突撃!となりの河川敷

〜坂東太郎氏のお宅訪問編〜

(23.XII.2012)

参加者:パルナス、あじたん、かっきー、トシ、dazai39



私は、私の流儀で、この機会に貧者一燈を、

更にはっきり、ともして置きます。(太宰治『一燈』)


虫屋というものは、つくづく困った種族である。

虫籠一つを、必死にかかえて、うろうろしている。

その虫籠を取り上げられたら、彼は舌を噛んで死ぬるだろう。

なるべくなら、取り上げないで、ほしいのである。


今回は何か、何が目的か

謂はずもがな

マヰマヰ


今年の昆研は やけにマヰマヰ採集が多くはないか

そうなのである。しかし、よく考えていただきたい。


冬に採れる昆虫と謂へば、そう多く無い

彼から昆虫を奪へば この寒空の下

憤死してしまうだろう

そうであるから 彼は マヰマヰを取るのである



さて、みなさんお待ちかねのマヰマヰ採集ですが、

多摩川ばかりだと変化に乏しいので、

今回はトシが地元、茨城県に居られまする「坂東太郎」氏に


筑波大のパルナス氏、早大生物同好会OBのあじたん氏

そして代わり映え無き農工常連トリオ

お宅訪問させて頂きました次第で御座います

※坂東太郎=利根川の別称


さてさて、坂東太郎氏のお宅は何しろ大きく

その庭園(流域面積)は日本随一と言われております

その御庭には、無数の河畔林が広がり

数知れぬマヰマヰが生息していることで御座いませう


ヒメマイマイとは謂へ、茨城ですから

多摩川よりは、大分北に位置しており

その色彩はミヤママイマイに近いものがあるのでせうか

坂東氏の知人、パルナス氏、あじたん氏

案内の下

 

「突撃!隣の河川敷」



dazaiは、初めてのつくばエクスプレス、初めての茨城、初めての利根川

そして河川敷。いいですねヱ、見るからに居る気配が漂っておりますでしょ


img_6714.jpgimg_6715.jpg


着くや否や、一同解散

思い思いに探します

最初はかっきーと同方向に進み

二人ともよさげな一本目を見つけ、割ります…いない

次に若干微妙ではあるが、平泉でこのような材からも出たので

とりあえず割ってみます…御名答、一匹目。


多摩川よりは大分きれいなです。ミヤマらしくも?


img_6731.jpg

ヒメマイマイカブリ


かっきー氏とは逸れ、一人で進みます

枯れ枝発見。キタカブリの時はこういう感じがよいと思ったのですが

さてさて

 

狂人は、徐に、鍬を、空高く振り上げ…パコン

 

 kakarlalen(ゴキブリ)ボトボトボトボト

und …MAIMAI

ライトで確認…奥に2匹


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ひょっひょっひょ

私の立ち上がりはまま上々なり

採集はトシ氏程うまくはなく、収集意欲もかっきー氏程ではない、小生

数は少なくとも、綺麗であれば、まあ、ええか

…と思ったら全然採れねヱ

割っても割っても出てこない

激り落つ 異郷の涙(島崎藤村『椰子の実』)

狂人は 蒼穹を 仰ぎ 叫ぶ

 

「嗚呼、キタカブリの時であれば 佃煮にできるほど出てきたであろうに!」

 

やっとこさ1頭追加したのは、適当に割っていた横枯れの樹皮少し下

同じ木からは結局もう1頭追加の計2頭のみ


道を挟んで材を割っていると

ぞろぞろと集い始め、情報交換

しかし皆数頭ということで、二桁見ることはできていない様子

私は もっと先の方に いい材はないかと 舗道に上がり 進みます

よき感じ 道を降りてゆき、ふと左を見る

ありゃりゃ

「この状況で、鍬を手にしている者は、虫屋でしかなかろう」

恐らく両者とも考えたはず

「しかもこの季節、マヰマヰ・オサでしかない」

こうも考えたろう

そして 虫屋は 口を開く

「どうですか〜」


向こうの方は茅ヶ崎からいらした様子。マイマイは10頭半ばといふこと

私はまだ全然採れていないこと、これから引き返しつつ探してみますと述べ、

お互い頑張りませうと宣言高らかに 

挨拶もそこそこ

採集モードに戻ります

途中であじたん氏に会い、こちらの方はメインはアカガネだから

マヰマヰは最初の場所の方が多いという話を聞き

美麗種好きの私としましては

元来た道を引き返して行った次第で御座います


そのよなわけにて 最初の場所より少し奥

よさげな材の立ち並ぶ 良き環境に我一人

目ぼしき材に祈りつつ 鍬を片手に徐に

振り下ろさん!


ゐたぞゑ!あなや!いとおかしげなるの煌めき

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しばらくマイマイを見ておりませんでしたので


活気づいてその材をさらに割ってみます

なんということでしょう 

一本の材から さらに出てきます


綺麗に越冬室を作る 

匠の技 

ただの材が匠の手によって

あっという間に 木のぬくもり感じる素晴らしいシェルターに大変身

(シェルターは私が壊してしまったわけですが)

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其の後さらに奥に進んでみますが

よさげな材がことごとく割られている…

何でかなあ、と思いつつ進みます

(後日談:トシが数本割っていただけで、残りは他の人が割っていたようです)


ピロンピロン


この音はもしや…あの時の(平泉参照)


周囲を見渡せば

あなや!ワンちゃんとその飼ひ主

しかし飼い主さんはを持っていたわけではなかった様子

長い棒を持っておられました

そして ワンちゃんが駆けていったその先には

先ほどの虫屋さん

 

このようなワンちゃんを連れた飼い主さん( Gewehr=gun 所持のことも)

冬の河川敷には 多いのかもしれません


虫屋の皆さん 幸在らんことを


最後に引き返しがてら、転がっている小さな材より一頭追加しました

日か落ちかけてきたので 私は終了し、舗道に上がります

他の人はまだ採集を続けているのか知らん

…なかなか来ませんのう


碧い息吹は 地球から這い上がり

身の心も 夜の帳へ誘います


道を通る人に 疑惑を持った眼差しを投げかけられつつ

暗闇せまる道に一人、狂人の姿がありました

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トシ氏はやはり、一人でかなりの数を確保した様子

相当綺麗な個体もあったようです

かっきー氏は私と同数くらい


本人としてはもう少し欲しかったのかも判りません

しかし、皆それなりには採れたということで

実のある採集となりました


今回の採集は、パルナス氏とあじたん氏に

良いポイントを教えていただき行いました

お二人には厚く御礼申し上げます



最後に ハンドルネームがdazaiなので、一つ太宰作品をご紹介

『一燈』12月23日についての作品です。本文最初の部分もここからの引用です。

是非読んでみてください

では

バイロン

by dazai39



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