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カニとタニシとゴミムシと
(12.II.2013)
参加者: 蜜柑箱、かっきー



ゴミムシの仲間には、分布域が極端に限られた種が少なくありません。
例えば洞窟に住むチビゴミムシの仲間が有名で、他にも関東周辺ではヨコハマナガゴミムシやキイロホソゴミムシなどが挙げられます。
今回は、筆者が高校時代に所属していた生物部の後輩である蜜柑箱くんと共に、都内某所にキイロホソゴミムシを狙いに行ってきました。
本種は東京湾沿岸部と外房のごく一部でしか発見されていない珍しい種ですが、ポイントに行けばそこそこの数が観察できるそうです。
なお、採集ポイントや採集方法については筑波大のパルナスさんに詳しくご教示いただきました。いつもありがとうございます!

駅で蜜柑箱くんと待ち合わせ、虫の話をしつつポイントに向かいます。
パルナスさんに教えていただいた目印を頼りに、湿地に広がる広大なヨシ原に入っていきました。
本種はヨシ原の中に落ちているゴミや流木、ヨシの葉などの下に潜んでいるそうです。

ヨシ原

しかしヨシ原の中の地面はかなり水気が多く、大きな流木やゴミの下は水溜りのようになっています。
いくら流木やごみをひっくり返してもカニやタニシ(?)ばかりで、ゴミムシはおろか昆虫の姿は全く確認できません。
本当にこんなところにゴミムシがいるのでしょうか…?
ヨシ原なかでドロドロになりつつ必死に探しますが、2時間以上粘って発見できたゴミムシは僅かな数のミズギワゴミムシの仲間のみ。
さらに移動していくと、やがてこれまでとは違ってある程度乾いた作業道に出て、今度はここで探しますがやっぱり昆虫はミズギワゴミムシしか出てこない。
半ば諦めかけた頃、ダメ元で地面に落ちている大きめで平らな樹皮をひっくり返してみると…

1頭目

あ、なんか黄色いのいた

ええ、これが求めていたキイロホソゴミムシです。とうとう採れた!
この種は同じ場所から数頭まとまって出てくることが多いようなので丹念に探してみますが、死骸の上翅が出てきただけでした。
その後、近くに落ちていたゴミ(運動靴)を持ち上げてみると、ここにもいた!

2頭目

そんなわけで2頭目確保。
そして、近くで半分地面に埋まっていたブルーシートを調べてみると、隙間から蜜柑箱くんが1頭発見!

3頭目

というわけで無事に2人とも採集できました。
このブルーシートはかなり大きなもので、2人で片っ端から確認しているとさらに2頭出てきました。
本当にこんなところにいるんですねぇ…

4頭目

下の画像、中央あたりに潜んでいました。

ブルーシート

ブルーシートの下もカニだらけ。

蟹

徹底的に調べるもその後の追加はなく、周辺に落ちていたブルーシートやビニールの下も調べたものの追加は得られず。
もうこのあたりの目につくゴミはチェックし終えたので、また少し移動してみますがゴミがない…
16時近くなったので、落ちているゴミをチェックしながら帰路に就きました。
どのような環境にいるのかだいたい掴めたので、少数しか採集できなかったとはいえ良い採集になりました。
蜜柑箱くん、お疲れ様!

By かっきー


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