四国遠征記 〜愛媛編〜
(3-4.V.2013)
参加者: かっきー、ponden(ゲスト)



GWを利用して四国に採集に行って来ました。
まずは東京から夜行バスで愛媛県へ。筆者は四国初上陸!
駅で愛媛大学のpondenさんと合流し、レンタカーで山に向かいます。
今回は四国特産のルリクワガタ属が狙いです。



車を停め、まずは少し山に登ったところで褐色腐朽材を発見。
裏返してみると、ツヤヒサゴゴミムシダマシが採集できました。
かなりサイズが小さく、変わって見えますがツヤヒサゴの変異の範疇のようです。
<追記 (12.VIII.2013)>
その後、本種はツヤヒサゴではなくイシヅチヒサゴゴミムシダマシ Misolampidius hisamatsui Ando, 2009であることが判明。
採った時からなんとなく違うなぁ、とは思っていたけれど、やはり別種でした。
画像検索してもヒットしないので、現時点ではネット上で見られる本種の唯一の画像となるようです。



今回の主目的は標高が高いエリアに分布するので、登山者に混じって標高を上げていきます。
景色は最高です!



しかし、標高を上げるとあまり良い環境がなく、細い木ばかり…
林床も笹に覆われており、狙いの虫が入っている朽木を探すのは困難です。



細い木の中に太いブナが点在する林の中で地面が見える岩場を見つけ、落ち枝を折ると狙いの虫と思われる幼虫が出てきました。



良さそうな落ち枝が少ない上、割っても割っても幼虫ばかり。
pondenさんはルリクワガタ属の採集経験がほぼないとのことで、なかなか苦戦されている様子。
何とか1頭は幼虫を確保できたようです。

ここではツノクロツヤムシは多数採集できました。
太めでよく朽ちた倒木を割ると、かなりの確率で2〜3頭のツノクロツヤムシが入っています。
最初の数頭こそ嬉しいものの、途中からは惰性で回収しているようなものでした。
関東では見られない上、格好良い虫ではあるのですが… 如何せん数が多すぎます。



ここではあまり個体数が多くなさそうな上、足場も良くないので移動。
もう夕方ですが、少し標高を下げたところで狙ってみます。
しばらく幼虫しか出ない時間が続き、今日はそろそろ切り上げようかと思い始めた頃、少し太めの枝に斧を入れてみると…
空間の中に銅色の輝きが!



狙いの種の♀でした。やったぁ!
同じ材をもう少し削ってみると、今度は♂が!



初日の最後でペアを採集でき、満足です。明日はもっと採りたいなぁ。




2日目は早朝から採集開始。



昨日目を付けておいた場所に行き、地面が岩場となっているブナ林を登っていきます。
ここは良い感じの朽木が多く、産卵痕もあちこちに見られます。



枝を折ってみると、早速幼虫が現れました。



幼虫はその後も多数追加でき、成虫も2♀のみですが採集できました。



pondenさんもコツがわかってきたようで、複数の幼虫に加えて1♀を採集。
しかし、この♀は今回狙いに来た種ではなさそう。比べてみると色も体型も異なります。
この種と狙いの種は標高で住み分けているそうですが、ちょうどこのあたりは混生地のようです。

2時間ほど採集してから場所を移動。
まずは同じ山に別の斜面から登ってみますが、良さそうな場所は斜面が急すぎて採集どころではありません。



(画像では分かり難いですが、かなりの急斜面です。)
下草も多く、採集に適した場所は見つからなかったので別の山に移動。



こちらの山もブナ林があるそうですが、山頂まで登っても採集に適した環境は見つからず。
しかもこの山、行ってみるまで知らなかったのですが、大部分は保護地域となっていて採集できないそうです。
少し登山道から外れれば採集できる場所もありますが、これなら朝の場所の方が良さそうだということで、
観光施設で昼食を採ってから今朝採集した場所に戻ります。
国立公園・国定公園の特別保護地域以外にも採集禁止の場所があるんですね… 下調べはしっかりしなければ。

朝に採集した場所に戻り、採集を再開。念のために調べてみましたが、ここは採集しても全く問題ないようです。
この場所はかなり個体数が多いようで、幼虫はどんどん採集でき、成虫も時折現れます。

1本の細枝から2♂出てきましたが、これは狙いの種じゃない方ですね。
比べてみると雌雄ともにかなり異なり、はっきりと区別できます。



これは当たり。狙いの種の♂と幼虫が同じ枝に入っていました。



ここでもツノクロツヤムシは多かったです。



pondenさんも狙いの種を1♂採集できた様子で、かなり喜んでおられました。
ルリクワガタ属を狙い始めてから成虫が採れるまでに時間が掛かった自分とは違い、採集のセンスがありそうです。

筆者は夜から列車で移動するので、夕方には切り上げて山を降りました。
2日間で狙いの種と別の種を合計10頭以上、そしてその数倍の幼虫を得ることができ、関東から遥々遠征した甲斐がありました。

pondenさん、同行してくださってありがとう、そしてルリクワガタ属初採集おめでとう!
また機会があれば一緒に採集に行きましょう!



By かっきー


戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送