石垣島マルバネ採集記
(26-28.X.2013)
参加者:かっきー


どうも、筆不精すぎて採集記を貯め込んでいるかっきーです。
1か月以上前の採集記ですが、今回は石垣島へ。
この時期に発生するマルバネクワガタ2種が狙いですが、既に授業も始まっており、
実習が多いため長期間大学をサボるわけにもいかず、2泊3日の短期決戦です。
初めての石垣で単独行なので、とりあえずヤエヤママルバネの大歯とチャイロマルバネを最低1頭ずつは採ることが目標です。

土曜日の昼過ぎの飛行機で石垣へ。今年からスカイマークが就航したため、安く行けるようになりました。
数日前まで台風直撃の予報だったので飛行機が飛ぶかどうか心配でしたが、逸れてくれたようで無事に飛びました。

夕方に石垣島着。早速レンタカーを借り、買い出ししてから採集ポイントへ。
着いた時には既に暗くなっており、10台くらいのレンタカーが停まっていました。
最近は最も多くの人が入っているという有名ポイントですが、ここまでとは…
本当なら自分でポイントを見つけたいところですが、今回は新規ポイントを開拓する暇もないので仕方ありません。

弁当を食べ、装備を整えて早速森の中へ。下見する時間もなかったので、ぶっつけ本番です。
入れそうなところから急斜面を降り、シイの大木につくマルバネを探します。
奄美ではそこそこ採れたので、石垣なら簡単に見つけられるだろうと思っていましたが、意外と難しくなかなか見つかりません。
しばらく探していると、斜面にあった立ち枯れの上の方に黒っぽい影が!
小型の♂ですが、やっと採集。



その後はなかなか続きませんが、谷の上で休憩しているとカブトムシのような羽音が聞こえてきました。
もしや、と思って地面を見ると、そこにはヤエマルの♀が。



ヘッドライトに飛んでくるという話は聞いていましたが、本当なんですね。
それからしばらく谷を攻めてみますが、成果はさっぱり。
ヤエヤマネブトのそこそこ大きな死骸が綺麗な状態で落ちていたので持ち帰り。
ちゃんと標本にはなりましたが、残念ながら右前脚と右触角が奇形でした。



他には朽木からヤエヤマサソリを多数採集。
筆者はサソリが好きなので、野外の生きたヤエヤマサソリを見て感動。
飼育するために持ち帰ることにします。



少し休憩してから、今度は林道の反対側の森へ。
ん?なんか1本突き出た枝になんかついてるぞ?…うわぁぁヤマンギだぁぁぁ!



ハブ以上に恐れられることもあるという凶悪巨大毒毛虫。イワサキカレハという蛾の幼虫です。
筆者は毛虫が苦手なので、こいつを見た直後は藪漕ぎをする気力を失いました。

さて、こちら側も大木は多いものの、なかなか採集には至らず。
末期状態の発生木らしきものの近くを歩いていた♂を1頭だけ採集しましたが、これも小型。
深夜まで粘りましたが、結局追加はなく初日は小歯2♂1♀で終了。
なんという残念な成果… 明日は頑張ろう。

2日目は昨晩の疲れからあまり早起きできず。
昨日の敗因は下見をしなかったからだろうと思い、まずはポイントの下見へ。
ああ、こっちに来ればこんなに良い環境があったのね…
途中、倒木でヤエマルを1♀採集。産卵に来ていたものでしょう。



それから、ネブトが好みそうな状態のフレークを見つけ、少し掘ってみます。
すると、ヤエヤマネブトと思われる幼虫が数頭採集できました。
また、ネブトを探して朽木を掘っていると、格好良いコメツキが出てきました。
なんとなく珍品オーラが漂っていますが、さて…?
(帰宅後に撮影)



後日、図鑑を見ても載っていないため甲虫学会の大会の際にコメツキに詳しい方に見ていただきました。
すると、その方が2004年に記載された Ampedus yousukei という種とのこと。
やはり珍しい種らしく、採ってきてよかったです。Aさま、同定ありがとうございました!

下見を終えるともう昼過ぎ。とりあえず街へ買い出しに行き、チャイロマルバネを狙いに行きます。
日曜ということもあって有名なポイントは人が多そうだと考え、以前ラベルを見たことがある街から近い比較的マイナーなポイントへ。
しばらく探しますが、チャマルは影も形もありません… 
1頭も採れないまま夕方になり、チャマルは明日有名ポイントで狙うことにしてヤエマルのポイントに移動します。
かなり早い時間に着いたつもりでしたが、既に車が停まっていました。
夕食を摂り、暗くなるまで少し休憩。
ちなみに、この日行ったチャマルのポイントは最近さっぱり採れていないと帰ってきてから耳にしました。

夕方からは下見したポイントに入ります。
目を付けていた木の1本を見ると、根元のウロの中に♂が。大歯ではないものの、昨日よりは大きいです。
さらにそのウロの下の方を見てみると、隙間から大腮が見えます。これは!



やっと大歯が採れました。サイズは60mmにも届かない小さめの個体ですが、初めて採ったマルバネの大歯に感動。
こんな感じのところにいました。



その後は数時間、さっぱり採れず…
複雑に入り組んだ沢を下り、適当に藪漕ぎしてポイントを探しているうちに自分の位置がわからなくなりました。
石垣島の原生林で迷子です。
が、尾根に出てスマホのGPSを起動するとだいたいどの辺にいるのか把握でき、他の採集者グループの声も(谷の向こうから)聞こえてくるので、
気にせず採集を続けることに。
どうせもう迷っているのでこれ以上遭難の心配はなし。恐いのはヤマンギとサキシマハブだけです。
なかなか良さそうな木を見つけはしたものの、マルバネの姿はさっぱりなく。
ふと休憩しようと座った倒木についていた♀を1頭採集しただけでした。
疲れてきたのでまたGPSを起動、背丈以上の藪を漕ぎつつ、ほぼ一直線に林道まで脱出。スマホ便利です。

車まで戻って休憩し、他の複数の採集者の方にお話を伺いましたが、皆さん少数しか採れていないようで、
聞いた限りでは今晩大歯を採られた方はいなかったようです。

しばらく休んでからもう一度、少しだけ森に入ってみましたがやはり追加はなし。
紛らわしいのがこいつ。何度騙されたことか…



一応大歯も採れたし、これ以上やっても追加できる気もしないので撤収。
明日は朝からチャイロマルバネを狙うため、夜のうちに有名ポイントへ移動します。
ポイントに着き、ヤエマルが歩いていないかと少し林道を流してみますが採れず。チャマルの死骸は落ちていました。
適当に広いスペースを見つけて駐車し、そこで車中泊。

翌日、朝起きて車の外に出ると、車にカミキリがくっついていました!
調べてみるとヤエヤマフトカミキリという種のようで、夏に発生した個体が生き残っていたのでしょう。
よく見ると脚も触角も欠けているボロですが、今回初めて見たカミキリなので一応回収。



さて、チャマルは発生初期にはススキにくっついていたりするそうですが、今年はやけに発生が早かったため、既に歩いているとのこと。
ということで、車でゆっくり林道を走りながら道路上を歩行している個体を探す、所謂「流し」をすることに。
流しは沖縄で5晩連続ボーズという思い出したくもないイヤーな経験しかないので、正直あまりやりたくありません…
こんな林道を流していきます。



で、しばらく流してみますが、さっぱり見つからず。
ヤエヤマカラスアゲハが飛んでいるのを見るたびに車を停めて捕虫網を出しますが、筆者の下手な網捌きで採れたのはボロが1ペアのみ。
あまりにボロかったので写真を撮る気すら起こらず、展翅もしていません。

流しにも飽きてきたので、車を停めて徒歩で探し始めたところ、やっと1♂採集。
かなりの小型個体ですね。



その後は全く続かず…
また車に乗って流してみましたが、全然いません。
チャマルの数より採集者の方が多いのでは…?

昼過ぎになりやっと2頭目。
1頭目よりは大きい♂ですが、それでも大型にはほど遠い。



そしてヤマンギ再登場。こんなところで何してるんだオマエは。



もう疲れて嫌になってきたので、一度街に降りて昼食にしました。
今晩の飛行機で帰るため、採集できる時間は残りわずか。
見落とさないように気合を入れて、再出撃。

お、何か虫が落ちているけど、チャマルではない…?
一応拾ってみると、アヤムネスジタマムシでした。



そのすぐ後、3頭目のチャマル♂を採集。
発生後期なので♀も多いはずなのですが、何故か♂しか採れません…

それから、道端にひっくり返って死んでいた糞虫を回収。
まだ柔らかいので、死んだばかりのようです。
調べてみると、オオツヤエンマコガネという比較的珍しい種でした。
なかなか格好良い糞虫です。
(帰宅後に撮影)



その後は追加もなく、時間になったので撤退。
空港で八重山そばを食べ、土産物を物色して成田へ戻りました。

今回は限られた時間の中で最低限の目標は達成したものの、満足な結果は出せませんでした。
それでも、南の島の原生林を探検するのは楽しいものです。
この秋からマルバネ採集を始めたばかりですが、すっかり虜になってしまいました。
またリベンジしなければ…


戻る

TOP

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送