奥多摩:高山性クワガタを求めて
(18.XI.2012)
参加者 dazai39, かっきー



クワガタ屋にとって、晩秋の採集と言えば南西諸島のマルバネとルリクワガタ属やツヤハダクワガタの材採です。
筆者はルリやツヤハダといった小型のクワガタが大好き。
というわけで、こいつらを求めて奥多摩の山に行ってきました。
ちなみに筆者は今年6回目の奥多摩です。

今回の採集地は6月に単独で行ってきた山に決定。
前回行った際に丸々と太ったトウカイコルリクワガタの幼虫が出た大きな材があったので、その割り残しで成虫を狙おうという魂胆です。
この山はいくつもの登山道がありますが、前回登った登山道は急登で大変なので今回は別の登山口から登り、前回の登山道を降りてくるコースを選びました。
こちらに向かうバスの本数は少ないため、夜が明ける前に家を出発して立川でdazei39氏と合流、奥多摩駅へ。

秋の行楽シーズンのためか、日曜早朝の奥多摩駅は大混雑。満員のバスで出発です。
終点でバスを降り、しばらくは集落の中の道を通って登山口に向かいます。


集落


登山口付近は低木の林となっており、しばらく進むと杉の植林です。さらに進むと鳥居があり、このあたりからはよく整備された尾根道となっています。


尾根道


道すがら杉の樹皮を剥がしてトゲフタオタマムシの姿を探しますが、かすりもしません。
トゲフタオは諦めて標高を上げ、ブナ帯で良さそうな材を探します。

このあたりは南斜面のためか乾燥が激しく、なかなか良い材は見つかりません。
産卵マークを見つけて割ってみるも、出てくるのは幼虫ばかり。


産卵マーク



幼虫


しばらく探していると、産卵マークの集中した古そうな材のすぐ下に、腕ほどの太さの腐朽が進んでボロボロになった材を見つけました。
手で崩してみると、キラッと光るものが。ルリクワガタ Platycerus delicatulus delicatulus の♀でした。


ルリ♀


同じ材からは♂も。


ルリ♂


どちらからというとコルリが好みそうな材でしたが、この材からは2ペアのルリクワガタが採集できました。
その後も探し続けるも追加はなし。昼食を摂り、山頂まで上がって反対側の斜面を下りつつ虫を探すことにしました。
ところが山頂までの道がなかなか険しい。避難小屋の前で少し休憩し、一気に登ります。

山頂からの景色は最高でした。富士山や関東平野がはっきりと見えます。


山頂1



山頂2


その後、山頂から下り始めて数メートル。登山道の脇に大きな褐色腐朽材を見つけました。
ミヤマツヤハダクワガタが入っているのではないかと、手斧で割ってみます。
すると大当たり!大型のミヤマツヤハダクワガタ Ceruchus lignarius monticola が出てきました。


ツヤハダ♂


割り続けると♀も出てきて、ペアが揃いました。


ツヤハダ♀


しかしそれ以降は幼虫のみで、成虫の追加はなし。
この材からは他にもホソアカガネオサムシ Carabus vanvolxemi vanvolxemi 、クロナガオサムシ Leptocarabus procerulus procerulus
ナガゴミムシの仲間 Pterostichus spp. などが採集できました。


オサムシ


ホソアカガネは採った瞬間にはオクタマアルマンかと思ったのですが、ちゃんと見ると違うことが分かり残念。
割った材からはまだ出る可能性があるため、スーパーの袋に入れて5kgほど持って帰ってきました。
この荷物が邪魔になって下山が大変でしたが、数日後に割ってみると幼虫すら出ませんでした。

下る途中、6月に見つけた材を割ってみました。が、成虫はおろか幼虫も全く出てこない…
日没も近づいているので、諦めて下山します。
下山中に完全に暗くなってしまい、ライトで照らしながら急な傾斜の登山道を降りてきました。
2度ほど通ったことがある登山道とはいえ、集落の明かりが見えた時にはホッとしました。

帰りのバスで爆睡する筆者。


爆睡


帰宅後、採集したツヤハダを計測すると何と20mmに届いていました!


計測


多産地と比べるとあまり個体数の多くない奥多摩産としては、なかなか立派なサイズではないでしょうか。今年一番の収穫です。
10月にホソツヤルリは採集しているので、今度はトウカイコルリを狙いに奥多摩に行きたいところです。



By かっきー


戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送