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夕暮れのオオトラカミキリ
(10.IX.2013)
参加者:いーぐる、トシ

(写真撮影:いーぐる)



・・・朝,目を覚まし,時計を見る。

・・・午前8時。


集合時間まであと30分!


飛び起きて天気予報を確認。


”埼玉県〇〇市 - 晴れ時々曇り”


よしっ!!いける!!


急いで着替えを済まし,採集道具の準備を完了。

既に車で迎えに来てくれていた,いーぐると合流します。



・・・今回の狙いはオオトラカミキリ Xylotrechus (Ootora) villioni (Villard, 1882)

永遠の珍種。押しも押されもせぬトラカミキリの最高峰です。


昨年は免許合宿のため,トライすることすら出来なかった憧れのムシ。

最初にポイントを教えて貰ったのに,友人に先を越されてしまった因縁のムシ。


・・・なんとしても,今日,採ってやる!!


そう心に決め,ポイントへ向かうのでありました。





午前10時過ぎ,目的地に到着です。



気温は低いながらも天気は上々。

いつアヤツが飛び出してきてもおかしくありません。



開始早々いーぐるが「あ,カミキリ」

ええぇまさか・・・


ヒゲナガカミキリ Monochamus grandis


そうだよね。うん。

格好いいカミキリですが,今はお呼びじゃありません。



・・・・・・



少し進むとまたいーぐるが何かを発見!

指差す先を見ると・・・何?



「ここだよ」



ホントだ,って蛾かよー。

あまりにも自然で気付きませんでした。



・・・・・・



今日は日が良かったのか,雑甲虫も多く見られます。


センチコガネ Phelotrupes laevistriatus


エサキオサムシ Carabus albrechti esakianus


はしゃぎながら,ポイントを一周。

元の場所へ戻ってきました。


流石にこれで採れる程甘いものだとは思っていません。

後はこのコースをひたすら廻り続けるだけです。



・・・・・・



最初に確認したモミを二人でぐるーり。



やっぱいないなぁー,と,言おうとしたその時,



ズザァー!!



いーぐるが樹の下のくぼみに滑落!?



もー,何やってんだよー・・・



・・・エ,アレ,でも何かを見つめているような・・・



まさかなぁだってさっき俺もそこ見た・・・





「・・・オオトラだ」



掲げられる黄色いカミキリ。

分厚いシルエット。



「・・・そうだね,オオトラだね」



あっさりと,採っちゃいました。



・・・・・・



ひとしきり騒いだ後,何が起こったのか少し考察。

直前まで,この木には上から下まで何も居なかった筈。

二人でモミの斜面側を確認し,その後裏側を見ている数秒間,その間に飛来したとしか考えられません。


うう・・・どうせなら俺の目の前に飛んでこいよー!!


祝福3割,悔しさ7割な心持ち。

・・・しかし,今日,既にオオトラが活動しているということが判ったのは非常に大きい!


時刻はまだ午前11時。

気を取り直して探索します。



廻り巡る・・・



時に見上げる・・・



うーん・・・



あー・・・



そして夕暮れに・・・


残念ながら,完全にタイムリミットです。

オオトラ採集は午後2時過ぎまでが勝負。

さすがに4時近くなっては諦めるほかありません。


あぁ・・・ホントにオオトラには縁がないなぁ・・・


荷物を片付け,撤収します。



・・・・・・



さて,車に戻りいーぐると相談。

せっかくここまで来たから,他のポイントも位置確認だけでもしておくか,ということに。


ユルユルと近場のポイントに移動します。



・・・・・・



「ここでも昔採れたらしい」


「そこの奥にもモミが有るよ」



そんなことを話しながら,駐車出来る最後のポイントに到着。



「採れたこと無いらしいけど,ここにも大きなモミが・・・」



えっ・・・



口に出せたのはそこまで,次の瞬間,猛ダッシュ



ジャンプして,それを掴む。



おっ落ちた!・・・いや居た!



手の中には・・・



茜に染まるオオトラカミキリ


こんな時間,こんな古い木に・・・信じられない。


全力で,いーぐるとハイタッチ。


夏の最後を飾るに相応しい,素晴らしい採集行でした。






By トシ


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