秋の足音
―富士山コブ探し―
(9-10.\.2014)
参加者: いーぐる, トシ, dazai39
夏が来るまではかくも長いのに、気が付いてみれば
もう走り去った後姿を眺めるのみ。
幼い時分は9月という言葉が、ひどく乾いた物悲しい響きを持っておりました
秋の向日葵を見たことがありますか。いわし雲の下、茜色の光を浴びて
項垂れる様に、首おれるように、何本も何本も、並んでいるのです。
セピア色の世界を彩るように、過ぎ去った季節への贐か
秋桜だけが揺れている
「秋は、ずるい悪魔だ。夏のうちに全部、身支度をととのえて、
せせら笑ってしゃがんでいる。秋は、根強い曲者くせものである。」
(『ア、秋』-太宰治)
しかし昆虫にも曲者はおりまして、何を好き好んでかこの時期に現れる種類も
鱗翅、鞘翅問わず意外にも多いのです。
今回は秋の昆虫を目的とし、富士山へ行って参りました。
今回の標的は秋に出る大型蛾とコブヤハズカミキリの類。
生憎、中秋の名月と重なったため、成果は如何ばかりか…
教職の集中講義を終え、発電機と水銀灯を詰め込み
目的地に向け出発。
途中SAで夕食を取るなどし、最寄ICには9時頃到着。
この後コンビニや駐車場を見て回りますが、目ぼしいものはおらず…
ただ、トンネルの前にはミヤマクワガタの♀などが居たようです
満月の影響があまりに大きく、しょうがないので目的地まで車を走らせます。
現地に到着し、運転席から外に出るとうまく薄曇りになってきたので
燈火セットを準備します
試行錯誤の末点灯でき、結構な明るさになったところで暫く待機
大型蛾も飛んできますがカレハガなどでヤママユ系やシタバ系は来ず
時間と共に種類は変化するものの
お月さんのおかげで最後まで目ぼしいものは見られませなんだ
少し霧がかる中、第二の目的コブヤハズ採集へと移行します
…開始5分後
トシ「ミミズか…? ヤマビルだ」
私「やっぱりいるんだね、スプレーしておいてよかった」
…10分後
トシ 「いた!!」
いーぐる 「こっちも!!」
私 「山葡萄には…やっといた。フジです」
トシ&いーぐる 「フジかァ〜笑 」
飛べないだけあって明らかに濃い場所や薄い場所が存在し
慣れてくるにつれ大分読めるようになりました
フジに関しては見方を変えるといたるところについていて
最終的にはセダカ一本の様相を呈し始めました。
広葉樹食いのセダカはフジに比べて見つかる範囲が限られます
しばらく別れて行動して見たり
…1時間後
私 「追加あった?」
いーぐる 「セダカ♂1だよ。そっちは?」
私 「フジが2,3ってとこ」
トシ 「こんなのには…ヒャッホー!! セダカか? ハイブリか!!」
私 「いいなーセダカ取りに来たのに全然いねえ」
トシ 「やっぱ○○○○○○○の枯葉についてるんだよ。
前に花を探しに来たとき、このあたりに群落があったんだ」
一同 「やばいな、今日どうするよ」
序盤の成果で完全に感覚が麻痺した三名。
トシ 「もう帰ってもいいんじゃね」
とはいっても、せっかく来たのだから
また感覚がつかめてきたのだから
一番最初に行って駄目だった場所を調べようという話に。
…1時間後
一同 「全然いねえなあ」
トシ 「あの枯れ沢に落ちてる落ち枝いいんじゃない? 誰かいけよ」
私 「つかれたよ、パトラッシュ」
いーぐる 「じゃあ…アッ!!落ちた」
トシ&私 「まじかよ」
いーぐる 「セダカの雄だ」
トシ 「白紋がないね、純粋なセダカなのかな」
…暫く探しても追加はなく、ブナ林を徘徊します
トシ 「ここらへんブナがすごいんだよ〜」
いーぐる 「木登って写真撮ろう…あ、樹液着いた」
私 「何か木霊みたいだね」
「よし、そろそろ帰ろう」
稀に見る成果を上げ、コブ探しのコツをつかんだ三名。
そして疲れ果てた人々を乗せ、車は東京へ向かいます。
アクセルを踏むにつれて、夏が遙か後方へ過ぎ去ってゆく
そんな感覚を覚えながら、次第に近づいてくる秋という中継地へ向け
スピードを上げるのでした。
by dazai39
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