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いざ上方へ

〜大阪・京都・奈良〜

(5-7 V 2013)

参加者:dazai39



ふと 旅にでたくなる

すっと灯がともるかのように

一抹の追憶が 私をして

旅路へと 動かしむるのです

 


今回は 私の故郷である 広島

友人の住む 大阪に  3日間ずつ行ってまいりました


しかし広島では 河川を廻ったものの

昆虫は皆無でありまして 唯一の成果と申しましては

滝が見られたくらいで御座いませうか


一方大阪に関しましては

高校の知己が 阪大の薬科に通っておりまして

理科大の理工科に通っておりまするもう一名とともに

旧交温めんというわけにて

大阪に居る友人のもとに押掛けた次第にございます


弥生一日〜弥生三日:広島

弥生四日〜弥生七日:大阪

このうち 実のある採集は弥生五、六、七日になりますので

この三日間に関しまして

謂わば 口重く舌重く  著述しようというわけに御座います



・弥生五日

今日は 大阪から京都方面へ行った帰り

淀川付近で 採集をしようという算段

有名どころを見学し 時間が余るかどうか


私ともう一名は 過去に京都の所謂観光名所を一通り回ってはおりまして

もう一名は geld不足にて

結局徒歩移動が中心となりました

京都御所を見 二条城まで歩き 昼をとり 祇園に行って 帰った次第です

(確かに味気ない といわれればそうなのですが)


梅がちらほら咲いてはおりまして

「昔の花見といえば梅だったのだねえ」などと 

あたかも老人が如く 目を細めていた次第で御座います


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御所中には入れませんでしたが

御苑内の ある宮様の旧邸が一般公開されてありました

一部昆虫の展示もありまして 何かなと思ったら

『アオハズクに食べられた昆虫たちの断片』だったかな 

 何でも食べるのだなあと感心いたしました

多くは御所内の昆虫のようで 

タマムシの仲間では ヤマトとウバの断片は多いようです

探せば アオマダラなどはいるのかも判りませんが

どのようなものでしょうね


二条城は ご存知の通り 

時の将軍 徳川慶喜によって

大政奉還が行われた場所として有名です

実際に この様な史跡を巡るのも良いですね

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祇園にて

袂には 遊ぶ度量も金もなく 手に入れたるは 京の漬物


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池田屋跡で一人佇み

高瀬川を眺め鷗外を想い

二人より先に出立し 一人淀川へ向かいます


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高瀬川


「知恩院の桜が入相の鐘に散る春の夕べに、

これまで類のない珍しい罪人が高瀬舟に乗せられた。」

(森鴎外『高瀬舟』)


電車の中で 彼はまるで喜助のように

気兼ねさえなかったら 口笛でも吹きそうな様相

どうか 私を見かけました 同心の方々

羽田庄兵衛のように 

オオトリテヱへ お任せください


河川敷到着は申の刻

東京に比べれば日は長いですが捜索は時間はあまりないようです


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浅葱のダンダラも刀もありませぬが

鍬を片手に 御用改めである


工事があったのか 多くの木が伐り倒されています

しかし朽木は少ない

乾燥しきった中に細い一本の朽木

適当にひっくり返すと いた

しかもなかなかの大きさであるぞ

とりあえず坊主はねえや


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黄昏に一本の枯れ木が怪しく映る

徐に割ると … 案の定 でました

隠れ場所が無いから 一本の木に集中していたのでせうか

暗闇でありましたから 詳しい捜索は明後日に回すとします


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今まで北ばかりせめていたので

一見 黒一色は地味ですが それはそれなりに味があるものです

日本に於いて 島や地域毎 こんなにも変異が著しい昆虫は 

学術的見地から見ても面白いですよね


「しだいに更けてゆくおぼろ夜に、

沈黙の二人を乗せた高瀬舟は黒い水の面を滑って行った」

(高瀬舟)


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・弥生六日

今日は 奈良です

私にとっては 初めての奈良であります


まずは 東大寺

教科書で見た像が沢山ありますが

想像以上に 大きい

南大門も とにかく大きい

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そして大仏様の横の像が気になる


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…脚が一対多くはないか


正倉院とやらも見たいと思ったのですが

残念ながら工事中

その代わりに初蝶発見 モンシロとテングチョウが元気に飛んでおりました

啓蟄を過ぎ 虫たちの春も来たようですね

しかし、河川敷の奴らは動き出さないだろうか…

 


昼食をとり、次は薬師寺へ

ちょうど東寺の修復中では御座いましたが

現在公開中の仏舎利がみられました

修復作業中にたまたま発見されたとの由

ありがたや ありがたや

薬師寺のお坊さんは話が上手で

このお寺について様々なことお聞かせくださいました


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さて 本題はここからでございまして

奈良駅から少しばかり北にある 河川敷を訪れてみたわけで御座います

下調べでは かなり良さ気だったのですが

いざ着いてみると 河畔林がかなり広い

 2時間では到底見て回れないので一方面に絞って歩きます


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噂通り 先駆者がいたようです

ヒラタ狙いの方も関西は多いのだという某同級の話は誠であったか

ヒラタのメスだけ出てきたのでそれだけ確保しつつ 河畔林を散策します


ゴミの溜まった木があちらこちらに散見されるのですが

全て崩す時間はもちろんなく しょうがないので材に限ってみて回ることに

しかし日は暮れ始めるもののアオゴミ一匹散見されず引き返しがてら探すことに


 

…ふと気づく

マップ上で

自分が川を渡っている

大丈夫 引き返してゆけばいずれ着くさ


茨と格闘しながら進むと 良さ気に朽ちた材を見つけます

これは… 割ってみると案の定マイマイ発見

その横にも 更に一匹

成果なしは回避できました


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選ぶ場所と 時間さえ用意すれば もっと多くの個体を見ることができたのでしょうが

今回は観光重視の旅であったので採れただけ良しとしましょう


急いで駅まで向かい 家についたのは8時前

 2人ともWBC見ながら待っていてくれました 最後の晩餐です

 

『勧酒』 武陵           (井伏鱒二 訳)

勧君金屈巵        (コノ杯ヲ受ケテクレ)

満酌不須辞  (ドウゾナミナミ注ガシテオクレ)

花發多雨風     (花ニ嵐ノタトエモアルゾ)

人生足別離     (サヨナラダケガ 人生ダ)

 

私と彼らが出会ったことも

君が誰かと出会うことも 

また何かの縁なのでしょう

別れこそが人生なのであれば 

私たちは この出会い 一瞬一瞬を

愛しまねば ならぬのでしょう


光陰矢の如し とはよく言ったもので

あっと言う間に 時は流れてゆきます

杯を傾けつつ 夜は深まってゆきました



・弥生七日

今日東京へ帰ります

とりあえず一人はすぐ帰らねばならぬようで

私は 先日の取り残しが無いか 調べてから帰還する魂胆

大きい荷物はコインロッカーに入れ いざ河川敷へ


まあ、そう多く書いても変わり映えしないので

結果 両手に余る程度は残っていたかなという感じです

他は散策しましたが 良い材は殆どなく

たまたま 当たりを引いたようです

仲間への土産もできたところでいそいそ駅に引き返します


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やはり暖かくてキタテハが飛んでおりまして

ゾンネ氏が喜びそうな小昆虫も飛び始めていました

春が 来ましたね



今回は高校の同級生にも会え

京都、奈良の観光もでき 

ある程度関西のマイマイも確保したということで

非常に充実した日々を過ごせました

 O氏、N氏には この場を借りて感謝申し上げます。

by dazai39

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