黒い紋と赤い縞
1-2. IX. 2014
参加者:いーぐる・dazai39・キャプテンU・トシ
楽しみしていた合宿ももう終わり。今日から9月が始まります。
ああ,夏休みが・・・夏休みが終わる・・・・
と,見せかけて,実は大学の夏休みは9月いっぱい続くのでした。まる。
さて,夏休みとは言えど,この時期になると狙える虫も限られてきます。
あの大きなトラカミキリを狙いに行こうか,コブを叩こうか・・・
どちらにも行きあぐねていたところ,いーぐるからコブ叩きのお誘いが。
それも未採集種のタニグチ狙い! やーそれは行くしかないでしょう。
dazai39に一年のキャプテンUくんを加え,四人パーティでいざ出発です!
深夜11時頃,最寄りのインターに到着。
折角山梨まで行くんだからと,前日夜から現地入りです。
まずは灯火でムラサキシタバを狙います。
おおっ,早速か・・・なんて。
シロシタバ [Catocala nivea nivea]
シロシタバでした。
翅が白っぽくて少し似ています。
こちらは灯火に飛来していた唯一のカミキリ。
マルクビ系? よく分かりません。
他にもカマキリモドキなど,多くの小昆虫が見られました。
・・・が,結局ムラサキシタバは見つからずじまい。
やはりそれなりの珍種なんですね。
ここらで灯火は切り上げ。
タニグチのポイント付近に移動して仮眠します。
・ ・ ・ ・ ・ ・
さて,朝です! やっほー!!
気温は10度前後。もはや晩秋の肌寒さ・・・
一年のキャプテンUも寒い寒いと言って震えてばかり。
体を暖めつつ,早速森に入ります。
ここは有名ポイントではありませんが,
dazai39がネットで調べて目をつけていた場所だそう。
流石,環境はとても良さそうです。
さーて,叩くぞー!!
・ ・ ・ ・ ・ ・
・・・うーむ。
1時間ほど粘ったのですが,何も落ちません。
キイチゴやフキなど,良さ気な枯れ葉はチラホラ見られるのですが・・・
道の勾配もきついため,早めに別のポイントへ移動することに。
そこから30分ほど,今度は実績のある場所に到着!
こちらはやけにさっぱりした雰囲気です。
鹿の糞もあちこちに落ちており,林床の植物への食害も伺われます。
こんなところで採れるのか・・・と,思う間もなく
dazai39「コブ落ちた!!」
ええっ!?
皆で駆け寄ってみると・・・あれっ?
フジコブヤハズカミキリ [Mesechthistatus fujisanus]
これって・・・
dazai39「・・・フジだね」
フジコブでした。
ここはタニグチ-フジの分布境界だったようです。
これにはdazai39も苦笑い。
取り敢えずコブが居ることは判ったので,皆でビシバシ探していきます。
・ ・ ・ ・ ・ ・
それから1時間程経過・・・なーんも採れません。
まず叩ける場所が少な過ぎです。時期が少々早かったか・・・
頼みの綱だったマルバダケブキも,2〜3個の小群落が見られたのみ。
分かってはいましたが,コブ叩きって厳しいなぁ〜
そうして皆で歩いていたところ,斜面の果てに黄色い・・・花?
マルバダケブキかな・・・見に行こうと言っても,皆「遠いからヤダ」
・・・じゃあ一人で行ってやる!
笹薮を下っていった先には,確かにマルバダケブキがありました。
いい具合に枯れています。
さてさて,思いを込めて叩いてみると・・・ポト。
タニグチコブヤハズカミキリ [Mesechithistatus taniguchii]
落ちた〜!
濡れて見難いですが,小さな黒紋がチャーミング!
サイズも小さめで可愛らしいコブヤハズです。
早速皆を呼んで,周囲を虱潰しに叩きます。
すると・・・追加!!
キャプテンUが落としました。
コブ叩き初体験ということで,採れて何より!!
ここでの収穫はこれで打ち止め。
更なる追加を目指して移動します。
道端にはアカハナカミキリ。
秋の訪れを告げるカミキリムシです。
ヒヨドリバナに多数の個体が飛来していました。
・・・その側にあったミズナラ?の枯れ葉。
こういった固い枯れ葉には中々付いていないものですが・・・
あっ。落ちた。
数撃ちゃ中たるってやつですね。
これを見て奮起したdazai39。
斜面の落枝を叩きに行きます。
戻ってきたその手には・・・
見事! コブを引っ提げていました。
満足そうな本人の様子。
なお叩き網は彼の自作だそうです。
採集者冥利に尽きるといった感じ。
それからまた叩きつつ,歩きつつ,もとの場所へと帰還しました。
車の側では数頭のフジコブを追加。
1kmもない幅で住み分けているとは,不思議なカミキリムシです。
・・・さて,時刻は正午を廻り,日差しも強くなってきました。
次に向かう先は・・・
カミキリ屋さんには超有名な某神社。
ここでは今回の採集第二の目標,アカジマトラカミキリを狙います。
本種のホストはケヤキ,それも巨大な老木だと聞いてはいたのですが・・・
実際に見てビックリ。ここのケヤキは想像を遥かに超えるものでした。
正に御神木。木というより,もはや巨大な岩壁のようです。
網を出すなんて恐れ多くて出来ません。
皆で木を見上げていると,通りすがりのおじさんが
「カミキリ採れてるかい?」と一言。
地元の方にも有名なのですね。
虫採りに対しても好意的で,本当に有難く思いました。
・ ・ ・ ・ ・ ・
それから暫くして,神社徘徊にも飽きてきた頃,
小さな虫がツイーと飛んで,目の前の電柱に止まりました。
白い電柱に真っ赤なシルエット。
遠目に見てもハッキリ判ります。あの虫です。
ジャンプしてはっしと掴む・・・
アカジマトラカミキリ [Anaglyptus(Akajimatora) bella]
やった! 無事手中に収めることができました。
小さくても,何やら風格のあるカミキリです。
結局,これがこの日得られた最初で最後のアカジマトラになりました。
以上で今年初のコブ叩きは終了・・・ですが!
コブの採集はこれからが最盛期です。
それが終わればオサ掘りの冬がやってきます。
夏は終われど,虫採りは終わらない!!
次の採集が楽しみです。
タニグチコブヤハズカミキリ
[ Mesechithistatus taniguchii ] : 4 exs.
フジコブヤハズカミキリ
[ Mesechthistatus fujisanus ] : 5 exs.
アカジマトラカミキリ
[ Anaglyptus(Akajimatora) bella ] : 1 exs.
By トシ
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