホントに採れるのか!?

と,いうことで,また奥多摩の地に舞い降りました。






さて,バスを降り,目的の山までテクテクと。
かっきー曰く,前回よりも林床は乾き気味だそう。

早速実績のある枯れ木を叩きますが・・・何も居ない



天気のせい? それとも3日前に叩き尽くしたせいか・・・

開始数分にして不穏な空気です。


その後も道沿いに山を登りつつ,小さな枝を叩きます。
が,響く音はたいてい「パリパリ」「シャリシャリ」

そうして早くも稜線へ。
あああ・・・ヤバイ,採れる気がしない・・・


そこから10分ほど歩いた先,かっきーがポツリ

「そういえば,あのショボイ木からも落ちたんだよ」
「微妙そうなんだけどねぇ・・・」

そう言って指差す先にはカエデ系の倒木が。



ええっ! あれ・・・めっちゃ良さそうじゃない!?
確か先輩もあんな感じの木から落としていたはず・・・

枝先の枯れ葉を丹念に叩いていくと・・・



落ちたー!!

念願の奥多摩セダカ・・・ついにゲット!!
かっきーちゃんありがとう!!


これでやる気も再燃! 周囲の枯れ葉もこまめに叩いていきます。


暫く歩いた先では,かっきーが小さなミズナラの枯れ葉から・・・



フジコブ!!

ここの山では殆ど記録がないそうです。
これは採りたいと,筆者も必死に探します。


そこから更に歩くと,何やら向こうに怪しげな場所が・・・
あそこなら枯れ葉がたくさんありそう。

そこを目指してアプローチしている最中・・・あれっ?



道端のゴミのような枯れ葉にフジコブが・・・

あっ,こっちにも・・・えっ?
よく見ると・・・あちこちに付いてる!?





かっきーを呼び寄せ,二人でビシバシ。

結果,この枯れ葉だけで15頭ものフジコブが採れました。
これには二人ともビックリ。大笑いです。

まだ何の枯れ葉だったのかは判っていませんが,既に葉はグズグズ。
これが一時的なものであることは間違いなさそう。

なんとも不思議なコブの楽園でした。


・ ・ ・ ・ ・ ・


さて昼下がり,大方の葉を叩き尽くし,コブは満足。
次に狙うはケブカマルクビカミキリ(通称:アテミア)です。



本種は針葉樹のネズミサシをホストとする小型のカミキリ。
灰色の体に黒い斑紋があり,何かネズミのような雰囲気の虫です。

東京都では数例しか記録が無い,とても珍しいカミキリなのですが・・・
実際にチャレンジしてその理由が分かりました。

この採集・・・怖すぎ!



脆い岩壁上での材探しは命がけです。
近くや遠くで落石の音が響きます。




良さ気な材は幾つか見つかりましたが,肝心のカミキリはご不在の模様。

そう簡単には採れませんね。
今回は退散し,10月に葉のスウィープ採集でリトライしようと思います。


・ ・ ・ ・ ・ ・


岩壁から林内に戻って一息ついた時のこと。
かっきーが筆者のズボンを見て叫びました。

「マダニ!!」



ぎょえー・・・

幸い噛まれてはいなかったものの,精神的にダメージが・・・
その場で互いの服をチェックし,無事を確認しました。

なお,こいつもかっきーは台紙貼り標本にするそうです。
文化祭でご覧あれ。



そして帰り道ではブナの枯れ葉からセダカを追加。
11_程の小さなオスでした。



最後にアカジマ狙いのケヤキ材を採集し,今日の採集は終了。
かなりの成果が得られ,大満足です!!





それから約一週間後。

実家に帰る予定が延期になり,ぽっかり予定が空いた週末。
アテミア採集の新たな情報も得たので,再度同じ場所を訪れました。



件の林道を通り抜けた先,このいつも人気のない山で・・・二人組みの登山客?
まさかと思い話しかけてみると,なんとセダカ採集に来られた虫屋さんでした。

話をお聞きしていると・・・お二人とも物凄いレベル(汗)。
あの虫,この虫の聞いたこともない採集法が飛び交います。
そして今回の目的であるセダカも,材から幼虫を採集するとのこと。

これはまたとない機会! ということで,厚かましくも同行させて頂きました。



セダカのポイント付近に着き,早速材探しに取り掛かります。
本種は材の状態にうるさく,キチンと条件に合った物件を見つけないといけないそう。

斜面を登りつつ材を探すうち,Nさんが食痕を発見!



茶色い粒状の木くずがセダカの食痕だそうです。

そこから更に削り進むと・・・



出ました! カミキリの幼虫!

セダカの幼虫は前胸背の斑紋が特徴的で,結構簡単に見分けられるそうです。
確認したところ,この幼虫も見事セダカのものでした。

筆者も採り方・見分け方をレクチャーして頂き,レッツトライ!



何とか1頭採れました。
幼虫と云えど全然簡単じゃありませんね・・・

この間にお二方は10頭弱採集。
凄まじいです。




材の中には弱齢〜中齢,様々な大きさの幼虫が居ます。
そして当然,コブ以外の幼虫も。



こちらはヒゲナガゴマフの幼虫。
確かに,前胸背の模様が異なります。



途中でフジコブのポイントにも寄り道です。
晴天の正午に行ったためか,Mさんが1頭発見されたのみでした。



そうして昼過ぎまで採集し,下山です。


今回は思わぬ出会いのお陰で,とても楽しい採集になりました。
Nさん,Mさん,ありがとうございました!!



セダカコブヤハズカミキリ(成虫) [ Parechthistatus gibber shibatai ] : 2 exs.
セダカコブヤハズカミキリ(幼虫) [ Parechthistatus gibber shibatai ] : 2 exs.
フジコブヤハズカミキリ [ Mesechthistatus fujisanus ] : 多数



By トシ



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